会計の読み方 売上債権(受手+売掛)

第2回 売上債権(受取手形+売掛金)の読み方

 売上債権とは、販売はしたけれど、いまだ入金されていない債権のことをいいます。

売上債権は近く入金されて資金化できる資産ですので、経営的には非常に大事な資産です。

 

1.売上債権とは

 売上債権とは販売はしたけれど、いまだ入金されていない債権のことであり、受取手形と

売掛金のことをいいます。

これらは会社にとっては近く資金化される資産ですので、経営的にも資金的にも非常に大事

な資産です。

売上債権=受取手形400万円+売掛金800万円=1200万円

 売上債権があると、すでに販売しているので安心されている経営者を多く見かけますが、

それは少し早計です。

なぜなら、まだおカネにはなっていない資産だからです。売上債権は入金されて初めて資金

となります。

したがって、約束とおりに回収することが非常に大事です。企業同士の信用取引である以上

お互いに約束は守りたいものです。

売上債権とは受取手形と売掛金の合計です!

 

2.売掛金の時効

 ところで、売掛金回収を怠って、放置しておくとどうなるのでしょうか?

実はいつまでも債権とは認められず、「時効」となり回収する権利が消滅してしまいます。

商法では、売掛金の時効は「5年」と記載されていますが、民法で別の規定があり、民法に

規定がある場合は、民法の規定が優先されてしまいます。

 【売掛金の時効期間と根拠条文】

      債権の種類           時効期間     根拠条文

  1.診療代及び工事代金など        3年     民法170条

  2.弁護士報酬等、商品の売買代金など   2年     民法172条、173条

  3.運送代金・宿泊代金・飲食代金など   1年     民法174条

  4.上記以外               5年     商法522条

なんと通常の売掛金は「2年」、飲食代においては「1年」で時効が成立してしまいます。

但し、請求を繰り返ししていれば時効起算日は更新されていきますので、時効日はどんどん

先送りされていきます。

したがって、入金期限までに支払いがない債権に対しては督促するということが非常に大事

になってきます。

商品売買の代金である売掛金の時効は「2年」です!

 

3.期日後の売掛金回収率

 では、入金期日を過ぎた売掛金の回収率は、どのように変化していくのでしょうか。

グラフのとおり、回収期日が遅れれば遅れるほど、売掛金の回収率は悪くなっていきます。

期日から90日経った売掛金の回収率は7割まで落ち込みます。

それ以上になると急激に回収率は悪くなり、1年経ってしまうと2割程度しか回収できなく

なってしまいます。

 仮に、毎月取引があって、毎月同じ売上50万円がをある得意先があるとします。

そうすると期日から30日経つと売掛金残高は2倍の100万円となります。90日経つと

4倍の200万円になります。1年経つと650万円になってしまいます。

企業間取引の場合うっかりミスで支払期日を少し遅れることはあっても、忘れるということ

はありません。

つまり、支払いがないということは、その得意先の資金繰りが厳しいことを示しています。

そうではなくとも毎月50万円の支払いが100万円、200万円となると、ちょっと厳しいものがあります。

したがってお互いそうならないためにも、請求したものは入金日にはお支払いいただくとい

う姿勢を持つことが大事です。

 よく「得意先だから」といって督促を遠慮される場合がありますが、それは得意先の為に

も良いことではなく、不親切ともいえます。

必ずすぐに「お支払いをお忘れになっていませんか」と尋ねることが親切というものです。

 なお、そのようなときに郵送やメールで済まされる場合がありますが、それはほとんどの

場合、無駄なことです。

なぜなら、通知するだけで支払われるのであれば、請求書を送付すれば支払われているはず

です。まずは、電話連絡をしてお話をする、これが大切です。

期日を過ぎると売掛金回収率はとたんに下がる!

期日に入金なければすぐ電話連絡することが大事!

 

 では、そんな売掛債権残高をどのように読めばよいのでしょうか。 

読み方と言っても「いま1200万円ある」とか、「前月より増えた」では読んだことには

なりません。ただ残高を見ただけに過ぎません。

 では、どうすればよいのでしょうか?

それは手元資金のときと同様、売上債権も多角的に比較して読むことが大切です。

多角的に比較して、売上債権の状況を読み、経営的な判断することです。

売上債権を読むとは多角的に比較し

その状況の良い悪しを判断することです!

