科目の読み方② 売上債権

 今回の「科目の読み方」は『売上債権』です。

 

1 売上債権とは

 売上債権とは、売上と同時に生じる債権のことで、「受取手形」と「売掛金」のことを

いいます。

受取手形がある場合は、「売上高 →売掛金 →受取手形 →手元資金」という資金回収の

流れとなり、売上債権が資金化できるまでの期間が長くなります。

手形を受け取らない場合は、その分だけ資金回収の時間は短くなり、現金売上だけの場合は

さらに短くなります。

なお、手形を受け取る場合は資金化を早めるために受け取った手形を割引する場合も多く、

割引コストと不渡リスクが生じることになります。

なかなか自社だけでは解決できない問題ではありますが、手形取引は古い商慣行ともいえ、

できれば避けたいところです。

また資金繰りをラクにするポイントもまさにそこにあり、

手形を受け取らないで済む取引を考えたり、あるいは売掛金の一部だけでも現金回収できる

ようになどの工夫を考えます。

資金繰りを楽にするポイントは

手形を受け取らないこと、売掛の一部だけでも現金回収化にすることにある!

 

 

2 売上債権の資金的な考え方

 売上債権は「資産の部」に表示されています。

「資産」ということは、手元資金を除いて「資金を運用している」ということになります。

ここを考え違いしている人が多くあり、

資金を運用しているということは手元資金になるまで資金を使っているということです。

資金を売上債権として運用しているということは、どこかでその資金を調達しているという

ことになります。

 売買活動において資金調達しているところとは「買入債務」なのです。

買入債務とは「支払手形+買掛金」のことであり、確かに買入債務は負債であり、借金なの

ですが、会計では「資金調達をしている」と見ます。

売上債権という運用資金の財源がすべて買入債務で出来ているならば、売買活動で別途、

資金調達する必要はありません。

しかし、売上債権の運用は買入債務に利益を上乗せしているわけですから、通常は不足する

ことになります。

その不足分のことを「要調達運転資金」と呼び、現実的にはそれを手元資金で補填している

ことになります。

売上債権と買入債務の差額分のこと「要調達運転資金」と呼ぶ

 

 実際の売買活動で運用している資産には「売上債権」のほかに、まだこれから売るか売れ

残るかという「棚卸資産」があります。

したがって、売買活動の「要調達運転資金」は次の算式で計算できることになります。

「要調達運転資金」=(売上債権+棚卸資産)ー買入債務

 

たとえば、

受取手形0円、売掛金500万円、棚卸資産150万円、買入債務300万円であれば、

(売上債権500万+棚卸資産150万)ー買入債務300万=要調達運転資金350万と

なり、基本的には手元資金として350万以上なければなりません。

もし少ないようであれば資金化される売上債権も回していることになり、いわゆる「自転車

操業」ということになります。

 このことは会計事務所の人でさえ、わかりやすく説明できる人は少ないようです。

しかしこのように理解すれば、「要調達運転資金」の考え方が分かります。

この「要調達運転資金」は実務では非常に重要なことです。よく理解しておきましょう。

 

3 要調達運転資金の考え方の応用

 上記のように要調達資金の考え方が理解できれば、

日々の事業活動に必要な要調達資金や経営全般における要調達資金についても理解ができる

ようになります。

(1)日々の事業活動に必要な要調達資金の状況

 日々の事業活動で運用している資産とは何でしょうか?

B/Sを見るとそれが表示されています。

それは流動資産から手元資金を除いたもの、つまり「流動資産ー手元資金」です。

手元資金を除く流動資産とは、1年以内に資金化できる資産とされています。

表現を変えれば、毎日の事業活動で資金運用している資産といえます。

 逆に日々の事業活動の中で資金調達しているものは何でしょうか?

それは「流動負債」となります。

したがって、流動負債で手元資金を除く流動資産を賄えているのなら、バランスの取れた

資金繰りができていると言えます。

「要調達日常事業資金」=(流動資産ー手元資金)ー流動負債

 

(2)経営全般の活動で必要な要調達資金の状況

 では、経営全般の活動で運用している資産とは何でしょうか?

もうお分かりだと思いますが、それは総資産から手元資金を除いたもの、

つまり「総資産ー手元資金」です。

手元資金を除く総資産とは、事業経営のために資金運用している資産の総額です。

 逆に経営全般の活動において資金調達しているものは何でしょうか?

