主な戦術論 同業との違いを見つける

 第4回目の戦術論のタイトルは「同業者との違いを見つける!」です。

前々回では、戦術も3密を避けて、自社ならではの価値観をお客さまに提供することが

大切だと紹介しました。

このような考え方を『バリュープロポジション』といいました。

そして前回では、その価値観の「違い」である独自性を明確にする方法を説明しました。

それが『戦略キャンパス』でした。

そこで今回は、その「違い」をどのようしてに見つければよいのか、ということについて、その方法論を紹介します。

そのことをマーケティングでは『シックスパス(6つの経路)』と呼びます。

 

 「シックスパス(6つの経路)」とは競争者がいない、未だ生まれていない市場である

「ブルー・オーシャン」を考える際に、その独自の価値観を見つ出す方法です。

この6つの経路から見渡してみると、自社だけのブルー・オーシャンにたどり着けるかも

わかりません。

 

1 代替産業に学ぶ

 第一の経路は、競争相手は決して同業者だけではなく、必ず代替の商品やサービスを提供

する企業があり、そこから『新しい価値観』を見つけようということです。

 たとえば、ラーメン店です。

ラーメン店であれば、同業者のラーメン店だけが競争相手でははなく、ほかの飲食業界も

競争相手になっているということです。さらに視野を広げると、飲食業界ではないスーパー

やコンビニなども競争相手だと気づきます。

なぜなら食事をする立場で考えると、ランチなどを取る場合、ラーメン店やカレー店などの

多くの外食産業からスーパーやコンビニなどのお弁当まで、幅広い選択肢から考えているか

らです。ところが得てして、事業者として考えると、同業者には関心を払いますが、他には

そうでもありません。しかし、お客様は広い選択肢の中からラーメン店を選ぶわけです。

 「代替産業に学ぶ」とは、そのように代替産業の狭間からも『価値革新』を学び取ろうと

いう意味です。

新しい価値は代替産業にもヒントがある!

 

2 異なる戦術思考の企業から学ぶ

 第二の経路は、同じ業界であっても、異なる考え方や戦略を持つ企業は数多くあります。

高級志向の企業、低価格志向の企業、あるいは高回転率を志向する企業など、さまざまな

戦略を持っています。

 「同じ業界の異なる戦略思考の企業から学ぶ」とは、自社とは違う戦略を持つ企業が同じ

業界でも存在するので、そのような企業から『価値革新』のヒントを得るという意味です。

同業でも異なる考え方を持つ企業はあるので、新しい価値を大いに学べる!

 

3 顧客グループの力学に注意する

 第三の経路は、「顧客」と一括りでいいますが、観察するとそこには、購入者や利用者、

さらには影響者などの存在があることに気づきます。

 例えば、子供がオモチャを購入する場合です。

利用者は確かに子供たちですが、購入者の多くはその両親です。またひょっとすると、おカ

ネを出しているのは祖父母かもわかりません。そうすると影響者の存在も考えられます。

 例えば、マンションや戸建て住宅を購入する場合です。

購入者は当事者の若いご夫婦かもわかりませんが、利用者としては奥さんの影響が大きいのかもわかりません。さらには支援者としての両親の存在があったりするかもわかりません。

 このように業界では意外とそういうことを考えずに、買い手だけを見ている場合が多いと

いうことです。オモチャであればお客さまは子供たちですし、住宅であれば若い夫婦がお客

さまですが、しかしお客さまをグループとして捉えなおしてみると、オモチャは楽しければ

よいのではなく、安全性や教育的観点も問われることに気づきます。また住宅の場合であれ

ば、見た目や価格、機能だけではなく、その立地条件や建材の材質、環境までも問われてい

ることに気づきます。

 「顧客グループの力学に注意する」とは、直接的な顧客だけを捉えるのではなく、グルー

プとして捉え直してみて、その力関係や訴求点なども考えて『価値革新』のヒントを得ると

いう意味です。

顧客とは当事者だけを見るのではなく、

グループとして捉え直すと新しい価値が見えてくる!

 

4 自社商品を取り巻くものも見渡す

 第四の経路は、商品やサービスはいろいろなモノと組合せして利用される場合が多くある

ということです。

 例えば、家具を購入する場合は、家具そのものだけで判断されるのではなく、設置する部

屋との調和性や家族構成などにも影響されるということまでも考えてみます。

新型コロナ感染の影響下でも目覚ましい業績を上げているニトリなどを見てみますと、品揃

えが徐々に広がっていることに気づきますが、それはどういうことの結果なのでしょうか?

それは補完財や補完サービスなども見渡し、それらを取り入れた結果だといわれています。

 そのように、「自社商品を取り巻くもの見渡す」とは、自社の商品やサービスだけではな

く、それらと関係しているモノにも目を配り『価値革新』のヒントを得るという意味です。

自社の商品と関連したものも観察すると、

新しい価値のヒントがあるかもわからない!

 

5 機能志向と感性志向を問い直す

 第五の経路は、ときには業界の常識や自社の常識というものを覆してみることも大事だと

いうことです。

 例えば、スウォッチは、機能思考性が強かった時計業界に、感性志向のファッション性を

持ち込んだといわれます。そしてさらに、ユニーク性も持ち込み、高級化に転換することに

も成功しました。

 また、この逆の発想をしているのが、QBハウスと言われています。

それまでの理容業界はどちらかといえば、感性志向でした。チョッとサッパリするとか、整

髪をしてオシャレをするというような雰囲気がありました。しかしQBハウスは、徹底的に

機能志向に切り替え、低コスト化と短時間化を実現しました。

 このように、「機能志向と感性志向を問い直す」とは、いままでとは違う角度から業界や

自社を捉え直して、ときには機能志向と感性志向を入れ替えたりして『価値革新』のヒント

得るという意味です。

いまを疑い、逆転の発想をすると、新しい価値が見えてくる!

 

6 将来を見通す

 第六の経路は、どのような業界であっても、時間という流れの中で、外部環境からの影響

を受けているということです。

 したがって、その流れである流行(トレンド)を捉えなくてはなりません。

これは流行を予測しようということではなく、今後、顧客嗜好はどう変わるのかとか、自社

の事業にどういう影響を与えるかということを考えるという意味です。

 「将来を見通す」とは、未来を読むとか、未来を当てることではなく、そう考えてみるこ

と自体が変化に対応できる態勢を持つことになるという意味です。

少し未来を想像してみることが、新しい価値の創造につながる!

 

少しむずしいかもわかりませんが、あまり言葉には囚われずに、感覚的にこの「シックスパ

ス」から、自社のマーケットを見直してみればどうでしょうか。

意外と新しい発想ができるかもわかりません。

 

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戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。

そして、その結果が「いま現在である」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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掲載日:2020年10月14日 |カテゴリー:マーケティング

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