 

4.「売上債権」と「毎月の売上高」を比較する

 まず考えられることは「毎月の売上高」と比較することです。

売上債権1200万円÷平均月商800万円=回収サイト1.5カ月 

このように比較することで、自社の実質回収サイトが把握できます。

この場合、1.5カ月後にすべての売上債権は回収できるということです。

この計算をする前に社長さんにお聞きすると、「当社は翌月回収です」など、実際と違うこ

とをおっしゃる社長が実に多いです。

これは、どこかの取引先と社長が思い込んでいる約定とは違った条件で取引をしているか、

あるいは支払いが遅れている取引先があることを示しています。

その場合は、1件1件確認をして、その取引先を特定する必要があります。

売掛債権の読み方の基本は平均月商と比較することです!

 

5.「買入債務」と「売掛債権」を比較する

 売上債権とは売った商品代金でした。買入債務はそのために仕入した仕入代金です。

この二つを比較することで、売買バランスの良し悪しを読むことができます。

買入債務480万円÷売上債権1200万円=買入売上債権比率40.0%

これは売上債権に占める買入債務の割合ですから「債権債務ベースの原価率」といえます。

これが異常に高い場合は、仕入が多すぎるか、仕入単価が高すぎる(又は売価が安すぎる)

か、どちらかということになります。

買入債務と売上債権を比較することで売買のバランスが判断できる!

 

6.売上債権状況を改善する方法

(1)回収は期日を守る

 売上債権の改善は、ともかく期日を取引先に守っていただくということです。

いつも贔屓にしていただいているから、少々ルーズに支払うことを容認するとか、請求書を

出しているので、ともかく相手がお支払いになるまで待つとかは避けるということです。

期日までに入金が無ければ、翌日には必ず電話で状況を確認する習慣をつけましょう。

 そうはしても、相手は決してうるさいなどとは思いません。むしろしっかり管理している

会社だということで信用が増します。

さらに、相手に対して期日までにお支払いただく習慣をつけさせることになります。

またさらには、相手先の当社支払順位を上げることにもつながります。

(2)受取手形はなるべく受け取らない

 手形取引には下記のように、必ず一定のリスクが伴います。

したがって、なるべく受取手形を受け取らないように交渉しましょう。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

 手形取引とは、手形の振出人、手形の受取人、手形を決済する銀行の3者間で取引される

「約束手形」が一般的で、約束手形には受取手形と支払手形があります。

受取手形とは、期日が到来したら相手方から代金を受け取ることができる手形のことです。

支払手形とは、期日が到来したら相手方に代金を支払わなければならない手形のことです。

 どちらも現金化までの期間が長いので、一定のリスクを抱えています。

受取手形は販売代金の現金化に時間がかかりますから、資金繰り悪化のリスクがあります。

支払手形は支払いを先延ばしできるので資金調達の性格を帯びていますが、不渡りのリスク

が常にあります。

 1回でも不渡りを出すと、すべての金融機関にそのことが周知されてしまいます。

さらに1回目から6カ月以内に2回目の不渡りを出せば、銀行取引停止報告への掲載ととも

に、やはりすべての金融機関に通知され、融資を受けることができなくなります。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

 

7.まとめ

 以上をまとめますと、下図のようなイメージとなります。

なお、売掛金の時効は2年であること、また支払期日を過ぎると売掛金の回収率は低くなることから、売上債権の回収はしっかり行うことが求められます。

ぜひ、自社の売上債権の状況を判断し、必要な経営判断を意思決定をして、経営環境の変化を乗り越える経営をしましょう。

 

 

 

何度も言っていますが、会計は決算・税務申告のためにしている「事務」ではありません。

会計は経営に資するために日々行っている「経営管理(マネジメント)業務」なのです。

いまほど経営手腕が問われているときはありません。

会計とマーケティングを駆使して常にに経営を革新し、永続的に続く企業経営目指しましょう。

 

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戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。

そして、その結果が「いま現在である」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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掲載日:2020年11月25日 |カテゴリー:会計識字率

会計の読み方 手元資金(キャッシュ)

 多くの企業は毎日帳簿をつけておられます。

そして月末の帳簿付けが終われば、試算表が作成されています。

これを現代の表現に変えれば「毎日会計ソフトで入力して、翌月には自動的に月次試算表が

出来上がっている」という感じになります。

 しかしそれなのに多くの中小経営者は多忙や仕事を理由にして、そのように出来上がって

いる月次試算表を見ていないと言われています。

逆に、規模が大きい中小企業経営者や大企業経営者になればなるほど、月次試算表をよく見

ていると言います。

 なぜ、中堅企業や大企業の経営者は月次試算表を必ず見ておられるのでしょうか?