それは「負債(流動負債+固定負債)」です。

したがって、負債だけで手元資金を除く総資産を賄えているのなら、バランスの取れた

資金繰りができていると言えます。

「要調達経営全般資金」=(総資産ー手元資金)ー負債

 

この不足分を自己資本(純資産)で補填しており、それでも足りない場合は手元資金を

回しているということになります。

このように考えると、「純資産は極力、手元資金を多くしておくことが安全な経営」という

結論になります。

強い体質の経営にするためには純資産は手元資金が多くなる経営を志向する

 

 

4 売上債権の読み方

 では、最後に売上債権の、そのほかの読み方をいくつか紹介しましょう。

(1)売上債権が回収できる期間

 まず、売上債権がどのくらいの期間で資金化できているのかという「売上債権回転期間」

です。

これは試算表の売上債権を平均日商で割ると読むことができます。

売上債権÷平均日商=〇×日 →「売上債権回転期間」と呼ぶ

 

これが、自社の売上債権が手元資金化されるまでに要する平均日数です。

大事なことは、自社の回収期間が「翌月」であるならば、この数値は30日前後になるはず

ということです。

これがもし、40日や50日になっているようであれば、どこかの得意先で未回収が発生し

ていることを意味します。

その場合は早急にその得意先を特定し回収に努める強い意志と毅然とした対応が必要です。

 

(2)売買活動のために用意しなければならない要資金調達率

 最初に説明した「要調達運転資金」を年商で割ることで、「運転資金要調達率」がわかり

ます。

要調達運転資金÷年商×100=〇×% →「運転資金要調達率」と呼ぶ

 

仮にこれが12%であって、年商が6000万であれば、

次年度500万の売上を伸ばす場合には、500万×12%=60万の新たな運転資金が

必要になるということです。

 

(3)要調達運転資金の不足額

 要調達運転資金はどこから捻出するのか?

それは手元資金でした。

したがって、手元資金から要調達運転資金を差引くことで「要調達運転資金不足額」が

わかります。

手元資金ー要調達運転資金=〇×円 →「要調達運転資金不足額」と呼ぶ

 

これがマイナスであれば「自転車操業」、さらにひどい場合は「黒字倒産」に結びつくこと

になります。

 

安定した経営をしていくためには売掛債権を毎月チェックすることが大切です。

売上高の割に売上債権が多くある場合は売上債権が多くあると安心していないで、

不良債権を抱えていることに気づきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


掲載日:2022年1月12日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

科目の読み方① 手元資金

 前回まで「新.財務諸表」と題して、B/S・P/Lが表すことと、それをベースにした

「経営計画の作り方」を見て来ました。

今回からは「科目の読み方」と題して、B/SとP/Lの表すことをさらに掘り下げて

いきたいと思います。

その第一回は「科目の読み方 手元資金」です。

 

1 手元資金とは

 手元資金とは、現金・預金のほか、すぐに売却できる有価証券などを含む「換金性の高い

資産」のことをいいます。

しかし、すぐに売却できる有価証券を保有している中小企業は多くありません。

したがって、実質的には「手元資金とは現預金」と理解して差し支えはありません。

手元資金とは現金と預金のことをいいます!

 

 また、手元資金を「キャッシュ」とか「現金同等物」と呼ぶこともあります。

出版されている書籍を読むと、手元資金が少なければ資金的に厳しい経営であり、

逆に多ければ利子がほぼ付かないので、必要以上に現預金を持っていることは

資金効率の面から「望ましくはない」というような説明がされています。

 しかし、手元資金が少ない場合はそのとおりだと思いますが、多い場合は果たして

そうなのでしょうか?

資金効率の面から望ましくないという説明は、あくまでも株式公開をして投資家が存在して

いる上場企業の場合に限った説明です。

第三者の投資家など存在しない中小企業の場合は、現預金が多ければ多いほど、

経営の安全性が増しますので、望ましいと思われます。

中小企業は現預金が多ければ多いほど、経営の安全性の面から望ましい!

 

 

2 現預金が多いということはどういう状態の場合のことをいうのか

 ここで問題なのは「現預金が多い」ということはどういう状態の場合のことをいうのか? ということです。

この判断がしっかりできないと、安全性の高い経営はできません。

 一般的に家計でも経営でも「手元資金が多い」ということは、どういう状態の時に

そう思うのでしょうか?

