会計によるリスク管理⑪ まとめ

リスク管理観点から会計を捉えるシリーズ第11回 まとめ

 

 ワクチン接種も進み出し、いよいよ東京オリンピック・パラリンピック有人観客開催に

向けて最終局面となってきましたが、オリ・パラ開催後は本当に大丈夫なのでしょうか?

人流による影響やウイルス変容による影響を予測し決断しないので、対策は常に後手後手に

回り、このことを「リスク」と言わないのなら、一体何を「リスク」というのでしょうか。

 いずれにせよ生活や経営に対しての影響は不透明ですので、結局は個人・企業が具体的な

対策を考えなくてはならず、企業経営においては「守りの経営」へ舵取りすることが重要に

なっています。

これまでの「リスク管理観点から会計を捉えるシリーズ」をまとめ、このシリーズの最終回

にしたいと思います。

 

 今シリーズの発端は、突然、売上がゼロになるなんてことは現実に起こり得ないと思って

いたことが、このコロナ下で多くの企業で実際に起こっていることです。

そこで会計・経理を考え直し、それらの兆候は必ず数字となって現れてくるので、会計から

それをどう見つければよいのか!?ということがテーマでした。

 

1 現預金のリスク管理

 1.企業にとって現金勘定はポケットマネーと同じなので、手元にはまとまった現金は

  置かない。

 2.預金管理を会計ソフトの口座別管理機能を利用して資金用途別に有り高を管理する。

 3.現預金の総量に関しては『手元流動性比率(=現預金÷月次売上高×100)』

  毎月チェックする。

 

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2 売掛金のリスク管理

 1.売掛金は会計ソフトで得意先別に管理する。

 2.入金期限が到来したなら回収することを徹底する。

  つまり、未入金に対しては、直ちに回収活動を起こすことです。

 3.売掛金の総額に関しては『売掛金回転期間(=売掛金÷月次売上高)』

  毎月チェックする。

 

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3 営業資金のリスク管理

 1.営業資金とは、日々の販売活動に必要な運転資金。

 2.営業資金の不足額は『運転資金要調達高(=売上債権+棚卸資産ー買入債務)』

  管理する。

 3.手元資金と運転資金要調達高のバランスを毎月チェックする。

 

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4 経営資金のリスク管理

 1.経営資金とは、販売活動を含む、毎日の経営で必要な運転資金。

 2.それは『経営資金(=流動資産ー現預金)』で知ることができる。

 3.その経営資金と流動負債のバランスを毎月チェックする。

 

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5 棚卸資産のリスク管理

 1.棚卸資産の持ち過ぎ(過剰在庫)は、赤字経営の原因となる。

 2.棚卸資産の総量状況は『棚卸資産回転期間(=棚卸資産÷1日当りの売上原価)』

  チェックする。

 3.在庫の管理は、売上アップ、顧客満足度アップ、コスト削減、資金繰り改善、製品

  品質改善などにつながる。

 

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6 固定資産のリスク管理

 1.固定資産は財産ではなく、売上をあげるための設備。

  過剰設備は赤字経営の元である。

 2.固定資産の活用状況は『固定資産回転率(=固定資産÷平均年商×100)』

  知ることができる。

 3.固定資産の適正化は、遊休固定資産の処分、売上アップ(マーケティング戦略の

  改善)などで図れる。

 

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7 借入金のリスク管理

 1.借入金は本来、「攻めの経営」を展開するための資金調達。

 2.借入の適正状況は『借入金対月商倍率(=借入金÷平均月商』

 『債務償還年数(=借入金÷(営業利益+減価償却費))で知ることができる。

 3.過剰の借入金は厳しい経営状況をますます厳しくする。

 

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8 純資産(自己資本)のリスク管理

 1.自己資本とは、資本金、繰越利益余剰金、当期純損益金のことである。

 2.自己資本が資本金より少ないということは、事業開始以来、あまり顧客から評価

  されていないという左証です。

 3.自己資本が資本金より少ない場合には、これまでの事業を謙虚に反省し、

  直ちに経営改善に取り組みことが大切。

 

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9 損益のリスク管理

 1.PLでリスク管理をするためには、

  全部原価損益計算書

  「売上高→全部原価→売上総利益→販管費→営業利益→営業外損益→経常利益」から

  直接原価損益計算書

  「売上高→直接原価→限界利益→人件費→達成利益→固定費→営業利益→営業外損益

   →経常利益」

  で管理しなおすことが重要。

 2.そのうえで、リスクの兆候を売上高・限界利益・人件費・営業利益の各項目で掴む

  ことが大切。

 3.管理の要諦は「売上高の増収」と「限界利益の増益」しているどうかであり、

  その調整弁が、売上高自体の伸びと直接原価の抑制、固定費の削減にある。

 

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如何でしょうか、会計による『リスク管理の要領』が掴めたでしょうか?

 

おわり

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戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いの外、『思い込み』に囚われて生活や仕事をしています。

そしてその結果が「いまである」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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掲載日:2021年7月7日 |カテゴリー:会計識字率

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