図解 事業戦略策定の方法 21

 

戦略論の第7回目は「バリュー・プロポジション」です。

前回のコア・コンピタンス経営に続き、また聞きなれない言葉ですが、

ぜひ考え方は理解しましょう。 事業に必ずプラスになります。

 

1 バリュー・プロポジションとは

バリュー(value)とは、価値とか、値打ちという意味です。

プロポジション(proposition)とは、提案とか、主張という意味です。

組み合わせると「価値ある提案」となり、お客さまに価値のある提案をして、

競い合うことなく勝つようにするということです。

具体的には、お客さまが望んでいること、同業者が提供できること、

そして自社が提供できることを考え、その3つが重なり合った安易にできることを

お客さまに提供するのではなく、

自社ならではのこと(価値ある提案)を、お客さまにアピールしようということです。

つまり、お客が望み、同業者はできず、自社ならできる「価値ある提案」ということです。

そこから、バリュー・プロダクションは「争わないで勝つ戦略」とも言われています。

 

2 バリュー・プロポジションを考えるうえでのポイント

一般的に、お客さまが期待していることに対して、誰でもが提供できることの中で

争うから、”過当競争”というものが生まれることになります。

そこで、このバリュー・プロポジションは、そこを外し、自社だけが提供できることで

勝負に挑もうという考え方です。

したがって、外ではやっていないことをやるので、少し勇気がいる戦略となりますが、

そのポイントは次の3つです。

(1)「顧客の視点」から考える  *お客さえ気づいていない価値を見出せれば最高!

(2)顧客ニーズを絞り込む

(3)他社と同じことはやらない

ほとんどの会社は、時間と費用をかけて、同業者と同じことをやっています。

ですから、どうしても過当競争や低価格競争に陥ってしまいます。

このように考えてみると、バリュー・プロポジションはやってみる価値は大いにあると

思いませんか!

 

3 街角にある家電店に学んでみる

家電といえば、大型家電量販店やインターネット通販で買うのが常識になっていますが、

量販店で提供できる価値は、「廉価販売」と豊富な「品揃え」です。

ネット通販で提供できる価値は、「価格」と販売員等の「わずらわしさからの解放」です。

ただ、両方とも、販売量がカギを握っていますので、広い商圏と幅広い顧客層を前提に

成り立っています。

一方、街角にある家電店は、それほどの廉価販売もできず、品揃えも乏しいですが、

しかし、地域「密着型のサービス」ができるという、量販店やネット通販にはない価値を

持っています。

この価値が、狭い商圏とシニア層のうえで成り立っているということです。

シニアが望んでいる価値は、後々のアフターサービスであり、ちょっとしたことでも

気軽に訪問してくれる利便性であり、ものすごい低価格はそれほど望んでいません。

こう観察してみると見事に、「お客さまが望み、量販店やネット通販では実現できない、

地域密着型の家電店だからこそできる『価値』で勝ち残っている」ことがわかります!

どんな仕事や事業にも、このようなことがあるのではないのでしょうか。

 

バリュー・プロポジションという考え方は、赤字経営が多い中小・小規模企業に対して

大きなヒントを与えてくれます。

私たちは、あまりにも横並びの経営をし過ぎているのではないのでしょうか? 

それを「常識」とか「固定観念」といいます。

常識や固定観念という枠の外に出ることによって、初めて「バリュー・プロポジション」は

実現可能となります。

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。


掲載日:2019年3月20日 |カテゴリー:マーケティング

図解 事業戦略策定の方法 20

 

 

戦略論の第6回目は「コアコンピタンス・マネジメント」です。

コア・コンピタンスって、あまり聞きなれない言葉かと思います。

コア(Core)とは、ご承知のとおり、地球のコアとかで使われるように「芯・中心」などという意味です。

コンピタンス(Competence)とは、コンピテンシーモデルなどという言葉もありますが、「技量・能力」などという意味です。

したがって、コア・コンピタンスとは「企業活動において同業他社を圧倒する能力」あるいは「同業他社には真似できない能力」のことをいいます。

コア・コンピタンス経営(Competing for The Future)は、

96年にゲイリー・ハメルとC.K.プラハラードによって書かれたものです。

このコア・コンピタンス経営の特徴は、コスト削減ではなく、自社の強み(コア・コンピタンス)を磨くことで主導権を創造し、収益拡大を目指す経営を提唱していることです。

 

