主な戦術論 違いを明確にする

 第3回目の戦術論のタイトルは「違いを明確にする方法」です。

前回は同じような顧客ニーズに同じような製品やサービスを提供することは避けて、

少し顧客ニーズの捉え方を変えて「競争軸」を同業者と変えることを「3密を避ける」と

題し『バリュープロポジション』という戦術論を紹介しました。

 では、考え方はわかったとして、具体的にどのように考えて同業者との競争軸を変え、

お客さまに分かるようにすればよいのでしょうか?

それが今回のテーマです。

 

 そこで今回は『戦略キャンパス』というマーケティングの考え方を紹介します。

『戦略キャンパス』とは「お客さまに自社の違いを明確に伝えられるかどうか」を考える

手法です。

ー『戦略キャンパス』の一例ー

 経営者というものは、常に同業者に負けないよう経営努力をし、事業を維持・発展させて

たいと考えるものです。

しかし、なかなかそうすることは現実的には難しく、どうすればそのようにしていけるのか

非常に悩むところです。

そこでそんな悩みに明快な答えを導いてくれる方法が、この『戦略キャンパス』なのです。

 

1 戦略キャンパスとは

 戦略キャンパスとは、以前紹介した戦略理論『ブルーオーシャン戦略』で示されている

方法論です。 上図で説明しましょう。

 横軸には「競争の項目」をとります。いい換えれば、新たに挑む価値の項目です。

 縦軸には「価値のレベル」をとります。いい換えれば、お客さまにとっての魅力度です。

そして各競争項目の価値レベル点を結び合わせた折れ線グラフが、自社の『価値曲線』と

なります。この自社の『価値曲線』が同業者の価値曲線と比べて、特徴をもった価値項目でかつ価値レベルが高くなればなるほど、新たなマーケットを開拓できる可能性が高いことを

示します。

 

 因みに上図はメガネ業界の風雲児「JINS」と、その少し前に席巻した「眼鏡市場」、

さらにそれ以前に台頭した「ブランド系」の『価値曲線』とを比較した『戦略キャンパス』

です。

ご承知のとおり、メガネ業界はJINSや眼鏡市場のほかにも、zoffやパリーミキ、

あるいはメガネトップ、愛眼、オンデーズ、HOYAなど、多くの企業が厳しい競争を

しています。

この戦略キャンパスを見ると、JINSは材質などを絞り込み、経験曲線を無くして、

その分、価格や納期に反映させていることがわかります。

さらにそれによって低価格を実現し、保証よりも買い換え行動に変化させました。

 

 なかなか、私たちにはそこまでドラスチックな戦略キャンパスを描くことは難しいかも

わかりませんが、そのような発想で事業に取組むことが大切であることを教えられます。

 

描く『戦略キャンパス』は

ある特定の競争項目で、大きな価値レベルの違いを示せることがポイント!

 

 ここで教えられることは、「これまでの常識」で物事を捉えないことです。

 常識の先には、変革はありません。

 

 

2 戦略キャンバスの手順

 では、『戦略キャンパス』はどのように考えていけばよいのでしょうか?

ここで標準的な手順を紹介しましょう。

 1.競争の項目を考える

   選定したターゲット(主な顧客層)を念頭に置いて、まず競争の項目を考えます。

   当社は 何で勝負するのか!? 何にで勝負できるのか!? ということです。

 2.各競争の項目における同業の価値レベルを評価する

   次に決めたそれぞれの競争項目に対して、同業の価値レベルを評価し、

   同業他社の価値曲線を描きます。

 3.競争の項目における自社が提供しようとする価値レベルをプロットする

   同様に自社の戦略に基づいた各競争項目の顧客に与えられる価値レベルをプロット

   して、自社の価値曲線を描きます。

 4.検証

   この「差異」で、いま考えていることでお客さまに新しい価値が伝えられるのか、

   冷静に客観的に評価します。

    お客さまはこの価値レベルで「違い」をわかってくれるのか?!

    また、この価値曲線が設定しているたターゲット特性に合っているのか?!

   物足りないと感じるのであれば、もう一度、戦略キャンパスを描き直します。

 5.新しい価値曲線の引き直し、自社の戦略キャンパスの完成

   再考したあとの価値レベルを再度プロットします。

    これでお客さまは違いをわかってくれますか?!

   くれると思えたなら、戦略キャンパスの完成です。

   この方向で事業を進めていけば、3密を避ける『バリュープロポジション』が築ける

   はずです。

 

しかし、現実は常に変化していきますから、常に自社の価値をアピールし続けるには、

定期的に『戦略キャンパス』を見直すことも大切です。

 

この戦略キャンパスの目的は

競争することではなく、新しい価値を創造することです!

無理に勝とうとするのではなく、

独自の価値を創造するという信念とプライドを持つことが大切!

 

 

理論どおりに手順を踏むことは、そんなに重要なことではありません。

重要ななことは、これまでの業界慣習や経験に囚われずに、新しい発想で、他がまだやって

いないことをやってみるというマインドと勇気です。

私たちは想像以上に、思い込みの中で活動しており、他と違うことをやることを避け、同じ

ような思考の中で、同じようなことをやり続けています。その挙句の果ては、低価格化や高

コストをかけてコスト回収ができないという悪循環の中に居がちです

ぜひ、このような考え方でオンリーワンを目指しましょう。

 

 

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戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて生活や仕事をしています。

そして、その結果が「いま現在である」ということを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。

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掲載日:2020年10月7日 |カテゴリー:マーケティング

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