それは自社の経営状態を確認するためです。

 ちょっと、ヘンだと思われませんか?

経営状態が不安定な中小企業経営者が月次試算表を見ないで、それより経営状態が安定して

いる中堅企業や大企業の経営者の方がよく月次試算表を見てるとは・・。

実はここに、事業が大きくなった理由や経営がより安定している理由があります。

 現代の日本は、人口が減り出している状況です。さらに若い人より年配者が増加している

状況です。

世界中どこも経験していない状況に向かって、いま日本経済は進んでいるということです。

そしてそのうえに新型コロナ禍です。

最近は冬場に向かうに連れて、新型コロナ感染者の数が増え出して来ています。

いつ春先のように、緊急事態宣言が再発令されてもおかしくない状況になりつつあるように

思われます。

 客観的に見れば、こんなに経営環境が大きな波で揺れ動いているのに、これまでの経験や

勘だけで経営をされるなんて考えらますか?(しかも新型コロナ禍は経験していません!)

ふつうでは考えられません。これが船舶なら座礁してしまいます。なおさら小型船舶なら、

木っ端微塵です。

 そこで海図や船の状況を知る資料が会計資料、すなわち「月次試算表」なのです。

 

 今回はそんな月次試算表の「会計の読み方」を紹介していきます。

その第1回は『手元資金(キャッシュ)の読み方』です。

 

第1回 手元資金(キャッシュ)の読み方

 手元資金は企業の資産の中でも、いまもっとも重要視されている資産であり、最重要管理

項目の資産です。新型コロナ感染拡大で売上高が大きく変動する中で、事業継続のために、あらめてその重要性を説く必要はないかと思います。

 

1.手元資金とは

 手元資金とは、下記のとおり、現金と預金の合計です。

現金10万円+預金500万円=手元資金510万円

手元資金は多ければ多いほど、経営は安全ですので、中小企業の場合は多ければ多いほど「良い」と理解するべきです。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

*上場企業や大企業の場合は第3者の株主が存在しますから、あまり手元資金が多すぎると

 積極的に利益を上げようとしていないと批判されることがありますが、中小企業の場合は

 そんな株主の存在は基本的にありません。ほとんどの場合が、経営者だけが出資している

 だけですので、上場企業などの場合と判断は違います。 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

 では、そんな手元資金をどのように読めばよいのでしょうか。 

読み方と言っても「いま510万円ある」では読んだことになりません。

ただ計算しただけに過ぎません。

また「多ければ多いほど経営は安全といわれるので、もっと増やそう」というのも読んだ

ことになりません。

ただ「火の用心」と繰り返しているに過ぎません。具体的にどのように火の用心すべきかが肝心です。

 では、どうすればよいのでしょうか?

それは多角的に手元資金を比較することです。

多角的に比較して、会社の手元資金状況を読み、経営的な判断をすることです。

手元資金を読むとは多角的に比較しその残高の良い悪いを判断すること!

では、どんなことと比較すれば良いのでしょうか?

 

2.「手元資金」を会社の必要なおカネ「毎月の売上高」と比較する

 まず考えられることは「毎月の売上高」と比較です。

手元資金510万円÷平均月商800万円=平均月商0.6カ月分 

毎月の売上高は、会社の1カ月の生活費だとも言えます。

毎月の売上高には、毎月の売上原価も、毎月の人件費も、毎月の経費も、そして毎月の利益

(黒字の場合)も含まれています。また毎月の利益は毎月の借入金返済原資でもあります。

つまり、家計的に言えば、生活費プラス貯金みたいなものです。

その平均月商の何カ月分の手元資金があるのかということです。

 では、どのくらいあれば良いのでしょうか。ちょっと考えてみてください。

それは最終的に経営者自身が判断することですが、売上高1カ月分程度ではこのコロナ禍、ちょっと心許ないと言わざるを得ません。せめて2~3カ月分は欲しいですね。

平均月商の2~3ヵ月分の手元資金は持てるように経営する!

