会計で経営力を高めるシリーズ 負債

第11回会計で経営力を高めるシリーズ『負債』

ここまで「買入債務→借入金→未払金・未払費用→預り金→引当金」について説明して来ま

した。これらはすべて「負債」です。つまり、債務・借金ですが、他人から調達した「資金

の調達」とも言えますので、「他人資本」という言い方もされます。

今回はそんな負債について、総合的な説明をします。

 

1 負債とは何か

負債とは債務または借金であり、自社自体ではなく、他から調達している資金のことです。

その意味で、「自己資本」という言い方に対して、「他人資本」という言い方をします。

したがって、企業経営にとっては、負債というと負の側面が強調されます。

しかし、自己資本のみで事業を行っていくことは難しいので、一般的に負債のない企業は

ほとんどありません。

さらに他人に協力を得ずに自己資本だけで大きな事業を行っていくことには無理があります。このように考えると負債は企業経営にとって「負の遺産」というばかりでなく、事業を行っていくための貴重な資金財源であり、使い方を間違えなければ必要な資金であるというプラス的な見方もできます。

 

ただ肝心なことは、負債の使い道である「資金の運用」です!

 

 

2 負債には二つのグループがある

そこで大事なことは、負債の使い方である「負債の運用」ということです。他人資本である

負債は二つのグループに分けられます。

(1)流動負債

一つめのグループは、比較的短期間に返済しなけばならない負債のグループです。

会計ではそれらのことを「流動負債」と呼びますが、原則1年以内に返済しなければならない負債のことです。

例えば・・

「買掛金」は、1ヵ月後から2~3か月後には支払わなくてはなりません。

「支払手形」も同様です。さらにこれまで説明してきた「未払金」や「未払費用」あるいは

「預り金」などもすべてがそうです。

また少し性格の違う「引当金」も賞与支給時や貸し倒れが起きたときなどには支払わなければなりません。

その中で「借入金」だけは返済期間に応じて1年以内に完済しなければならないこともあれば、数年間をかけて完済すればよいこともあります。ですから借入金は、「短期借入金」と「1年以内返済長期借入金」だけは流動負債に区分し、それ以外は「長期借入金」として、別に区分します。

(2)固定負債

二つめのグループは、流動負債以外の負債のグループです。

会計ではそれらの負債のこと「固定負債」と呼び、1年を越えて返済しなくてはならない負債のことを言います。

5年10年をかけて返済する「長期借入金」、返済期間が不明確な社長自身が出した「役員

借入金」(長期未払金)などは固定負債です。

 

負債には「流動負債」と「固定負債」とがある!

 

 

3 二つのグループに分ける意味は使い方のルールにある

さて、負債を流動負債と固定負債に分ける意味は、ただ単にすぐ返済するのか、しないのかだけではありません。

本当の意味は、そこには「使い方のルールがある」ということです。

このことが理解できたなら、難しいと思っていた「B/S(貸借対照表)」の読み方が随分わかってきます。

 

比較的「短期に返済しなければならない流動負債」は、いつでも返済できるような資産に

運用しなさいということです。

逆に言えば、長い期間運用するもの(例えば固定資産など)には運用してはいけないということです。

具体的には・・

現金・預金などの運転資金として運用しているとか、売掛金として運用しているとか、棚卸

資産として運用しているということです。

 

逆に「長期間で返済してよい固定負債」は、長期的に運用するものに使っても良いですし、

もちろんいつでも返済できるものにも運用しても良いということです。

具体的には・・

設備投資に使うとか、車両運搬具に使うなどです。

 

流動負債は流動資産で運用し、固定資産には使わない!

固定負債は流動資産にも固定負債にも使ってもよい!

 

 

このようなことを考えながら会計をすると、会計で会社を徐々に強くできます。

いかがでしょうか、会計は意外と楽しいもので、経営に役立つものだと思われませんか。

少しでもそのように思われてきたのなら、それだけ貴社の経営力が高まって来ていることを示しています。

会計を楽しみながら、荒波に強い会社になるよう取り組みませんか!?

 

コロナに負けないために”ステイホーム!”


掲載日:2020年4月29日 |カテゴリー:会計識字率

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