ここまで中小企業が採れる戦術論を下記のとおり紹介して来ました。
1.戦術には外せない『4P』と『4C』
・企業の立場からは4P プロダクト・プライス・プレイス・プロモーション
・顧客の立場からは4C カスタマーバリュー・カスタマーコスト・コンビニエンス・
コミュニケーション
2.商品価値の考え方である3密を避ける『バリュー・プロポジション』
3.より商品価値のみがき方である『戦略キャンパス』
4.その商品価値の思考経路である『6パス』
5.販売促進のポイントは13.5%のアーリー・アダプターの攻略『キャムズ理論
6.戦術遂行に伴う組織改革のポイント7つのS『組織分析のフレームワーク7S』
7.社内のやる気を高める『二要因理論』 動機付け要因と衛生要因
戦術論はこの他にも数多く存在しますが、ここまでご紹介した戦術論のまとめを以て、
このテーマは終了とさせていただきます。
これまでのことをわかりやすくまとめると次のようになります。
1 戦術にこれは外せない! 4Pと4C
2 顧客価値はありきたりのことを避ける! バリュー・プロポジション
3 顧客価値をみがきをかけてキラリ光らせる! 戦略キャンパス
4 戦術のヒントは他にあり! 6つの経路
5 販売促進には壁がある! キャムズ理論
6 組織は戦略・戦術に従う! 組織分析のフレームワーク7S
7 遂行するのはヒトだ! 二要因理論
では、そのひとつひとつを再度確認しましょう。
4Pとは「製品・価格・流通・販促」のことでした。
非常に差別化が難しいと言われている護送船団方式の業界、会計事務所で考えれば
このようなイメージです。
製品 会計事務所の製品と言えば、税務・記帳・決算・申告です。
しかし時代も変わり、それでいいのでしょうかという状況になっています。
4Cから見れば「それで顧客価値があるのですか」ということになります。
価格 一般的に月次は3万円、決算は6カ月分と言われている会計事務所の価格ですが、 顧客規模や顧客ニーズがいろいろある中で、それでいいのでしょうかという状況に
なっています。もっと柔軟的に考えることが求めてられています。
4Cから見れば「それで顧客がコストパフォーマンスとして満足いくものですか」
ということになります。
流通 近隣周辺の中小企業を顧問にするというのがこれまでですが、ICTが発達した
いま、「近く」という要件は徐々に低くなっています。
4Cから見れば「それで顧客利便性は満たされていますか」ということになります。
販促 会計事務所業界はすでに広告規制が撤廃されています。しかし業界内ではいまでも
実質的には規制されています。一部ではテレビ、ラジオ、新聞や大相撲懸賞旗など
通じて広告していますが、しかし業務柄、いまでも紹介が中心です。
今後はパブリシティ的な考え方も重要となってきます。
4Cから見れば「それで顧客市場とコミュニケーションが取れていますか」という
ことになります。
感覚的に4Pと4Cの考え方がお分かりいただけたでしょうか。
製品の顧客価値はありきたりのものでは、結局、価格競争にならざるを得ません。
ですから、それを少し同業者とずらすことが重要となります。
例えば、ある程度の高級家電であれば・・
製品とアフターフォローをセットにすることで差別化することが可能となります。
街角の家電店なら無償修理の上限を決めて、保証期間を長くすることなどが考えられます。
量販店でばその仕組みを作らなければならないこと、またサービスレベルを保つことなど、
さまざまな難解なことがありますが、街角の家電店であれば、まず顧客が近いこと、そして
コミュニケーションが直接取れること、さらにサービスの品質も自分が気を付ければ保てる
ことなど、家電量販店の同様サービスよりも付加価値をあげることが可能です。
顧客価値が、顧客にとって分かりやすく(明快さ)、同業者との違いがハッキリしているか
(明確さ)など、顧客価値にさらにみがきをかけることが重要です。
それを『戦略キャンパス』で確認することができます。
さて、そんなことがなかなか思い当たらない場合はどうするか?
その方法が「6つの経路」でした。
①代替商品を見る、②すごいと思っている同業者を見る、③顧客をよく観察する、④製品を取り巻くものを見る、⑤機能だけでなく感性からも見る、⑥業界や商品の将来を考えてみる
この6つ思考経路から再考すると、新たなヒントが見えて来るということです。
さて、新しく考え直して商売を始めましたが、うまく行くとは限りません。
むしろ、うまく行かない場合の方が多いかもわかりません。
だからそんなことは折り込み済みです。
そんな場合は、もう一度、これまで考えてきたことを振り返ります。
これも、道筋を立てて考えてきたおかげで振り返ることができるわけで、大きな利点です。
そこに問題がなければ、①いま一度顧客の評価に耳を傾ける、②そして小さな改良を積み重ねる、③他の客層に際してはカスタマイズし直してその客層に対する付加価値をつけていく
ということです。
ここまで論理的に商売を展開すれば改善も容易になり、また同業ではやっていないことですから、必ず勝利できます。
新しいことをやるには、組織変更することが必要になる場合もあります。
そのことから「組織は戦略・戦術に従う」といいます。
そこで、これまでの体制から組織を変えることには大変骨が折れるということを知っておく
ことが大事です。
仕組みはある意味形あるものですから簡単に変えられます。
しかし、ヒトが関わることはそう簡単ではないということです。
前者を「ハードのS」といい、後者を「ソフトのS」といいます。
かんたんなハードのSは「社内の仕組み・組織構造・戦略」の3つです。
むずかしいソフトのSは「経営理念の浸透、組織風土、人材育成、能力向上」の4つです。
これらを遂行するのは、経営者でもありますが、最前線では従業員である「ヒト」です。
そこで経営を営む者として、不満と満足は同軸ではないことを理解することが大事です。
つまり、「満足足の反対は不満ではない」ということです。
満足の要因は「動機付け要因」といい、仕事の達成感・やりがいや仕事を通じた承認とか、責任とか、その結果の昇格昇進、そして、自己成長ということです。
不満の要因は「衛生要因」といい、環境に関することです。会社の方針や理念、給与水準、対人関係、労働条件、職場環境そして会社の安定雇用などです。
このことを知っておけば、ヒトのヤル気を増幅させることができます。
マーケティングは、企業間のこと、顧客間のことだけではなく、マネジメントの仕方などに
ついても多くの理論があります。それが「マーケティングとは企業活動全般に関する理論で
ある」と言われる所以です。時代の進展とともに社会は複雑化しており、中小企業経営とい
えども、これからはマーケティングをもって挑むことが大切です。ぜひ、自分なりにマーケ
ティングを経営に生かしていこうとする意欲が大切です。常に経営を革新し、永続的に続く
企業経営を目指しましょう。
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戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。
そして、その結果が「いま現在である」ということを忘れてはいけないと思います。
違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。
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掲載日:2020年11月11日 |カテゴリー:マーケティング
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