「ともかく現預金が多ければ安全だ」という回答では答えになっていません。

なぜなら、多い・少ないは主観の問題でもあり、家計や経営の規模でも違うからです。

そこでどういう状態のときにそう思ってよいのかと考えることが、会計の読み方なのです。

そう考えると、意識するかしないかは別ですが、「多い」という判断は何かほかのものと

比べてそう思っているのことに気がつきます。

実はそれが「読み方」の答えなのです。

科目の読み方は、評価する基準と比較することです!

 

 このようなことを会計の世界では「経営分析」と呼びます。

したがって、経営分析とは、難しいことでも分析計算式や分析値名を覚えることでもなく、

経営者が実務上その科目と比べることに意味があると思う基準と比較して状況を判断する

ことであり、それが「読み方」になるのです。

 では、手元資金についてその意味があると思われる基準を考えてみましょう。

 

 

3 手元資金と比較すると意味がある基準

 仮に、現金が10万円、預金に500万円あるとします。合計で510万円になります。

さて、これを何と比較すると510万あることの評価につながるのでしょうか?

 

(1)平均月商と比べる

 平均月商とは、たとえれば、企業にとっての「ひと月の生活費」です。

家計であれば、この範囲で毎月生活をしないと赤字となり、その不足分は貯金で補うか、

あるいはどこからか資金を調達しなければなりません。

このことは、企業であっても同じです。

 毎月の売上高で原価や給与や経費が支払えないと、経営は赤字となります。

その不足分は手元資金で補うか、あるいは金融機関から借入しなければなりません。

したがって、安全な経営をするためには「手元資金が平均月商の何ヶ月分程度あるのか」が

重要な判断基準となります。

手元資金÷平均月商=〇×ヵ月分 ⇒「手元流動性比率」

 

この考え方には「手元流動性比率」という名前がつけられていますが、

一般的には「3カ月分程度」必要と言われています。

しかし、実はその明確な根拠はありません。

平均月商の3カ月程度の手元資金があれば、その間でなんとかしのげるようになるだろうと

いう程度のことであり、昨年からのコロナ禍ではさらに多くの手元資金が必要だと言われる

ようになりました。

自社にとって、どの程度手元資金があれば大丈夫なのかということは社長の経営判断です。

 

(2)流動負債と比べる

 流動負債とは、近々(会計上のルールは1年以内)返済しないといけない

他人資本である債務でした。

今月末か、来月末か、あるいは数カ月以内に返済する必要がある債務です。

この流動負債と比べることも経営の安心感につながります。

手元資金÷流動負債×100=〇×% ⇒「手元資金比率」

 

この考え方は「手元資金比率」といいます。

これが100%以上あれば流動負債を上回る手元資金があるので安心して経営できますが、

「安泰」という意味では200%ほどは目指したいものです。

 この考え方に類するものに「当座比率」「流動比率」などもあります。

これらは「流動比率 →当座比率 →手元資金比率」という順序で、返済原資の確実性が

高くなります。

したがって、堅実な経営に徹する場合は、「手元資金比率」でマネジメントすることが

求められます。

 

(3)月次有利子負債返済額と比べる

 有利子負債とは「金利がかかる負債」という意味ですから、短期借入金や長期借入金の

ことを指します。 その毎月の返済額が月次有利子負債返済額です。

つまり毎月の借金返済のことですから、これも安全性という意味では気になるところです。

手元資金÷有利負債月次返済額=〇×ヵ月分 ⇒「有利子負債返済月数」

 

毎月の返済額が50万円とすれば、少なくとも向こう半年程度の手元資金はあって欲しい

ものです。

その程度あれば、緊急事態が生じた場合でも、金融機関に相談する時間はあります。

 

(4)月次売上原価と比べる

月次売上原価とは、毎月の販売活動のために必要な資金です。

販売活動を安定的に続けるためにも、月次売上原価の数カ月分の手元資金は持っておきたい

ものです。

手元資金÷月次売上原価=〇×ヵ月分 ⇒「月次売上原価支払月数」

 

売上原価には間接原価なども含まれていますから、「最低限」という意味では月次直接原価

と比較することになります。

 

(5)月次人件費と比べる

月次人件費とは、役員報酬・従業員給与・社会保険料の合計です。

この月次人件費と比較しておくことも大切なことです。

人件費無くしては、企業活動は行えません。

手元資金÷月次人件費=〇×ヵ月分 ⇒「月次人件費支払月数」

 

人件費には賞与もありますので、最低でも3月分程度以上は手元資金として持っておきたい

ものです。

 

 

4 手元資金の動向

 最後に「手元資金」に関する最近の動向(トレンド)をいくつか紹介します。

 

