知っておきたい 量子コンピュータ

現実的になかなか成果が現れない、うまく行かない、そんな少しアグレッシブな気持ちに

なれないときに近未来を想像してみるのも悪くはないかと思います。

精神的に前向きにさせてくれるからです。

新型コロナ感染で閉塞感が漂うこんなときにこそ、ちょっと未来を想像してアグレッシブな

気持ちを取り戻しましょう!

そこで、今回は「量子コンピュータ」について考えてみたいと思います。

 

そもそも、量子コンピュータとは「量子重ね合わせ」や「量子もつれ」などという

『量子力学』の現象を利用して膨大なデータを高速な並列計算ができる未来のコンピュータ

です!

しかし、すべての面で現在のコンピュータ(スパコン含む)より優れているかといえば、

そうではなく、膨大な組み合せの中から最適解を選ぶ計算に向いているのだそうです。

「量子コンピュータが向いている例と向いていない例」日本総研:量子コンピュータの概説と動向(2020)より

 

上図のように、量子コンピュータは単純な計算には向いていませんが、思考的な演算には

向いているといわれます。

したがって、量子コンピュータは現在のコンピュータと並立して存在することになります。

 

1 量子コンピュータとは

量子コンピュータとは、量子力学特有の現象を計算に利用することで、膨大な量のデータの

高速処理を可能にするコンピュータです。

量子力学とは、原子や電子・ニュートリノなど非常に小さなミクロな世界の量子のふるまい

を証明する法則です。

目には見えない小さな量子は、身の回りの物理法則には当てはまらない不思議なふるまいを

しますので、その動きを証明するために発展した学問が「量子力学」です。

 

量子コンピュータは、量子力学特有の物理状態である「量子重ね合わせ」「量子もつれ」

などの原理を利用します。

 ・「量子重ね合わせ」とは、量子は粒子と波の性質を同時に持ち、観測することに

  よって、どちらか確定するという原理。

 ・「量子もつれ」とは、2個以上の重ね合わせ状態にある量子同士が相関を持つという

  こと。

いまのコンピュータの情報最小単位は「ビット」ですが、

量子コンピュータの情報最小単位は「量子ビット」になります。

つまり、現代のコンピュータは「0」と「1」の二進数のどちらかしか扱えませんが、

量子コンピュータは量子の性質を利用して、「0」と「1」両方を重ね合わせて同時に扱う

ことができます。

 

さて、理論的なことはこの程度にして、量子コンピュータが実用化されると、どんな社会が

実現するのでしょうか?

 

 

2 量子コンピュータが実現させる社会

このような世界が、もうそこまで迫っているといわれています。

量子コンピュータで実現する未来を想像すると、閉塞感を感じることが多い現在、

思考が前向きになってワクワクして来ます。

 

(1)金融業界を画期的に変革させる

いまは会社の方針を受けて恣意的な金融担当者に相談し、金融商品を選ぶしかありません。

しかし、量子コンピュータが実現してくると、

量子コンピュータで膨大な組み合わせから儲かる組み合わせを瞬時に見つけ出し、

顧客が自分の意思で金融商品を選べるようになるといわれています。

 

(2)運送業を画期的に変革させる

量子コンピュータは物流・配送などの経路最適化にも対応します。

すでに北京では渋滞緩和に向けた交通最適化の研究で量子コンピュータが利用されていると

いわれています。

日本でも日本郵便が最適な配送ルートの算出に活用しているそうです。

 

(3)医薬品業界を画期的に変革させる

量子コンピュータは、医薬開発や創薬にも大きな可能性があるといわれています。

多様な分子の物性を量子コンピュータでシミュレーションすれば、現在1年かかっている

計算が一瞬で計算できるようになり、コロナ感染のようなパンデミックが生じても、

ワクチンや治療薬を短期間で開発できるようになります。

 

(4)自動車・航空機産業を画期的に変革させる

自動車や航空機を開発する際の空気抵抗や地球環境のシミュレーションでも、

量子コンピュータは活躍します。

 

(5)AIロボット産業を画期的に変革させる

量子コンピュータは、AIの劇的な発展も後押しします。

ディープラーニングに量子コンピュータを活用すると、AIが正しい判断できるまでの

学習時間が短縮でき、AIがより正確な判断ができることが期待できます。

さらにAIが高度化すれば、人のさまざまな仕事がAIに置き換えられ、自動運転や

ロボットなどの分野でも変化が生じます。

例えば、事務員、銀行員、警備員、建設作業員、スーパー・コンビニ店員、タクシー運転

手、電車運転士、ライター、集金人、ホテル客室係・フロントマン、工員などは、

不必要になる、あるいは減らせる可能性があるといわれています。

逆に、営業マン、アナリスト、介護、カウンセラー、コンサルタントなど、常に判断が求められる業種は比較的減らないといわれています。

この違いを見ると、量子コンピュータの利用分野が想像できます。

 

(6)営業活動を画期的に変革させる

ちょっとひと昔前までは、営業は足だ!とか、営業は汗と根性だ!とか、いわれていた営業

活動ですが、量子コンピュータが実現してくると状況を大きく変えます。

特に、営業担当者が訪問する際、どのようなルートを組めば最短距離で回れるかという巡回

セールスであれば量子コンピュータで組み合せ最適化問題を瞬時に解けますので、高効率に

訪問活動ができるようになります。

 

(7)省エネも画期的に変革させる

現代のビットコンピュータより遥かに少ないエネルギーで演算できるところも、

量子コンピュータのスゴイところです。

スーパーコンピュータは複雑な計算問題は解けますが、同時に莫大な電力も消費します。

1台で「原発1基分の電力が必要となる」ともいわれています。

しかし量子コンピュータであれば、演算そのものにほとんど電力を消費することなく、

しかも、圧倒的に短時間で計算できます。

資源の節約面でも量子コンピュータは変革させます。

 

 

3 シンギュラリティとの結合

このような量子コンピュータで実現する社会を想像しますと、『シンギュラリティ』との

結合に行き当たります。

『シンギュラリティ(Singularity;技術的特異点)』とは、米国の人工知能研究における

世界的権威でもあるレイ・カーツワイルらが示した未来予測の概念です。

人工知能AIが人間の能力を超える時点 や、それにより人間の生活に大きな変化が起こると

いう概念のことをいいます。

 

わかりやすくいえば、技術の加速度的な進化の結果、いずれコンピュータが人間の知能を

超える『超知能』を獲得するようになるということです。

そして、人間にはその『超知能』がどのような振る舞いをするのか、予測も制御もできず、

その甚大な影響によって、社会や人々の生活に決定的な変化が起こると考えられています。

その『シンギュラリティ』は、あと数年後の2029年にはAIが人間並みの知識を備え、

さらに四半世紀後の2045年には技術的な特異点『シンギュラリティ』が来るといわれて

います。

この概念の背景には「ディープラーニング」や「ニューラルネットワーク」など、

量子コンピュータでさらに発展させられると考えられている概念と重なっているところが

数多くあります。

つまり、「量子コンピュータの実用化とシンギュラリティの時期とは一致している」という

ことです。

 

 

いかがですか、何かワクワク、ドキドキしてきますね。

ここで大切なことは、科学の発展によって自社の事業が置き換えられないように、

不断に『知価改革』を進めておくということです。

知価改革とは、智慧によって、付加価値を高めるということです。

どんな些細なことでも、日々考え抜いて改善して行く、という地道な積み重ねが

知価改革に結びつき、科学の発展に淘汰されないビジネスモデルに変革させて行くのだと

思います。


掲載日:2021年9月8日 |カテゴリー:トピックス, マーケティング, 経営技術

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