 

3.「手元資金」を会社の必要なおカネ「毎月の最低固定費」と比較する

 これは「毎月の売上高」という大雑把な生活費の捉え方とは違い、もう少しシビアに、

最低額の生活費と比べようとする考え方です。

最低固定費とは売上がゼロでも必要となるおカネです。

具体的には人件費、家賃や光熱費などの経費、それに借入返済額などです。

手元資金をこれと比べます。

手元資金510万円÷月額最低固定費300万円=月額最低固定費1.7カ月分

 この考え方では月数が平均月商分と比べた時より多く必要となります。

少なくとも月額最低固定費の向こう3カ月分ぐらい、今回のコロナ禍で学べば6カ月分程度の手元資金を持ちたいものです。

月額最低固定費の6カ月分の手元資金を持てるように経営する!

 

4.「手元資金」を会社の必要なおカネ「毎月の必要運転資金」と比較する

 毎月の必要運転資金はどう計算すれば良いのでしょうか? ちょっと難しそうですね。

しかし、実は月次試算表にはしっかりそれが表示されているのです。

それは、流動負債の買入債務と未払金及び未払費用と預り金、それに毎月の借入金返済額の

合計です。これらが毎月会社を回していくための必要運転資金となります。

 買入債務とは毎月支払う仕入代金で、手形を使っていれば支払手形と買掛金の合計です。

 未払金及び未払費用は、現金で支払った分を除いた毎月の経費代金になります。

 預り金とは、従業員から預かっている社会保険料とか源泉税です。

 それらに借入金の毎月の返済額の4つがおおよその『毎月の必要運転資金』となります。

もっとザックリと考えれば、流動負債合計が毎月必要な運転資金と考えても、別段差し支え

はありません。

手元資金510万円÷月次必要運転資金500万円=月次必要運転資金1.0カ月分

 この考え方では最低でも月次必要運転資金の2カ月分程度は持ちたいですね。

できれば、月次必要運転資金の6カ月程度の手元資金を持ちたいところです。

月次必要運転資金の6カ月分の手元資金を持てるように経営する!

 

5.「手元資金」を会社が借りているおカネ「借入金」と比較する

 また、借りている借入金残高と比較することも大事なことです。

いまは金融庁の行政指導により金融機関が返済猶予に応じてくれる場合も多くありますが、

とは言えども借入金は返済しなければならないモノです。

その返済は利益から資金になった手元資金からするわけです。

そこで手元資金と借入金残高を比較し、状況を認識しておくことは重要です。

手元資金510万円÷借入金残高3600万円=14.2%

ちなみに借入金残高とは、短期借入金残高と長期借入金残高の合計です。

 考えてみると、借入当初はすべて預金に融資額が入金されて来ますので、その比率は

100%以上であったわけです。

そして借入用途に応じて借入金を使いますのでその割合はぐんと下がりますが、その後は

徐々に上がっていくべきものです。

従って一律に「常に何%以上」という言い方はできませんが、融資を受けた以上、常にその割合を確認し、経営者としてその状況を把握しておくべきものかと思います。

手元資金と借入金残高の割合を毎月確認し、返済状況を確認して経営する!

 

6.手元資金状況を改善する方法

 最後に手元資金の状況を改善する方法について簡単に触れましょう。

(1)黒字経営

 なんといっても「黒字経営をする」ことが絶対的な基本です。

大企業は経営状況に余裕がありますから、ある程度長期スパンで考えてもよいと思いますが

(それでも東芝や日産などのことを思い出してください。たとえ経営状況が悪い場合でも、

大企業はその改善期間に2年も3年もかけません)、中小企業はそれよりも余裕がないわけ

ですから、原理原則『毎期黒字経営』が大原則です。

少なくとも繰越利益が赤字になるなんてあり得ない!ぐらいに思われるべきかと思います。

(2)役員借入

 いいことではありませんが、中小企業の場合は経営者が出資し、事業を起こしているわけ

ですから、資金的にも公私がつながっていることが実情です。

そこで手元資金に余裕がないのであれば、役員借入を起こすことも一手です。

(3)融資

 銀行借入や補助金なども含め金融機関・行政などから融資を受けることが考えられます。

このうち、金融機関からの融資については、昨年あたりまでは「無借金経営」ということが

声高らかに言われていましたが、コロナ禍のいまは、それよりも借入をしてでも資金調達を

行い、手元資金を増やすことを優先している企業が増えています。

 これから再び緊急事態宣言など、厳しい経営環境を迎えるかもわかりませんので、早めに

金融機関に融資を申し込むのも、一手かもわかりません。

 