図表1:現預金残高の推移

図表

コロナ禍で売上がゼロになる企業も多くありましたので、2020年以降から急激に現預金

残高は増加していることがわかります。

 

図表2:資本金別の現預金残高増加状況

図表

どちらかといえば、資金需要の大きい大企業と資金繰りが厳しい小企業で現預金残高が増加

していることがわかります。

 

図表3:業種別現預金の増加率

図表

コロナ過で厳しい経営環境におかれた業種ほど現預金の増加率が高いことがわかります。


掲載日:2022年1月5日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

経営計画(予算)の作り方 後編

 前回は大枠の経営計画の作り方について説明しました。

今回はその細部について、ポイントをご紹介します。

 

1 経営計画は「利益」から考え始める

 経営計画を売上高から考え始め、売上原価、経費、営業利益へと、

徐々に下を考える経営者が多いようですが、これの考え方には問題があります。

なぜなら、

経営計画の最終目的は「売上高」ではなく「利益」を達成することにあるからです。

したがって、次年度の必要利益から考え、徐々に遡っていく考え方を身につけましょう。

経営計画は「必要利益」からスタートする!

 

2 必要利益とは

 では、必要利益とは何でしょうか? それは「内部留保金額」と「借入返済額」です。

 内部留保金額とは、増加させたい資金額のことです。

仮に、現在の手元資金が500万で、目標内部留保金額を200万に設定した場合で、

来期がその経営計画通りになったとすれば、来期末の手元資金は700万となっています。

 借入返済額とは、来期1年間の借入金返済金額です。

仮に毎月30万返済しているのであれば、年間360万となります。

その借入金返済は売上高からしているのではなく、手元資金からしているのです。

ですからその分、目標内部留保金額に加えねばなりません。

 そしてそれで終わりかといえばそうではなく、「実効税率」を考えなければなりません。

実効税率とは、法人住民税・地方法人税・法人事業税をあわせた法人所得に課税される

税金の実質的な負担割合のことです。

実際の細かい計算は別にすれば、だいたい30%程度と考えておくとよいかと思います。

 たとえば、

目標内部留保金額を200万に設定し、借入金返済が360万ある場合の必要利益は

 必要利益=(200万+360万)÷(1-30%)=800万 となります。

そうすると、800万のうちの30%である240万を法人税等として納付し、

差引の560万が手元に残ることになりますので、

目標内部留保金額を200万と借入返済額360万の合計560万と一致します。

必要利益は(目標内部留保金額+借入金返済額)÷70%で求める!

 

3 次に来期の固定費を考える

 必要利益の前にあるものは何かといえば、それは「固定費」です。

固定費は「人件費」と「それ以外の固定費」に分けて考える必要があります。

来期の固定費は人件費とそれ以外の固定費に分けて考える!

 

 人件費はさらに役員報酬と従業員給与・賞与に分けて考えます。

役員報酬はともかく、従業員給与・賞与はできれば昇給させたいものです。

特に中小企業の場合には必要です。

やはりそこそこの給与処遇ができないと、いい人材を獲るにも獲れません。

また職場のモラールも上げる必要がありますから、従業員給与・賞与も昇給させる必要が

あります。

世間が2%、3%のアップというのであれば、もともと中小企業の賃金は低いので、

5%程度は上げたいものです。

 さらに人件費には社会保険料も含まれます。

だいたい、役員報酬・給与・賞与合計の15%程度を見込めばよいかと思います。

仮に、今年の役員報酬が年間1000万、従業員給与・賞与合計が1500万とすれば、

来期は役員報酬は同額としても、従業員給与・賞与は1500万×1.05=1575万

必要となり、会社が法定福利費として負担する社会保険料は、15%程度の386万ぐらい

必要となります。

したがって、来期の人件費合計は2961万となります。

来期の人件費は

役員報酬と昇給後の従業員給与・賞与そして社会保険料から考える!

