これまで外部環境分析は、マクロ分析PESTと業界分析5フォースで漏れなく行い、
そしてSWOTの「機会」と「脅威」に落とし込むことを紹介してきました。
では、内部環境分析である「強み」と「弱み」を漏れなく行い、把握する方法はないので
しょうか?
今回はそれがテーマです。 それは『HAFL(ハフル)分析』といいます。
企業の資産は、よく「ヒト・モノ・カネ・情報」という言い方がされます。
見方を変えると、これらが企業にとっての重要な内部環境分析になります。
それらの頭文字から、この内部分析手法は「HAFL分析」(ハフル分析)と呼ばれます。
ヒューマン・リソース、つまり「人材」のことですが、
ポイントは自社の人材について表面的なことだけを分析するのではなく、もう少し掘り下げ
「自社の人材のポテンシャルを分析する」という姿勢が大切ということです。
たとえば表面的なことだけを見て、「営業力がない、ある」とか、「やる気がない、ある」とか、そういうことだけではなく、「秘めたチャレンジ精神がある」とか、「容易には屈しないタフさがある」とか、「固定観念に囚われない」など、氷山の下にあるものを見ようと
する姿勢です。
中小企業は「人材」が限られています。したがって、表面的な上辺だけを見るだけでなく、
ある意味、大企業には無い密着度から、人材を掘り下げて評価することが大切です。
その姿勢がさらに人材を活性化していく、ということにもつながっていきます。
アセット、つまり「資産」のことですが、機械設備や情報設備、ソフトウェア等に加えて、
技術力も含まれます。
これは比較的分析しやすいのではないかと思われますが、「何か別のことにも転用できない
だろうか?」という、別次元での発想が重要です。
資産の中には必ず「自社の技術力」が含まれますので、それを忘れずに分析することが大切
です。
ファンド、つまり「資金」のことですが、これは中小企業の一番弱いところでもあります。
しかし、このファンドは自己資金だけで考えないことが大切です。金融機関などからの支援
も併せて分析することが重要です。
そのように発想すると、常日頃の金融機関との交際や信用力アップなども課題として浮かん
で来ます。
最近よく聞くようになって来た「リテラシー」という言葉ですが、本来は「読み書き能力」のことを言います。つまり、識字とか、識字率という言葉と同義語です。
しかしここでは、それをもう少し広く解釈して「使いこなせる能力」と理解します。
何を使いこなせる能力かといえば、それはITや英会話などです。
これから中小企業も、ITを使いこなせなくてはいけません。
アプリケーションソフトはもちろんのこと、ウェブサイトやクラウドコンピューティングなど、それを深く使いこなすことができれば大きな武器となります。
また英会話も必須となって来ています。取引を国内だけではなく、海外ともするようになる
からです。
さらに、会計、マーケティング、分析力なども、中小企業だからこそ、使いこなせなくては
なりません。
中小企業において、なぜ、HAFL分析を行う必要があるのでしょうか?
それは中小企業という言葉が示すとおり、経営資源が少ないからです。
このような分析は「大企業には必要でしょうけれど、中小零細企業には必要がないでしょ」
といわれる中小企業経営者が多くおられますが、それは大きな勘違いです。
少ない経営資源しかないからこそ、一つ一つを大切にして、大企業よりもより活かしていかないと、太刀打ちできません。
政府も最近では政策方向転換をし中小企業が減少することを容認しています!
したがって、中小企業だからこそ、自社の内部環境を把握することが大切なのです。
このHAFL分析は、内部環境を網羅的に(MECE)洗い出せる自社の内部環境分析手法
なのです。
自社の内部環境、経営資源状況を分析して、その対策を講じていくことが、自社の競争力や存在感を高めることにつながります。
中小企業である私たちは、大企業とは違って、たいへん弱い存在です。
だからこそ、中小であればあるほどこのような内部分析を行い、できる限りの対策を講じ
ることが大切です。
それが『環境適応適応戦略』と言われるものにもつながっていきます。
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戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることだ。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしている。
そして、その結果が「いま」であることを忘れてはいけない。
だから、違う結果を得たいならば、『思い込み』を打ち破るしかない。
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掲載日:2020年7月22日 |カテゴリー:マーケティング
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