7.まとめ

 以上をまとめますと、次のようなイメージとなります。

ぜひ、自社の手元資金状況を判断し、必要な経営判断を意思決定をして、厳しい経営環境の
変化を乗り越える経営をしましょう。

 

 

 これまでも何度か申しあげてきましたが、会計は決算や税務申告のためだけにしている

「事務」では決してありません。

むしろ会計は会社経営の判断をするために日々行っている「経営管理業務」なのです。

いまほど、経営者の『経営手腕』が問われているときはありません。

会計とそしてマーケティングを駆使して常に経営を革新し、永続的に続けられる企業経営を

目指しましょう。

 

 

-----------------------------------------戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。

そして、その結果が「いま現在である」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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掲載日:2020年11月18日 |カテゴリー:会計識字率

主な戦術論 戦術論のまとめ

ここまで中小企業が採れる戦術論を下記のとおり紹介して来ました。

 1.戦術には外せない『4P』と『4C』

  ・企業の立場からは4P プロダクト・プライス・プレイス・プロモーション

  ・顧客の立場からは4C カスタマーバリュー・カスタマーコスト・コンビニエンス・

              コミュニケーション

 2.商品価値の考え方である3密を避ける『バリュー・プロポジション』

 3.より商品価値のみがき方である『戦略キャンパス』

 4.その商品価値の思考経路である『6パス』

 5.販売促進のポイントは13.5%のアーリー・アダプターの攻略『キャムズ理論

 6.戦術遂行に伴う組織改革のポイント7つのS『組織分析のフレームワーク7S』

 7.社内のやる気を高める『二要因理論』 動機付け要因と衛生要因

戦術論はこの他にも数多く存在しますが、ここまでご紹介した戦術論のまとめを以て、

このテーマは終了とさせていただきます。

これまでのことをわかりやすくまとめると次のようになります。

 1 戦術にこれは外せない!          4Pと4C

 2 顧客価値はありきたりのことを避ける!   バリュー・プロポジション

 3 顧客価値をみがきをかけてキラリ光らせる! 戦略キャンパス

 4 戦術のヒントは他にあり!         6つの経路

 5 販売促進には壁がある!          キャムズ理論

 6 組織は戦略・戦術に従う!         組織分析のフレームワーク7S

 7 遂行するのはヒトだ!           二要因理論

では、そのひとつひとつを再度確認しましょう。

 

1 戦術にこれは外せない! 4P/4C

4Pとは「製品・価格・流通・販促」のことでした。

非常に差別化が難しいと言われている護送船団方式の業界、会計事務所で考えれば

このようなイメージです。

 製品 会計事務所の製品と言えば、税務・記帳・決算・申告です。

    しかし時代も変わり、それでいいのでしょうかという状況になっています。

    4Cから見れば「それで顧客価値があるのですか」ということになります。

 価格 一般的に月次は3万円、決算は6カ月分と言われている会計事務所の価格ですが、    顧客規模や顧客ニーズがいろいろある中で、それでいいのでしょうかという状況に

    なっています。もっと柔軟的に考えることが求めてられています。

    4Cから見れば「それで顧客がコストパフォーマンスとして満足いくものですか」

    ということになります。

 流通 近隣周辺の中小企業を顧問にするというのがこれまでですが、ICTが発達した

    いま、「近く」という要件は徐々に低くなっています。

    4Cから見れば「それで顧客利便性は満たされていますか」ということになります。

 販促 会計事務所業界はすでに広告規制が撤廃されています。しかし業界内ではいまでも

    実質的には規制されています。一部ではテレビ、ラジオ、新聞や大相撲懸賞旗など

    通じて広告していますが、しかし業務柄、いまでも紹介が中心です。

    今後はパブリシティ的な考え方も重要となってきます。

    4Cから見れば「それで顧客市場とコミュニケーションが取れていますか」という

    ことになります。

感覚的に4Pと4Cの考え方がお分かりいただけたでしょうか。    

 

