SWOT分析とは、自社を取り巻く経営環境を外部要因と内部要因に分けて、
機会と脅威、強みと弱みを分析する手法でした。
5フォース分析とは、自社を取り巻く外部環境の業界に絞り込んで、
業界内部・新規参入・代替品・買い手・売り手の5つの影響する因子に分けて、
外部環境をさらに詳細に分析する手法でした。
今回は自社を取り巻く外部環境を、マクロ的な視点から分析する手法を紹介します。
それがPEST(ペスト)分析です。
PESTとは、
政治(ポリティクス)、経済(エコノミー)、社会(ソサエティ)、技術(テクノロジー)
の頭文字4文字から名づけられた名称です。
Politicsとは、規則、法律、政策、外交など、自社の事業を規制する法律や政治動向などに
よって引き起こされる外部環境です。
たとえば、
消費税の改正、石油・漁獲量の問題、働き方改革やパワハラの問題、規制緩和や社会保険料
の問題など、最近でもさまざまな問題が生じています。
それらの中に、自社の事業にとって、いい影響・悪い影響を考えます。
Economyとは、物価、雇用、経済成長、景気動向、為替レート、金利など、
自社の事業に影響を引き起こす、経済に関する外部環境です。
たとえば、
アメリカと中国の貿易摩擦、TPPなどの貿易協定、人手不足や定年制の延長制など、
さまざまな問題があります。
それらの中に、自社の事業に影響を及ぼすものはないか?ということです。
Societyとは、生活様式や志向、ブーム、社会問題、人口動態、教育、価値観など、
自社の事業に影響を及ぼす、社会変化に関する外部環境です。
たとえば、寿命の長寿化や高齢者の急増化、会計の不正問題、生活様式の変化、インバウン
ドなど、さまざまな問題があります。
また最近では、新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークの普及やソーシャルディタン
スの問題、さらには東京オリンピック・パラリンピックが開催されるのか、されないのか、
2025年の大阪万国博覧会の開催、あるいはリニアモーターカーの開設時期やいずれ誘致さ
れそうな冬季オリンピックなど、社会の変化で経済的なインパクトは見逃せません。
それらの中に、自社の事業に影響を及ぼすものはないか?ということです。
Technologyとは、新発見、発明、開発、特許、技術革新など、
自社の事業に影響を及ぼす、技術産業界で起こっている技術動向に関する外部環境です。
最近は何といっても、AI進展と浸透、そしてEV車の普及や自動運転技術の向上です。
AIは本当にどのようなスピードで進展・普及していくのかしていくのか、わかりません
が、サービスや業務のあり方を大きく変えそうです。
さらにインターネットスキルの向上による日常生活への浸透化を見逃せません。
EV車も今後どのようなスピードで切り替わっていくのか、わかりませんが、想像以上に
早くに移行していくのでしょう。
そうすると自動車業界は電機産業界に変わるのかもわかりません。
またガソリン業界にも当然大きな影響が出そうですが、もっと多くの業界に大きな影響が
及ぶのでしょう。自動運転も高齢化が進んでいますので予想以上に早く向上していくものと
考えられますが、そうするとモータリゼーションの概念を大きく変えるのでしょう。
これらは間違いなくシンギュラリティを到来させるのだ思われます。
では、事業経営において、PEST分析は、なぜ行う必要があるのでしょうか?
自社の事業は、常に世の中全体の変化、つまりマクロ環境に大きく影響を受けていることは
否定できません。
ということは、自社の事業環境/経営環境を把握するためには、中長期的な視点から自社を
取り巻くマクロ環境を把握、推測することが大切であるということです。
このPEST分析は、マクロ的な環境要因を、網羅的に(MECE)洗い出せる、自社の環
境分析手法です。
自社を取り巻く外部環境をマクロ的に分析して、対策を講じていくことは、自社の競争力や
存在感を高めることにつながります。
中小企業であるわれわれは大企業とは違い、たいへん弱い存在です。
だからこそ、中小であればあるほど、このような環境分析を行い「できる限りの対策を講じることが大切だ」ということです。
それがまたおのずと『環境適応適応戦略』といわれるものにつながっていきます。
戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。
そして、その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。
だから、違う結果を得たいならば、その『思い込み』を打ち破っていくしかありません。
掲載日:2020年7月15日 |カテゴリー:マーケティング
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