トピックス コロナショックに学ぶ

ここでちょっと一息入れて、いま、考えなくてはならないアフターコロナの経営対策を

『コロナショックに学ぶ』というタイトルで考えてみましょう。

 

新型コロナウイルスよる感染状況は、緊急事態宣言が解除され、さらに都道府県をまたがる移動も緩和されましたので、かなり収まってきたようにも思えますが、しかし最近は全国で100名を超す感染者が出ていますので、予断は許されません。

とは言えども、精神的には少し余裕が感じられるようになっていることは事実ですので、

この機会に経営者として、次の感染拡大期に備えた経営態勢を考えてみましょう。

経営者たるもの前を向いて指針と対策を考え、従業員の皆さんをリードして行きましょう!

 

なお、この問いに対する回答は業種業態や経営状況などによって無数にあると思いますが、

皆さまなりの回答を考える際の参考になれば幸いです。

 

1 手元資金の問題と読み方および対策

コロナ感染拡大で多くの企業で売上高が大きく減少しました。

売上は「事業資金の源泉」ですので、手元資金が枯渇してしまったということです。

これが何といっても、一番深刻な問題でした。

 

では、今後は手元資金をどう管理し、どのような対策を講じて行けば良いのでしょうか?

今回、従業員の給料が支払えないとか地代家賃が支払えない、あるいは負担になっているな

ど、多くの声が報道されました。

実はここに、手元資金の問題を解くヒントがあるように思います。

手元資金とは、現金と預金のことであり、売掛金などの売上債権は含みません。

それは、売上債権がいくらあっても得意先が支払えなくなれば、手元資金にはならないから

です。

非常時に頼りになるのはやはり、現金と預金です。このことを、多くの経営者が痛烈に感じられたのではないのでしょうか。

これからの経営においては、長期的な課題になると思われますが、

中小企業であればあるほど手元資金を厚くする経営をする必要がある!

ということです。

さらに大事なことは実際的に現実的なものとして「それに向かって動く」ということです。

実際的に現実的なものとして動くとは、「自社であればどれだけの手元資金を持つべきなのかを明確にして、それだけの手元資金を保有するようにする!」ということです。

 

では、どれだけの手元資金を保有すればよいのでしょうか?

最終的には経営者が自ら判断すべきことですが、その考え方はおおむね次のとおりです。

今般のことで学べば、『最低固定費』の半年分程度の手元資金は、最低でも保有するようにするべきということです。

最低固定費とは、今回でよく理解された方も多いと思いますが、売上が0になってもかかる費用のことです。つまり、人件費や家賃、それにリース料や賃借料などのことです。

これらの費用は具体的に計算できますから、その6カ月分以上の手元資金を常に持つことを

目標に舵取りをするということです。

 

では、手元資金を多く持つ対策としてはどのようなことが考えられるのでしょうか?

1.まず、経営を常に「黒字経営」にして「納税」する

現在、3分の2にあたる中小企業が欠損企業であり、納税をしていません。

納税をしていないということは、内部留保がないことであり、つまり手元資金は溜まらない

ということです。節税のためと称して、冗費している場合ではありません。

しっかり黒字経営にして、納税をしましょう。

2.日常的な対策として「費用を抑える」こと

単純な話ですが、費用の支出を抑えれば、その分だけ、手元資金は残ります。

無駄な原価を抑える、無駄な経費を削減する、ということです。

3.「在庫管理」をしっかり行う

無駄な原価を抑えるためには、在庫管理による裏付けが必要です。

そして、デッドストックの発生を減らす、無駄な仕入をしない、ということです。

4.即効的な方法として融資を受ける

そして即効的に手元資金を増やす対策として、融資を受けることが考えられます。

以前は運転資金目的では融資を嫌がる金融機関もありましたが、いまは状況が違い、理解もあります。どうしても運転資金が少ないようであれば、融資を申し込んで手元資金を厚くしておきます。

また、そこまで早急にしなくてはいい場合でも、コミットメントラインを確保しておくこと

は大事な対策です。

ともかく手元資金を厚くしておくことが重要な対策!

 

2 借入金の問題と読み方および対策

近未来的に「安全性」を高めておくことが、いま一番、重要なことです。

ハッキリとはわかりませんが、コロナの影響は今年だけで終わらず、この先、数年間、経営

に影響及ぼす可能性があるとも言われています。

だからこそ、「安全性」を高めておくことが重要!