2 顧客価値はありきたりのことを避ける! バリュー・プロポジション

製品の顧客価値はありきたりのものでは、結局、価格競争にならざるを得ません。

ですから、それを少し同業者とずらすことが重要となります。

例えば、ある程度の高級家電であれば・・

製品とアフターフォローをセットにすることで差別化することが可能となります。

街角の家電店なら無償修理の上限を決めて、保証期間を長くすることなどが考えられます。

量販店でばその仕組みを作らなければならないこと、またサービスレベルを保つことなど、

さまざまな難解なことがありますが、街角の家電店であれば、まず顧客が近いこと、そして

コミュニケーションが直接取れること、さらにサービスの品質も自分が気を付ければ保てる

ことなど、家電量販店の同様サービスよりも付加価値をあげることが可能です。

 

3 顧客価値をさらにみがきをかけてキラリ光らせる! 戦略キャンパス

顧客価値が、顧客にとって分かりやすく(明快さ)、同業者との違いがハッキリしているか

(明確さ)など、顧客価値にさらにみがきをかけることが重要です。

それを『戦略キャンパス』で確認することができます。

 

4 戦術のヒントは他にあり! 6つの経路

さて、そんなことがなかなか思い当たらない場合はどうするか?

その方法が「6つの経路」でした。

①代替商品を見る、②すごいと思っている同業者を見る、③顧客をよく観察する、④製品を取り巻くものを見る、⑤機能だけでなく感性からも見る、⑥業界や商品の将来を考えてみる

この6つ思考経路から再考すると、新たなヒントが見えて来るということです。

 

5 販売促進には壁がありその打開策を備える! キャムズ理論

さて、新しく考え直して商売を始めましたが、うまく行くとは限りません。

むしろ、うまく行かない場合の方が多いかもわかりません。

だからそんなことは折り込み済みです。

そんな場合は、もう一度、これまで考えてきたことを振り返ります。

これも、道筋を立てて考えてきたおかげで振り返ることができるわけで、大きな利点です。

そこに問題がなければ、①いま一度顧客の評価に耳を傾ける、②そして小さな改良を積み重ねる、③他の客層に際してはカスタマイズし直してその客層に対する付加価値をつけていく

ということです。

ここまで論理的に商売を展開すれば改善も容易になり、また同業ではやっていないことですから、必ず勝利できます。

 

6 組織は戦略・戦術に従う 組織分析のフレームワーク7S

新しいことをやるには、組織変更することが必要になる場合もあります。

そのことから「組織は戦略・戦術に従う」といいます。

そこで、これまでの体制から組織を変えることには大変骨が折れるということを知っておく

ことが大事です。

仕組みはある意味形あるものですから簡単に変えられます。

しかし、ヒトが関わることはそう簡単ではないということです。

前者を「ハードのS」といい、後者を「ソフトのS」といいます。

かんたんなハードのSは「社内の仕組み・組織構造・戦略」の3つです。

むずかしいソフトのSは「経営理念の浸透、組織風土、人材育成、能力向上」の4つです。

 

7 遂行するのはヒト! 二要因理論

これらを遂行するのは、経営者でもありますが、最前線では従業員である「ヒト」です。

そこで経営を営む者として、不満と満足は同軸ではないことを理解することが大事です。

つまり、「満足足の反対は不満ではない」ということです。

満足の要因は「動機付け要因」といい、仕事の達成感・やりがいや仕事を通じた承認とか、責任とか、その結果の昇格昇進、そして、自己成長ということです。

不満の要因は「衛生要因」といい、環境に関することです。会社の方針や理念、給与水準、対人関係、労働条件、職場環境そして会社の安定雇用などです。

このことを知っておけば、ヒトのヤル気を増幅させることができます。

 

 

マーケティングは、企業間のこと、顧客間のことだけではなく、マネジメントの仕方などに

ついても多くの理論があります。それが「マーケティングとは企業活動全般に関する理論で

ある」と言われる所以です。時代の進展とともに社会は複雑化しており、中小企業経営とい

えども、これからはマーケティングをもって挑むことが大切です。ぜひ、自分なりにマーケ

ティングを経営に生かしていこうとする意欲が大切です。常に経営を革新し、永続的に続く

企業経営目指しましょう。

 

 

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戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。

そして、その結果が「いま現在である」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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掲載日:2020年11月11日 |カテゴリー:マーケティング

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