会計の読み方 会計と実務の違い 前編

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新型コロナ感染拡大、第2回緊急事態宣言そして緊急事態宣言の延長と

経営環境は大きく変化し厳しくなって来ています。

そんなときに必要になるのが、経営の舵取りです。

「経営の舵取り」は経営者の勘でするものではなく

羅針盤である「会計」を読み解きながらするものです。

ぜひ、実務的な会計の読み方を習得しましょう。

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 今回は、これまで11回に渡って説明してきた「B/S(貸借対照表)」のまとめを

『会計と実務の読み方の違い』と題して、前編・後編の2回に分けてお送りします。

 今回はその前編、B/Sの資産についてのまとめです。

実務的な会計の読み方に必要なことをコンパクトにまとめましたので、ぜひ、体得して

ください。

 

第12回 B/S読み方のまとめ

『会計と実務の読み方の違い』【前編】

Ⅰ 会計でいう「総資産」は実務では「資金の運用」と読む

 まず、下図を見てください。

左は、一般的にいわれている「会計による資産区分」です。

右はそれを「実務による資産区分」に表現しなおしたものです。

もちろん、合計の金額は同じとなります。

両者の違いについて、そのポイントを説明しましょう。

1.総資産とは「資金の運用」である

 総資産といえば、「企業の財産」と考える人が多いようです。

しかし、そうではありません。

 総資産とは、資金を運用している姿を表しているだけでいわゆる財産とは違います。

したがって、一番安全な運用をしている資産は現金と預金であり、つまりキャッシュだと

気づけます。

キャッシュの豊富な企業が「安全性」という意味では一番強い企業!

 

2.流動資産と固定資産は「運転資金の運用」と「設備資金の運用」を表している

 会計では「ワン・イヤー・ルール」によって、「流動」と「固定」に分けています。

これは、投資家が正しく、投資している企業の資産状況を判断できるように、その観点から

このように分けられています。

 しかし、中小企業には投資家はいません。

だからむしろ、実務的には「運転資金の運用」と「設備資金の運用」と理解しましょう。

そのように理解すると、運転資金の運用は1年以内に資金化される資産なのですから、

毎日の経営で運用している資金であると気づけます。

 また、設備資金の運用は長く生産に利用する資産ですから、自己資金または長期間で返済

できる借入金で運用するべきであることに気づけます。

流動資産とは、毎日の経営で運用している「運転資金」

固定資産とは、生産で長く運用する「設備資金」

 