1 コア・コンピタンスとは

コア・コンピタンスとは、顧客に価値をもたらす、他社にはマネはできない、自社の中核

スキルや技術のことであり、簡単に言えば「自社の強み」ということになります。

企業の再構築(リエンジニアリング)や縮小(リストラクチャリング)などのコスト削減

よりも収益拡大がより重要であり、コア・コンピタンスに着目するほうが将来の事業成長に

つながるという考え方です。

なぜなら、リエンジニアリングやリストラなどの安易な縮小論は、すぐ効果は出るかもしれ

ませんが、それは同時に、将来の芽を摘むことにもなります。したがって、はるかに自社の

コア・コンピタンスを伸ばすほうが重要であるということです。

 

2 戦略の見方を変えるためのポイント

コア・コンピタンス経営では、戦略の見方を変えるためのポイントして

次の5点を紹介しています。

(1)強み(コア・コンピタンス)で競争する

(2)改善計画や年度事業計画よりも、コア・コンピタンスを築く計画をつくる

(3)現実的な計画よりも、多少困難でも社員のやる気を引き出す高い目標を設定する

(4)未来の市場機会を発見するブックオフやQBハウスなどのように先見性を築く

(5)経営資源の配分よりも経営資源の相乗効果を狙い、

   ノリタケやセコム、ZFなどのように経営資源の制約を打破する

少し抽象的な説明かもわかりませんが、実例企業を想像すれば、言わんとしているところは

理解できるかと思います。

 

3 コア・コンピタンス経営とは未来のための競争である

 そのために、3つのポイントを紹介しています

(1)過去を忘れる

   過去を知らないメンバーだけで協議・議論をする。

   たとえ一人でも過去を経験した者がいれば、全員が過去を経験をした気持ちになる。

(2)未来をイメージする

   具体的には、

   ①既存市場の枠を超える ②既存のコンセプトに縛られない ③現状の価格と性能の

   前提条件に挑む ④子供のような目を持つ ⑤好奇心を持つ ⑥謙虚に考える

   ⑦色々なものを組み合わせてみる ⑧比喩や類似を探す ⑨あまのじゃくになる

   ⑩顧客を超える、縛られない ⑪ニーズに感情移入する  ことです。

(3)戦略設計図を描く

   ストレッチ(現実を超えてみること)とレバレッジ(これまでの資源の活用・再評

   価)で設計する。

 

4 コア・コンピタンス経営は一夜にしてならず

 コア・コンピタンス経営を実現するためには、ひたすら磨き続けることが大切です。

 磨き続けるには、次の3つが大事だと言っています。

(1)常に顧客価値の視点を持つ

(2)他社との違いを常に明確化する

(3)自社のコア・コンピタンスをに拡げていく努力をする

 

これから企業が生き伸び続けていくためには、冗費節減は必要条件ですが、それだけでは

十分条件を満たすことはできません。十分条件は「収益の拡大」です。

収益の拡大なしでは、未来の人件費・原価・経費をまかない、利益を確保することはでき

ませんそのためには、コア・コンピタンス経営と言われる「強みを高める経営」は重要だ

と思います。

これまでの慣習や思い込みなどに囚われずに、常識という枠の外に出る!そのことがやはり

大切なのではないのでしょうか。

 

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。


掲載日:2019年3月13日 |カテゴリー:マーケティング

図解 事業戦略策定の方法 19

 

戦略論の第5回目は「ビジョナリー理論」です。

ビジョナリー理論とは、95年9月日経BP出版センターから発刊された「ビジョナリー・カンパニー ~時代を超える生存の原則」(ジェームズ・C・コリンズ、ジェリー・I・ポラス著)に収録されている『十二の崩れた神話』のことです。

ビジョナリー理論はいわゆる戦略論ではありませんが、経営環境の変化が激しく、競争も厳しい現代経営において、とても示唆に富んだヒントであり現代の会社経営を継続させていくコツともいえるものです。

ビジョナリー・カンパニー(未来志向企業・先見的企業)は、ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先験的な企業、業界で卓越した企業、そして100年以上続いている企業のことを言っています。

重要なことは「企業は組織の活動である」と看破していることです。

そのことを脳裏において、ぜひ、お読みください。

 

