会計の視点 売上債権の意味

 

第5回の会計の視点は「売上債権の意味」です。

売上債権とは「受取手形」と「売掛金」のことをいいますが、

最近の企業は建設業を除いて、受取手形を扱っている企業はあまりありません。

その理由は商慣行が徐々に変化してきたことと、経営危機管理の面から考えれば手形は

扱わないほうが安心だからです。

もし現在手形を扱っていても、新しい取引先には「手形は扱っていない」として交渉して

みましょう。

 

1 売上債権とは

 売上債権とは「受取手形」と「売掛金」のことを言います。

現金売上の場合を除き、売上れば売掛金となります。

そして請求書を送付し期日まで入金されれば、それで売掛金は回収となり資金となります。

そこで受取手形で回収しているのであれば、さらに2~3か月後に指定口座に入金される

ことになります。

 建設業を中心にまだ手形で受け取る場合がありますが、その場合は回収までに4~6か月ほどかかることになりますので資金繰りのために「割引」とかする場合があります。但し、

割引手形はリスクがある資金調達方法であることを認識しておく必要があります。

 いずれにせよ売上債権はまだ資金にはなっていませんので、相手が支払わない限り、ただの紙きれと同然であることを認識しましょう。

 

2 売上債権は100%回収できる保証はない

 売上債権はその状態ではただの紙きれですので、約束とおり回収することが大切です。

翌月支払であれば、翌月の期日までに回収することです。

もし支払が遅れると、支払額が2倍・3倍と膨れ上がりますので、ますます支払うことが

困難になり、回収することが大変になるということを知っておきましょう。

またこれが、不良債権化の始まりです。統計的には、6ヵ月滞留すると回収可能性は40%

となり、1年分滞留すると30%を切ると言われています。

だから、入金がない場合は直ちに連絡を取り、支払日を確認して回収しましょう。

 なお、入金がない場合、事務的に督促状やメールを出して催促をしているような気になっている企業が多くありますが、それは回収という意味ではあまり効果はありません。

なぜなら、書面等を送ることで支払ってくれるならば、最初から請求書を送れば支払ってくれるはずだからです。請求書で支払ってくれないわけですから、別の方法をとる必要があり

ます。その別の方法とは、電話で話すか、又は訪問です。

 

3 売掛金の消滅時効

 決算書をみると、何年も前の売掛金が表示されている場合がままあります。

しかし、売掛金には時効があることをご存じですか?時効させないためには定期的に督促

することが必要です。

 ・1年で消滅する売掛金  宿泊料、運送料、飲食代

 ・2年で消滅する売掛金  教育代、売掛金

 ・3年で消滅する売掛金  医療代、建築代、自動車修理代、工事代金

 ・5年で消滅する売掛金  上記以外

 

3 適正は売上債権額とは

 では、月次試算表や決算書で表示されている売上債権の適正額とはどのくらいなので

しょうか? それは各企業の回収サイトで決まります。

例えば、翌月回収の企業であれば、「売上債権残高=前月売上高」程度になるはずです。

例えば、4ヵ月回収の企業であれば、「売上債権残高=4か月分の売上高」程度になるはずです。自社の標準売上債権額を把握しておくことは重要です。

 

 

このほかにも、売上債権関してさまざまな意味があります。

そのような意味を理解して、作成した会計資料を見ると、会計が示す情報が豊富になり、

より経営に活かすことができます。

これまでの勘による経営も大切ですが、その上に客観性を重ねて経営判断をし、経営課題を

見つけることが、今の時代には大切です。

もっと会計を経営に生かしましょう。そのことがいま求められています。

 


掲載日:2019年10月16日 |カテゴリー:会計識字率

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