3.当座資産と棚卸資産は「余剰資金」「売上債権」及び「棚卸資産」の運用

 会計では、現金及び預金と受取手形・売掛金に分けて、近くキャッシュ化できる資産と

いう意味で「当座資産」と言っています。

 現金はまさしくキャッシュそのものです。また預金は、昔は高い利息が付きましたので、

資金運用という概念下にありました。受取手形と売掛金は通常期日さえ来れば、キャッシュ

化できる資産です。したがって、確かに当座資産です。

 しかし、実務では預金はいまや利息は無いに等しく、その意味では現金と同じです。

したがって、現金と預金は運用をしていない『余剰資金』ないしは『手元資金』として理解

しましょう。

また、受取手形と売掛金はどちらも売上に伴って発生しますので、『売上債権』として理解

します。

さらに棚卸資産も、在庫ではありますが、販売するために運用している資産として捉える

ことができます。

そうすると、これら3つの項目は「余剰資金(手元資金)」と「販売にかかる資金の運用」

に分けることができ、さまざまな読み方に応用できるようになります。

 その主なものは次のとおりです。

 ①手元資金月商倍率

  →手元資金が企業の生活費ともいえる「平均月商」の何カ月分あるのかをみる

 ②手元資金月額固定費倍率

  →手元資金が企業の最低生活費ともいえる「月額固定費」の何カ月分あるのかをみる

 ③手元資金対借入金比率

  →手元資金と「借入金合計」を比較すると、借入金返済の余裕度が読み取れる

 ④運転資金要調達高

  →販売のための資金の運用から「買入債務」を引くことで

   買入債務以外で販売資金のために手当しなければならない要調達高がわかる

  ※要調達高の基本原資は「手元資金」です。

 ⑤運転資金要調達高補足率

  →運転資金要調達高の手当の第1候補は手元資金ですが、それと比べることによって

   要調達高の余裕度がわかる

 ⑥運転資金要調達率

  →運転資金要調達高を「年商」で割ると『運転資金要調達率』が算出できることになり

   増収のときの「必要運転資金要調達高」がわかる

 ⑦売上債権回収サイト

  →売上債権と「平均月商」を比べると、勘ではない、本当の実回収サイトがわかる

 ⑧買入債務売上債権比率

  →「買入債務」と売上債権を比べることで、売買活動の資金バランスが判断できる

 ⑨棚卸資産回転期間

  →棚卸資産を「平均日商」で割れば、回転期間(売れるまでの平均的な期間)がわかる

 ⑩原価基準棚卸資産回転期間

  →棚卸資産を「1日当りの売上原価」で割れば、真の回転期間がわかる

このように理屈がわかってくると

さまざまなオリジナルの読み方ができるようになる

 

4.仮払消費税の「税抜き経理」はいまや常識である

 「仮払消費税等」とは、自社が取引の中で、いくら消費税を支払ったかという額です。

これは「税抜き経理」をすることで得られる情報です。

 しかしながら、いまでも多くの中小企業では「税込み経理」をしているところが多いと

言われています。

 消費税率は現在10%ですから、税込み経理をしていると、何もしてなくとも売上高が

10%上がったように勘違いしてしまいます。

また、売上高10%と経費10%の差額は大きいので、いつのまにか資金繰りがラクに

なったような勘違いもしてしまいます。

そのしわ寄せが消費税額の納付時に押し寄せ、「消費税の納税資金が足りない!」という

事態を引き起こすわけです。

 したがって、「税抜き経理」を行い、仮受消費税と仮払消費税の差額を納税貯蓄をする

ことが大切です。

消費税の「税抜き経理」は当たり前

合わせて「納税貯蓄」も考えよう

 

5.固定資産は「設備にかかる資金運用」である

 会計では「ワン・イヤー・ルール」により1年を超えて資金化される資産を「固定資産」

としています。

さらにその資産の形状で、「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他資産」に分けて

います。

 しかし、経営の実務では形状による区分けよりも、「設備にかかる資金運用」として一括

にしてとらえても差し支えはありません(もちろん例外はありますが)。

 したがって、設備資金の運用は長く生産に利用する資産ですから、その財源をマネジする

ことが大事です。

 また、次回の設備購入資金として、「減価償却費」を別途積立預金をしていくことも

大変重要です。

 そう考えると、さまざまな読み方が考えられます。

 その主なもの次のとおりです。

 ①固定資産回転率

  →固定資産を「年商」で割れば、固定資産の回転率(操業度)がわかるようになる

 ②固定比率

  →固定資産を「自己資本」で割れば、固定資産の運用資金に占める自己資本割合が

   わかるようになる

 ③固定長期適合率

  →固定資産を「自己資本+固定負債」で割れば、固定資産運用資金の適正度がわかる

   ようになる

理屈がわかってくると

このようにオリジナルの読み方ができるようになる

 

 

 何度も言いますが、会計は、決算・税務申告のためだけにしている事務ではありません。

会計は、経営判断を行うために、毎日行っている「経営管理(マネジメント)業務」です。

いまほど、経営に「手腕」が求められている時代はありません。

会計とマーケティングを駆使して、常に経営を革新し、永続的に続けられる経営を実践しま

しょう。

 

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戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。

そして、その結果が「いまである」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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掲載日:2021年2月10日 |カテゴリー:会計識字率

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