会計で経営力を高めるシリーズ 固定資産

第4回会計で経営力を高めるシリーズ『固定資産』

 

1 固定資産とは

 固定資産とは、事業で用いている「設備」などのことをいいます。

設備などのことを会計では「有形固定資産」といい、建物、機械・装置、車両・運搬具、

工具・器具・備品、土地などに分けられています。

それにチョッと特殊な「減価償却累計額」という、経営上は大切な科目もあります。

※そのほかにも「無形固定資産」や「投資その他の資産」がありますが、重要性の原則を

 考え、それほど使用されることはないと思われますので、ここではそれらの説明を割愛

 します。

 

 

2 固定資産(設備)の目的を再度確認し、投資採算計画を立案しよう

 固定資産、特に新しい工場を建てる、新しい機械や設備を導入するその目的は何だった

のでしょうか?

この基本的なことを顧みず、ひたすら設備資金の調達に終始している経営者を多く見かけ

ます。つまり、金融機関からの融資さえ下りれば、ホッとするということです。

しかし、設備投資の目的は言うまでもなく「事業収入を増やす」ことにあるわけです。

この当たり前のことに気づけば、まず最初に大切なことは「固定資産採算計画」を立てな

ければならないことです。

 つまり、この設備投資を行ってどれだけ収入を増やし、かかる費用を賄って利益を残し、

そして借入金を返済していけるのか、ということです。

ところが設備投資のために借入れた長期借入金の返済に苦しむ中小企業には、そこの部分が

欠落しているという事実があります。

 単に設備が古くなった、この設備では現代のニーズには対応できない、増産したいなど、

目の前の問題で感じた必要性によって資金手当てを行い、設備投資をするということです。

 

設備投資の際には事前に「採算計画」を立案することが大事

 

 

3 固定資産(設備)の資金を考える

 事業の設備投資は家計で考えてみると、住宅を建てるとか、大きな家電を購入するとか、クルマを購入するというようなことに例えられます。

 たとえば、住宅を建てる場合、住宅ローンだけで建てるのでしょうか?

なるべく自己資金を多くして、住宅ローンを極力少なくし、住宅ローン返済と将来収入との

バランスを考えると思います。大きな家電やクルマの場合も同様です。

 事業における設備投資も同じです。

いくら金融機関から融資が受けられるとしても、自社の自己資金をなるべく多くして借入金を少なくすることが「安定した経営」をする秘訣です。

 

設備資金は自己資金と借入金のバランスが重要

 

 

4 固定資産(設備投資)の適正度をチェックする法

 自社の固定資産が無駄なく活かせているのか、資金繰り的には無理がないのかなどは、

設備の操業度や投資資金の調達源から検証することが大事です。

 

(1)固定資産(設備)の操業度チェック

 固定資産の操業度とは、いま固定資産で何倍ぐらいの売上高を上げているのか?

ということです。総資産とのバランスから考えると、少なくとも固定資産の4倍以上の

売上高は確保したいところです。

 4倍というと、仮に2千万程度の固定資産があるのであれば、1億前後の売上が上げられているということです。そのことを「回転率」と呼んでいます。

 

固定資産回転率=年間売上高÷固定資産金額 ←4回転以上を確保する

 

(2)固定資産(設備)の資金の出どころをチェック

 固定資産財源の一番の理想は、固定資産の購入はすべて自己資金で行っているということ

です。ということは、会計的に言えば固定資産の額は純資産額以内にあるということです。

※実は「優良」と言われる企業はそのようにしています!

 そこまでは無理としても、少なくとも、自己資本と長期借入資金で固定資金は投資すべき

ということです。これは必ず遵守したい「経営の秘訣」です。

 つまり、固定資産の額は「純資産と長期借入金の合計以内」ということです。

もしそうでないならば、住宅資金が自己資金と住宅ローンだけでは足りなくて、クレジット

カードの借入枠内のローンなども当てているということになります。

このように説明すると滑稽なように感じられるかもわかりませんが、実は多くの中小企業は

そのような状況です。

 その見方は次のとおり。比率の名称はともかく、その見方は覚えておきましょう。

 

  固定比率(固定資産と自己資本を比べる)

   =固定資産÷純資産 ←純資産の方が大きければ理想的

 

  固定長期適合率(固定資産と本来その財源とすべき資金とを比べる

   =固定資産÷(純資産+長期借入金) ←絶対100%未満となるよう

                      経営する

 

 

 

このようなことを考えながら会計資料を見ていると会計で会社が徐々に強くなってきます。どうでしょうか、会計は意外と楽しいもので経営に役立つものだと思われませんか。

少しでもそのように思われてきたのならそれだけ貴社の経営力が高まって来ていることを

示しています。 会計業務を楽しみながら荒波に強い会社になるよう取り組みましょう!


掲載日:2020年3月4日 |カテゴリー:会計識字率

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