主な戦術論 如何に内部をまとめるか

多くの経営者の方々とお話をすると、何か欠落していることを感じます。

それは内部組織や組織風土のことです。

そこを触れないで、方針や新事業のことばかりを語られる経営者が多いのですが、

言うまでもなく、経営というものは一人でできるものではありません。

経営者だけが納得して経営して行けば会社は動くかといえば、それでは動きません。

また表面的に捉えて、従業員たちも納得していると思われている経営者も多いのですが、

残念ながら従業員というものは、経営者の前では本当の姿を見せません。

特に中小企業経営者はオーナーでもある場合が多いので、経営者と従業員の間には

大きな壁があると認識することから始めるべきだと思います。

経営者がどう考えようが、従業員から見れば経営者は人事と給与を握っているのです。

ですから、従業員が経営者によく思われたいと考えることはごく自然のことであり、

誰も責めることはできません。

今回はそんなことに関するマーケティング理論を紹介しましょう。

それを『組織分析のためのフレームワーク7Sといいます。

この考え方は組織改革を行う上で、是非とも知っておきたい理論です。

7Sとは『組織分析フレームワーク7S(Seven“ S” Model)』のことをいい、

マッキンゼー社が開発した企業の組織フレームワークです。

組織を変えていくうえでの必要な7つの要素を解説しており、『ハードのS』

『ソフトのS』があるといいます

事業を進めていくうえでどうしても、組織を変えなければときがどの企業にもあります。

「組織は戦略に従う」といいますが、しかしその組織を変えることには難しさが伴います。

そんなときに参考になるがこの組織分析フレームワーク7Sです。

困難な組織変更事項と安易な組織変更事項があることをあらかじめ知って、組織変革に

取り掛かるのと、ただやみくも取り掛かるのでは大きな違いがあります。

あまり難しく大層に捉えずに、その考え方を理解しましょう。

 

1 組織分析のフレームワーク『7S』とは

会社の組織は、次の7つの項目から成っています。

(1)共通の価値観や理念(Shared values)

一つめのSは、共通の価値観です。

共通の価値観とは企業理念のことをいいますが、長年事業が続くと自然に育まれてくる、

オーナーである経営者が持っている「無意識の価値観」のことです。

特に技術系や製造系の企業には培われることが多いといわれますが、現実的には多くの

オーナー系企業で見られます。

例えば、製造企業であれば「いいものを作ることだけが我々の仕事だ」とか、

鉄道会社であれば「安全運行さえしていればいい」というような暗黙の価値観です。

競争に勝てる組織にするためには、「ただいいものを作ればよい」という会社の一方的で

身勝手な製品志向の考え方ではなく、市場志向あるいは顧客志向の価値観や理念を持つ

必要があります。

多くの企業は「製品志向」だけの価値観を持って失敗している!

 

(2)経営スタイルや組織風土(Style)

二つめのSは、経営スタイル・組織風土です。

経営スタイルや組織風土は知らず知らずのうちに企業が縛られている『暗黙知』です。

「出る杭は打たれる」という組織では、いまや競争に勝つ残ることは難しくなっています。

このような企業は、オーナー経営系の企業に多いといわれますが、あまりにもオーナーの

成功体験が強烈な場合は言いたいことも言えず、ものを言うこと自体が逆らっているように

受け取られ、結果的にオーナーの器以上に企業は伸びなくなります。

さらに、オーナー自身が「私の会社は何でもものがいえる風通しのよい組織だ」と思い込ん

でいる場合は、問題をさらに難しくしています。

社員というのは雇用者であるオーナーに対しては必ず”遠慮”というものがあるということを

知っておくことが重要です。

そのうえで競争に勝てる組織にするためには、常にこれまでのことを良しとしない批判的な

思考、クリティカルシンキングが大事です

健全な経営スタイル・組織風土のためには健全な批判精神が重要!

 

(3)人材(Staff)

3つめのSは人材です。

人材は基本的に社内の中にしかいません。だから人材育成が大切だと言われるわけです。

たとえヘッドハンティングをしたとしても、その人材を活かすことは至難の業です。

それは何故なのでしょうか? その理由は至って単純です。

それはその人材がそれまでいた企業と、ヘッドハンティングされた現在の企業とでは、

人材や組織風土が違うからです。

だから以前の手法である成功体験をもって、ヘッドハンティングされた人材が変革しようと

しても、現在の会社では人はついて来ません。

誰だって「前の会社ではこうだった」と言われて、素直に聞く気にはなれません。

だから競争に勝てる組織にするためには、自前の人材を育成することが大切なのです。

なのに、人材育成はできないと思い込んでいる中小企業が数多くある!

