荒波に耐える財務体質の強化(4)

今回は「財務体質の強化」について上場企業の状況を掲載します。

ぜひ、これらを見て、財務体質の強化のイメージを持ちましょう。

 

1 凄いのは、売上高ではなく『利益』

 TV番組などを見ていると、時たま「年商50億円の社長さんです、凄いですね!」なんて

いうコメントが流れることがありますが、凄いのは「年商」ではありません。

いくら年商が多くとも、赤字経営であれば仕方がないからです。

凄いのは利益ではなく、最終利益である当期純利益であり、そして繰越利益剰余金です。

 そこで、2020年の「当期純利益」と「繰越利益剰余金」のベストを見てみましょう。

 

<当期純利益ベスト10>                         <繰越利益剰余金ベスト10>   参:売上高

第1位 トヨタ自動車     2兆 761億  三菱UFJフィナンシャルグループ連結11.3兆   4.7兆

第2位 日本電信電話     8,553億   三菱東京UFJ銀行   連結8.9兆     3.4兆

第3位 三井住友ファイナンシャルグループ7,038億   三菱東京UFJ銀行     単体7.1兆     2.7兆

第4位 KDDI                   6,397億  トヨタ自動車           単体7.0兆     9.7兆

第5位 NTTドコモ             5,915億  三井住友銀行           連結6.4兆     2.8兆

第6位 三菱商事                   5,353億  三菱UFJフィナンシャルグループ 単体6.4兆 2,216億

第7位 三菱UFJファイナンシャルグループ 5,181億  三井住友フィナンシャルグループ 連結6.1兆    4.3兆

第8位 伊藤忠商事                5,013億  みづほフィナンシャルグループ    連結5.4兆    2.9兆

第9位 日本郵政                   4,837億  三井住友銀行            単体4.7兆    2.1兆

第10位 ソフトバンク             4,731億  NTTドコモ            単体4.1兆  4.3兆

 

やはりそうそうたる顔ぶれが並びますが、まだ金融機関は儲け過ぎのような感じがします。

そのことは置いておいて

優れた企業は、売上高利益率が20%前後、繰越利益剰余金は少なくても年商の2倍程度は

貯めておくというのが平均像のようです。

 

 

2 凄いのは、総資産の額ではなく『手元資金』と『自己資本比率』

 一方、総資産に転じると、これも凄いのは総資産の金額ではなく、

手元資金有り高と自己資本割合です。

そこで、2020年の手元資金(現預金)有り高と自己資本比率のベストを見てみましょう。

 

<手元資金(現預金)ベスト20>            <自己資本比率ベスト20>

第1位 ソニー             1兆5,123億  ツツミ       97.89%

第2位 セブン&アイ・ホールディングス 1兆3,577億  HEROZ     96.47%

第3位 ファーストリテイリング     1兆865億    キーエンス    97.76%

第4位 任天堂             8,904億    ザッパラス    95.43%

第5位 SUBARU          8,589億    ファーストロジック    94.15%

第6位 信越化学工業          8,364億    不二電機工業   93.94%

第7位 セコム             5,551億    ジェイテックコーポレーション 93.74%

第8位 SMC             5,483億    宮越ホールディングス  93.46%

第9位 ネクソン            5,109億    エス・サイエンス 93.16%

第10位 キーエンス           4,766億    マニー      93.07%

 

やはりそうそうたる顔ぶれが並びますが、当期純利益並びに繰越利益剰余金ベストと顔ぶれ

を比べますと、ずいぶん変わります。

これは以前からコツコツと内部留保に努めてきた努力と、やはり以前から固い経営を続けて

きた成果なのかもわかりません。

ともかく、少々の逆風が吹いても、ビクともしない体質を持っています。

ちなみに、自己資本比率が低い業種は「金融機関」であり、多くの金融機関が自己資本比率5%を割っています。今その改善の真っ最中なのかもわかりません。

 

 これらは財務諸表を公開している上場企業データに基づいて作成されたランキングです。

その他の非上場企業は、そのほとんどが「決算公告」をしていませんから、不明です。

 しかしながら、金額は小さくなりますが、このような経営をできる可能性は、中小企業の

方がグーンと高いことを理解してください。

何しろ、小回りが利き、方向転換も素早くでき、成果も早く現れるからです。

 要は、気持ちの問題、決意の問題だと思われます。

 

中小企業にもできる!


掲載日:2021年8月4日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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