 

 次に人件費以外の固定費を考えますが、

これまで削減努力をして来ているのであれば、多くとも同額か、あるいは少しでも削減を

考えたいところです。

ここでは仮に今年が1500万だとし、来期も最大、同額と考え、1500万とします。

 すると固定費計は、人件費+それ以外の固定費で4461万となります。

 

4 次に来期の限界利益率を考える

「限界利益率」とは、前回説明しましたように、売上総利益率ではありません。

あくまでも、直接原価だけを除外し、売上高と比較した比率です。

一般的には、製造業の場合は売上総利益率と限界利益率は大きく変わり、

それ以外の業種ではほぼ同額となると説明されますが、

実際は直接原価は管理会計の世界ですので、企業ごとの認識・定義によって微妙に違って

きます。

 ここでは仮に今年の限界利益率を70%と仮定し、付加価値をさらに高めるという考え方

で、来期は72%しようとします。

固定費は削減した分だけ利益が増えるだけですが、限界利益率は売上高に対する割合です

ので、たとえ1%上げるだけでも利益を大幅に増やすことになることを知りましょう。

限界利益率の改善は大幅な利益改善をもたらします!

 

 この場合だと、目標とする固定費総額は4461万であり、目標とする限界利益率は

72%ですから、来期の目標固定費総額4461万÷目標限界利益率72%=目標売上高

6195万 となります。

 もし目標限界利益率が今年と同じ70%としたなら、

来期の目標固定費総額4461万÷目標限界利益率70%=目標売上高6372万となり、

目標売上高が177万も違うことになります!

 

5 想定した売上高と比べてみる

 これで「必要利益」から考えた経営計画ができたことになりますが、

ここで想定していた売上高と比べてみます。

もし、想定していた売上高よりもかなり高い場合はその実現可能性を考えて、

無理と判断するなら、固定費や限界利益あるいは最終の内部留保金額を見直し、

実現可能性の高い経営計画に修正していきます。

 

6 どうやってこの経営計画を実現させるのか、戦略戦術を考える

 経営計画は数値を作って終わりではありません。

それを実現させる戦略戦術を考えねばなりません。

 売上高をどうやって伸ばすのか?

 限界利益率をどうやって高めるのか?

 固定費をどのようにして同額とするのか、あるいは減らすのか?

この3点を経営者として考え、従業員に説明し、意見を聞きながら徐々にその戦略戦術に

全員の意思を入れていかねばなければなりません。

まず戦略戦術を経営者として考え、

従業員の意見も取り入れながら、全社一丸の方策とする!

 

7 予実管理は月1回でよいと考えない

 いよいよ来期に入ると計画の進捗度合いを確認するために予実管理を行うわけですが、

なぜか、予実管理は「月次」という考え方に凝り固まっているようです。

もちろん、月次でもいいわけですが、それだと年12回の軌道修正しか出来ません。

なかなか経営計画が達成できない企業の場合は、それだけ現実が厳しいわけですから、

活動修正の機会を年12回と固定的に考えるよりも、年24回とか活動修正の機会を増やした方が

それだけ達成できる可能性は高くなります。

予実管理は「月次」と思い込まない!

目標達成が困難な場合ほど予実管理の機会を増しましょう!

 

8 実績管理の考え方

 予実管理は勘定科目ごとにすればよいのかといえば、それでは大雑把すぎます。

予実管理はPCで行うのが当たり前になっていますので、細部まで原因解明ができるように

しておきたいものです。

 たとえば、

売上高は既存売上高と新規売上高に大別し、それぞれ得意先別とか商品別に把握します。

直接原価も主要商品ごとや主要材料費ごとに集計管理します。

人件費は役員報酬、従業員給与、従業員賞与に分け、社会保険料も役員法定福利費と従業員

法定福利費に分けて集計します。

そうすることで、全体の労働分配率、役員労働分配率、従業員労働分配率が把握できます。

その他固定費も同様に、各科目は費目ごとに集計管理し、何が固定費増加の要因になって

いるのか、原因解明できるようにします。

 このようにすると、経理に費やす時間は増えますが、それでよいと思います。

なぜなら、経理とは「経営管理」の略だからです。

経営の状況を明らかにし、打ち手が打てるようにすべきだと思われませんか?

経理とは経営管理であり、

経営の状況を明らかにして打ち手が講じられることをいう!

 

9 経営計画の変更

 経営計画と実績の乖離が大きくなると、経営計画を修正する企業があります。

しかし、それは明らかに外部環境要因でない限り、やってはならないことです。

なぜなら、その乖離の大きさが、見通しの違いや自社の経営技術の稚拙さを表すからです。

それは数年かけて大きな乖離が生じないように、経営技術を高める必要があることを示して

いるのです。

経営計画乖離の大きさは、

数年かけで経営技術を高める必要があることを示しています!

 

 

このようにして行けば、経営は楽しいものであり、

さまざまな環境を乗り越えられる経営技術が身につけられると思われませんか?

 


掲載日:2021年12月22日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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