 

(4)能力(Skills)

4つめのSは能力です。

ヒトの能力、たとえば営業力であったり、技術力であったり、マーケティング力などは、

一朝一夕には身に付きません。

たとえ新しい手法や他社で成功した手法を導入したとしても、その事例と自社ではすべての

条件が違いますから成功しません。

したがって、競争に勝てる組織にするためには、他社の事例に学ぶことは大切あっても、

自社なりにカスタマイズして継続させることが大切です。

人はそれを「進化」といいます。

競争に勝てる組織にするためには担雪埋井

他社に学ぶとしても自社の手法に変えて継続させることが大切!

 

(5)社内の仕組み(Systems)

5つめのSは社内の仕組みです。

社内の仕組みである社内システムであれば、変更することは簡単です。

たとえば、評価システムや会計制度などは変更してしまえば、何とかなります。

しかし、システムでも「人によるシステム」(報告などの情報の流れ)の変更は、

容易ではありません。

最近では、RPA(Robotic Process Automation)の導入も増えていますが、

なかなか簡単にうまくいきません。 何故でしょう?

それは社内の仕組みとは、ヒトで成り立っているからです。

このことをよく認識しておくすべきだです。

社内の仕組みの変更には、

内部統制などヒトの行動を担保する仕組みを同時に考える必要がある!

 

(6)組織構造(Structure)

6つめのSは組織構造です。

組織構造とは、組織体系などの変更のことを指しますが、変更さえすれば

なんとか機能しますので、比較的しやすいといえます。

ただ、指揮命令系統と責任の所在を明確にすることが、競争に勝てる組織にするためには

必要です。

「ボスは一人」という組織構造と、「責任と権限」とのセットがポイント!

 

(7)戦略(Strategy)

7つめのSは戦略です。

戦略とは、企業が社会の中での競争に勝っていくための方策です。

戦略を立案することは難しいともいえますが、決定さえすれば、比較的周知徹底することは

たやすいと思われます。

しかし、その絞り込みと実行には、大変難しいものがあります。

そのためにはオーナー経営者の「真剣さ」と「本気度」が重要です。

戦略は総花的ではなく、

経営者の選択と集中そして真にやり遂げるという強い想いが重要!

 

 

2 ハードの「S」とソフトの「S」

さて、7つのフレームワークには、モノとヒトに分けられることに気づきます。

モノのフレームワークは『ハードのS』といい、「戦略」「組織構造」「社内の仕組み」の

3つのフレームワークをいいます。

ヒトのフレームワークは『ソフトのS』といい、「共通の価値観や理念」「経営スタイルや組織風土」「人材」「能力」の4つフレームワークをいいます。

重要なことは、『ハードのS』は努力によって比較的短期間に変えていくことができますが

『ソフトのS』はそうではないということを理解することです。

モノの仕組みは簡単に変えられても、ヒトの仕組みを変えるのは難しい!

そこで、次のことを押さえておくと、比較的、組織改善はうまく行くといわれます。

 

 

3 7Sのポイント

(1)ソフトのS:共通の価値観や理念 Shared values

   製品や価格中心から、市場や顧客中心に考え方を変える。

(2)ソフトのS:経営スタイルや組織風土 Style

   社内事情より、顧客を起点とした行動規範に変更する。

(3)ソフトのS:人材 Staff

   ただ売るだけの人材から、継続的に売れる人材に育成する。

(4)ソフトのS:能力 Skills

   コスト管理能力から、マーケティング能力を重視する。

(5)ハードのS:社内の仕組み Systems

   管理・年功序列から、権限委譲と自ら考えることができる人材を評価する。

(6)ハードのS:組織構造 Structure

   縦割り組織から、顧客横断型組織へ組織変更させる。

(7)ハードのS:戦略 Strategy

   製品志向から、市場志向やマーケティング志向に切り替える。

 

戦略とは「競争優位」を常に保つための方策です。

その戦略に組織を最適化させる必要があります。

「こんなことうちの会社では‥」と自己限定されずに、一度、大会社の社長にでもなった

気分で、この組織分析フレームワーク7S自社を考えたらいかがでしょうか

いまは変革が求められている時です。

優れた企業はこれら7つの要素を互いに補完させ合い、強め合いながら戦略を実行している

といわれています。

私たちも怯まずに、そんな意識を持って戦略を遂行し始めましょう。

時代の進展とともに社会は複雑化しており、中小企業もこれからはマーケティングをもって

挑むことが大切です。

ぜひ、自分なりにマーケティングを経営に活かすという覚悟と意欲が大切だと思います。

常に経営革新し、永続的に続く企業を目指したいものです。

 

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戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。

そして、その結果が「いま現在である」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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掲載日:2020年10月28日 |カテゴリー:マーケティング

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