 ≪ビジョナリー理論「十二の崩れた神話」より≫

1 すばらしい会社をはじめるには、素晴らしいアイデアが必要である

  ☞すばらしい会社をはじめるためには、素晴らしいアイデアは必ずしも必要ではない

   ということです。

 素晴らしいアイデアを持って、短期的な成功を得ることも大切なことですが、より大切な

 ことは長いレースで勝つことです。その意味では、素晴らしいアイデアというのはあまり

 必要ではなく、もっとほかに必要なことがあると言っています。

2 ビジョナリー・カンパニーにはビジョンを持った偉大なカリスマ的指導者が必要である

  ☞すばらしい会社にするためにカリスマ経営者が必要かといえば、必ずしもそうでも

   ないということです。

 カリスマ経営者よりも、長く続く組織をつくる経営をめざすべきだと言っています。

3.特に成功している企業は利益の追求を最大の目的としている

  ☞成功している企業は、利益追求を最終目的にはしていないということです。

 よく「事業の目的は利潤だ」という言い方もされますが、確かに利益は事業にとって重要

 な目的ではありますが、しかしそれは経緯に過ぎず、おカネ儲けを超えた基本的価値観の

 追求こそが重要な目的だと言っています。

4 ビジョナリー・カンパニーには共通した正しい基本的価値観がある

  ☞成功する企業に共通する正しい基本的価値観というものはない、ということです。

 成功企業に共通する基本的価値観や理念はなく、何よりも大切なことは、各企業にとって の「自社の事業目的は何なのか」を突き詰めることだと言っています。

5 変わらない点は変わり続けることだけである

  ☞経営には、やはり変えてはいけないものもあるということです。

 何でもかんでも変えていけばよいというものではなく、やはり、変えてはいけないものも

 あるということです。それは基本理念であり、基本理念をしっかり維持することが組織に

 変化を与え、環境野変化に適応できる組織に変えていくということです。

6 優良企業は危険を冒さない

  ☞ときには、無謀とも思える冒険をしなければならないということです。

 石橋を叩いて実現可能な目標ばかり設定していては、組織は惰性的になってしまいます。

 ときには社運を賭けるような大胆な目標(BHAG)に挑戦することが社員を引きつけ、

 やる気にさせる組織にするということです。

7 ビジョナリー・カンパニーは誰にとっても素晴らしい職場である

  ☞残念ながら、誰にとっても素晴らしい職場というものは存在しないということです。

 会社の基本理念と合う人にとっては居心地のいい職場となるが、そうでない人にとっては

 必ずしもそうではないということです。誰にでもいい顔をして、ポピュリズムに流される

 のではなく、会社の理念を守り切るということも大切です。

8 大きく成功している企業は綿密で複雑な戦略を立てて最善の動きをとる

  ☞綿密な戦略を立てることよりも、まずやってみて、その結果に学ぶことが、大きく

   成功している企業の共通項だということです。

 考えているばかりでなく、ともかくやってみる。その結果から、最善のものが生まれて

 くるということです。

9 根本的な変化を促すためには社外からCEOを迎えるべきだ

  ☞根本的な変化を成し遂げるためには社内の人材が重要であって、だからこそ、社内の

   人材育成が大切だということです。

 根本的な変化と斬新なアイデアは、社内からこそもたらされる。だから人材育成が大切と

 いうことです。

10 もっとも成功している企業は競争に勝つことを第一に考えている

  ☞成功するためには競合に勝つことばかりを考えるのではなく、むしろ自社を磨くこと

   のほうが大切だということです。

 競い合うべきは他社ではなく、自社自身であり、つねに自らに勝つことを考え続ける。

 だからこそ、改善され続けられるということです。

11 二つの相反することは同時に獲得することはできない

  ☞現実は「二兎を追う者は一兎も得ず」ではない、ということです。

 どちらかをやるという二者択一的な発想ではなく、同時に追求できる(ANDの才能)と

 いう発想をすることで、経営にスピード感が出てきます。

12 ビジョナリー・カンパニーになるには主に経営者が先見的な発言をしているからだ

  ☞先見的な発言だけではなく、実行しているからこそ、ビジョナリー・カンパニーに

   なれるのだということです。 

 先進的な発言を書にしたためたりすることも確かに一歩ではありますが、それよりも大切

 なことは、試行錯誤、やってみるということです。

 

 

何か感じるものがありましたか?

経営者たるもの、常にピュアな心でいたいものです。

ビジョナリー理論は、アンチテーゼ的な経営論ですが、凄い企業がやっていることは凄い

ことではなく、それぞれが当たり前のことをやり続けているということです。

その底辺には経営者が考え抜いた「経営理念」があり、その経営理念を浸透させるためにも

人材育成に力を入れ、何よりもスピード経営と実行を大切にしているということです。

これならビジョナリー・カンパニーとまでは成れなくとも、私たちも出来そうです。

これまでの慣習や思い込みなどに囚われずに常識という枠の外に出る! そのことがやはり

大切なのではないのでしょうか。

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。


掲載日:2019年3月6日 |カテゴリー:マーケティング

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