 

経営の安全性とは何か?

それは「手元資金が多くある」ということに尽きます。

本来は、事業を通じて資金を豊富にしていくことが王道です。

しかしその時間的余裕がない場合は、中小企業は上場企業や大手企業ではありませんので、

金融機関からの融資に頼るしか道はありません。

これまでは「なるべく借入金は少なくして経営をする」ことが、一つの経営指針でしたが、

これからは状況によっては「少し多めの借入金をしておく」ということが経営の指針になるのではないのでしょうか。

 

では、借入金を少し多めにしておくという「好加減」の経営はどうすれば良いのか?

1.借入金残高と平均月商とを比べながら経営を行う

ここではあらためて詳しくは説明しませんが、これまで一般的な普通の黒字企業であれば、

平均月商の6カ月分前後までの借入残高が好加減と言われていました。

しかしこのような状況となり、また金融庁の指導で金融機関も柔軟な対応をしてくれますか

ら、平均月商の1年分から1年半分程度までの借入金であれば「良し」としなければならな

いのかもわかりません。

緊急事態に備える場合は、借入金を多くしておくことも大切!

 

3 高付加価値経営の問題と読み方および対策

「高付加価値経営」というと、大企業の話であり、よその国の企業のことのように思われる

かもわかりませんが、これは私たち中小企業にとっても現実的な課題となっています。

どの企業でも、少しでも高付加価値経営化ができれば、黒字経営転換に大きく近づけます。

問題はここでも、「~デキレバ」というタラレバ言葉を使いましたが、「高付加価値経営に

取り組む」という経営者の主体的で能動的な取り組み姿勢が大切です。

高付加価値経営化はどんな会社でも出来る!

 

では、どうやって高付加価値経営化を読み、対策をしていけばよいのか?

自社の高付加価値経営化の読み方は次の3つです。

1.売上総利益と売上高を比べる『売上総利益率』の定点観察を続けること

2.営業利益と売上高を比べる『営業利益率』の定点観察を続けること

3.営業利益と総資本を比べる『総資本営業利益率』の定点観察を続けること

この3つの指標が大きくなって行っていれば、自社の高付加価値経営化は進んでいます。

一般的に『売上総利益率』は、業種業態による影響を受けますので、「このぐらいが適当」とはいうことができません。

また『総資本営業利益率』も設備投資が大きい業種と少ない業種では大きく違いますので、

やはり「このぐらいが適当」ということができません。

しかし『営業利益率』は全業種、同じ基準となりますので、これは言えます。

営業利益率は10%程度(売上が5千万円であれば5百万円)を最終的に目指したいところです。

 

では、高付加価値経営化の対策はどうすれば良いのか?

1.売上原価の使い方と人件費の使い方を考え直す
まず、『売上総利益』は、自社の”努力”と”創意工夫”で、大きくすることが可能です。

事業とは、材料を仕入して製品を作る、商品を仕入れて売る、何かしらの役務(サービス)

を提供するということですが、「この商売では昔からこうされているから、うちもこうしている」ということが多くないでしょうか。いわゆる『横並びの安心感』というものです。

しかしそうではなく、よりいいものを!とか、より求められるものを!などという工夫や、

在庫商品の管理によって不良在庫を無くすことなどで『売上総利益』をより大きくすること

ができるのです。

また、『営業利益』も社内努力によって大きくすることが出来ます。

販売費や一般管理費などの経費も使いようです。それによって、営業利益を増やすことがで

きます。一般的に、経費を削減することで営業利益を増やそうと考えますが、それだと、最

大でもその経費額以上に増やすことはできません。

もちろんこの考え方も大変大切です。確かに付加価値を生まない費用については、いかに削減するかが大切です。

しかし削減や節約それ以上に大切なことは、使い方であり、活かし方です!

例えば、人件費も支給の仕方や制度などによって、ヒトのやる気を大きく向上させ、利益に大きく貢献させることが可能です。

ホームページなどの広告費も、使い方によって、大きな効果が生まれます。

こういうことは理屈だと思われるかしれませんが

儲けて続けている企業はそうしているのです!

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。
そして、その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。
だから、違う結果を得たいならば、『思い込み』を打ち破るしかありません!


掲載日:2020年6月30日 |カテゴリー:トピックス

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