主な戦術論 戦術を如何に促進するか

ここまでこのようなことを説明して来ました。

 1.戦術には4つの要素である 商品・価格・流通経路・販売促進方法の4P は外せない。

   ※顧客の立場からは 顧客価値・費用・便利さ・わかりやすさの4C となる。

 2.その顧客価値を向上させるためには バリュープロポジション を見つけることが大事。

 3.バリュープロポジションは 戦略キャンパス によって『顧客価値』を明確にできる。

 4.顧客価値を考えるヒントは 6つの経路 を見渡すと参考になる。

そして第5回目の戦術論のタイトルは「戦術をどのようにして促進させるのか」という

実践段階の肝です。

『アンゾフモデル』で基本戦略は「市場浸透戦略」だと紹介しましたが、実際にはなかなか

浸透させ切れません

 今回はそんな課題に対して大いにヒントとなるマーケティング理論です。

 

キャズム(Chasm)とは「割れ目」「溝」という意味です。

導入期でうまく行った商品やサービスを如何に成長期へ移行できるように市場浸透させていけばよいのか?

そこに横たわるのが『キャムズ』と呼ばれる溝であり、それをどう乗り越えて行けば良いのかと

いうマーケティング理論です。

キャズム理論によれば「普及過程ごとにその攻め方は変わる」といいます。

自社の商品やサービスを普及させるには大変興味深い理論です。知っておいて損はない考え方だ

と思います。

 

1 消費者の5分類

キャムズ理論では、消費者を次の5つに分類します。

(1)イノベーター:革新的採用者

イノベーターとはともかく新しいものをすぐ欲しがる消費者層のことです。

新しいiphonやOSなどの販売開始日に朝早くから行列する人々の光景がよく報道されますが、

そのような消費者のことを指します。

すぐ購入してくれるこの客層はおよそ「2.5パーセント」と言われます。

すぐ買ってくれる顧客層は2.5%!

それをイノベーターという。

 

(2)アーリー・アダプター:初期採用者

アーリーアダプターとはイノベーターの様子や反応を見てから判断して購入を検討する客層の

ことをいいます。

つまり、乗り遅れまいとし、好奇心旺盛で積極的に検討してくれる客層です。

この客層はおよそ「13.5パーセント」いると言われます。

自発的に前向きに検討してくれる客層は13.5%!

それをアーリー・アダプターという。

なお、ここまでが市場浸透のベースであり、買ってくれて当たり前という客層です。

もし自社の商品・サービスで、顧客の16%前後も購入しないというのであれば、

商品・サービス自体を見直す必要があります。

 

(3)アーリー・マジョリティー:初期多数派

アーリー・マジョリティーとは第2陣の利用者です。

つまり、最初は様子を見るけれど、比較的前向きに検討してくれる客層のことです。

この客層はおよそ「34パーセント」を占めると言われます。

しかしここに至るには『大きな溝(キャズム)』がありますので、それを乗り越えなければ

なりません。

ここまでが比較的積極的な客層です。この3つを合わせると「50パーセント」となります。

様子を見て肯定的に検討してくれる客層は34.0%!

それをアーリー・マジョリティーというがその前に大きなキャムズがある。

ここまでが市場浸透戦略の対象です。

その前に大きなキャムズが存在しますが、それをどうやって乗り越えるのか!?

知恵の出しどころです。ここを乗り越えられれば大ヒットとなります。

ポイントは肯定的な姿勢は持っているので、顧客の立場に立って考えることが大切です。

 

(4)レイト・マジョリティー:後期多数派

レイト・マジョリティーとは積極的に検討することはありませんが、周囲の普及状況や評価などを

みて追随してくる保守的な客層です。

発表当初はあまり興味を示しませんが、状況を見て検討します。

この客層も「34パーセント」いると言われます。

このレイト・マジョリティーとアーリー・マジョリティの間にも『キャズム』が存在します。

周囲を見て購入行動へ移せる客層は34.0%もある!

それをレイト・マジョリティーという。

ここがメガヒットになるかどうかの分岐点です!

ポイントは小さな改善を積み重ね続けるということです。

 

(5)ラガード:採用遅滞者

最後の客層はラガードと呼び、世間の流行にはあまり関心がなくなかなか購入しない客層です。

この客層は「16パーセント」を占めると考えられています。

購入してくれば儲けものの客層は16.0%!

それをラガードという。

 

 

2 市場浸透の鍵は「アーリー・アダプター」の克服

この5つの客層の中で最も重要な客層は『13.5パーセントのアーリー・アダプター』です。

なぜかといえば、アーリー・アダプターは「普及の先導的役割」を担う客層だからです。

したがって、多くの一般的な客層であるアーリー・マジョリティーとの橋渡しをしてくれる

このアーリー・アダプターを掴むことが最も重要なこととなります。

市場に浸透させるにはこのアーリー・アダプターからアーリー・マジョリティーへ移行させることが重要なのですが、そのあいだに大きくて深い溝『キャズム』があると言われています。

商品やサービスが普及しない要因は「この『キャズム』を乗り越えられないからだ」と言われて

おり、その原因は企業がアーリー・マジョリティーの特性を理解しないからだと言われています

 

3 『キャズム』を乗り越える方法

ここからがポイントです。

この『キャムズ』を乗り越えるには次の3点が重要です。

1.最初の実質的な客層である

 13.5パーセントのアーリー・マジョリティーの実利的な評価に応える!

 ただし、ポイントはアーリー・マジョリティー全体を一つにして理解しないことです。

2.全力を1ヶ所に集中する!

 1ヶ所とはある特定のアーリー・マジョリティーに向けて完全な製品を作り上げることです。

 そのためには・・

 ①小さくても早く手がかりを掴む

 ②特定のアーリー・マジョリティー市場を掴んだなら、それを標準品として広く普及させる

 この2つが大事です。

3.他のアーリー・マジョリティーを順次掴んでいくために

 そのアーリー・マジョリティーに合わせてカスタマイズを重ねていく

 カスタマイズとは『付加価値』をつけていくことをいいます。

 一つ一つのアーリー・マジョリティーに対してカスタマイズを続けて行くことが大切です。

 

 

今回のキャズム理論をまとめると、まず客層を絞り、そこに傾注して期待に応えられる商品や

サービスを提供し、それをもとに他の客層にも応えられる商品やサービスにカスタマイズを重ね

続けるということです。

私たちはともすれば総花的に事業を進めがちです。

「貴社は一体どこに的を絞って商売をしているのですか?」と問われると、答えに窮ずる場合が

ありませんか?

キャズム理論はそんな考え方を是正することを勧めているように思われます。

 

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戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。

そして、その結果が「いま現在である」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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掲載日:2020年10月21日 |カテゴリー:マーケティング

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