荒波に耐える財務体質の強化(3)

 事業の財務体質を強化するためには『黒字経営』と『現預金の増加』が重要ですが、

前回はそのうちの一つ『黒字経営』について説明をしました。

今回はもう一つの対策である『現預金の増加』について考えます。

 

1 現預金とは、経営にとって何を意味するのか

 財務体質を強化するために現預金である手元資金を増やそうということですが、

経営にとって「現預金」とは一体何を意味するのでしょうか?

 現預金は、会計では売掛金や棚卸資産と同様に「流動資産」に分類され、

さらに売掛金などと同様に「当座資産」にも細分類されています。

 また資金繰り的には「資金運用」に分類され、これまた売上債権等と同じポジションに

分類されています。

 さらに心情的には経営者のポケットマネーのように分類され、経営者が自由に使える

キャッシュのように扱われます。

 

 いずれも正しいか、現実的な実情だとは思いますが、ここではもう少し違った認識を

持ちたいと思います。

それは売掛金や棚卸資産とは明確に区分され、心情的にももう少し改まった取扱いです。

つまり、現預金は「事業の余剰資金」であり、「予備資金」であるということです。

これが事業の大きな安全性を担保することになります。

 

現預金である手元資金とは、事業の余剰資金であり、予備資金です。

これが事業の大きな安全性を担保しています!

 

 

2 現預金をどうやって増加させるのか

 では、どうやって現預金を増加させればよいのでしょうか。

その考え方は3つあります。

 

(1)源泉を増加させる

 第一に現預金の源泉を増加させることです。

現預金の源泉を増加させるとは、売上を増やし、各段階の利益を残し、そして繰越利益

剰余金である内部留保を積み増すということです。

 

(2)少しでも早く現預金化させる

 少しでも早く現預金化させるとは、各段階の資産のキャッシュ化スピードを上げるという

ことです。

各段階の資産とは、資金化に要する時間の長さ順からいえば、固定資産→棚卸資産→売掛金

→受取手形となります。

 固定資産はなるべく持たないこと、あるいは少なくすることがキャッシュ化スピードを

上げることになります。

そのような発想から「ファブレス化」という考え方も浮かんできます。

 棚卸資産は品切れにならない程度に、なるべく在庫を少なくすることが大事になります。

そのためには在庫管理が重要です。

また、一般的な表現と同様「品切れにならない程度に」と接頭語をつけましたが、

現実的には、少々の品切れは『希少価値』を生み出しますので、少しの在庫切れ感が

大事であることを記憶しておきましょう。

 売掛金は、未回収を無くすることと、回収期間を創意工夫と理由付けで少しでも短くする

ことが大切です。

 受取手形はそれさえ拒絶すれば、そのままの期間が短くなりますので、現在の商習慣では

受取手形を受け取らないことが半ば常識化していることを認識すべきかと思います。

 

(3)キャッシュの支出を減らす

 キャッシュの支出を減らすことは現預金の増加に直結しますが、

ただし、躊躇なく減らすべき支出と、増やすべき支出のメリハリをつけることが大切です。

 躊躇なく減らすべき支出とは、過剰な仕入と不要な経費です。

キャッシュをそれ以外のところに回すためにも、過剰な仕入と不要な経費を無くすることが

大切です。

 増やすべき支出とは、無理はできませんが、従業員の給与・賞与です。

それがすべてだとは言いませんが、やはり給与・賞与は、従業員のやる気の大きな要素の

一つです。公明正大に、給与・賞与は増やしたいものです。

 

   手元資金の増やし方には

源泉を増やす・キャッシュ化を早める・キャッシュの支出を減らす

この3つがある!

 

 

今回は、現預金を増やすには「源泉増加」「回収短縮」「支出抑制」の3つの考え方がある

ことを理解しましょう。

 


掲載日:2021年7月28日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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