経営者としては常に何とかして、新しい付加価値を見つけ、同業者とは異なる市場を
開拓したいと考えるものです。しかし、なかなか、そう簡単には見つかりません。
そこで知っておきたいのが、この『6つのパス(経路)』という発想方法です。
『6つのパス』とは、競争が無い新しい市場を見つけたいときの「思考経路」です。
この6つの経路であらためて自社の周りを見直してみると、意外と意外、
自社の『ブルー・オーシャン』にたどり着けるかもわかりません。
競争相手やヒントになる事業者は、決して同業者だけではありません。
必ず自社にとって、代替の商品やサービスを提供している企業があるものです。
例えばラーメン店であれば、競争相手は同業者のラーメン店だけではなく、
他の飲食業も競争相手になります。
さらに飲食業ではなくとも、コンビニやスーパーなども競争相手といえます。
顧客の立場で考えると、たとえば昼食を取る場合、ラーメン店やカレー店、食堂などの外食
店からスーパー・コンビニなどのお弁当まで、幅広い選択肢の中から考えているわけです。
ところが経営者の立場で考えると、同業者の動向には目を向けますが、ついついその他の
事業者は見逃しがちとなります。
しかし、顧客はそのような広い選択肢の中から、自社を選んでいるわけです。
代替産業に学ぶとは、
そのような代替産業のはざまからも、『価値革新』を学び取ろうという意味です。
同じ業界・業種であっても、違った考え方や戦略を持つ企業は多くあります。
高級志向、低価格志向、あるいは回転率志向など、さまざまな戦略を持っています。
他の戦略企業から学ぶとは、同じ業界でも違った考え方をしている企業を見て、
自社と違う戦略企業から、『価値革新』のヒントを得ようという意味です。
「お客」と一言で括りますが、よく考えてみると、お客には「購入者」「利用者」「影響者」など、さまざまな立場の存在があることに気づきます。
例えば玩具店の場合、利用者は子供たちかもわかりませんが、購入者の多くは両親です。
また影響者として、祖父母の存在もあるのかもわかりません。
例えば住宅メーカーの場合、利用者・購入者は若い夫婦かもわかりませんが、
支援者あるいは影響者として、両親の存在があるのかもわかりません。
しかし業界を俯瞰してみると、意外とどの企業も同じお客に焦点を合わせ、凌ぎを削って
いる場合が多いという指摘です。
玩具店であれば「子供たち」、ハウスメーカーであれば「若い夫婦」というようにです。
買い手グループに注意するとは、顧客というものをあらためてよく観察して、いままでの
見方は正しいのかと検証し直し、『価値革新』のヒントを得ようという意味です。
商品やサービスは、いろいろな組合せをして利用される場合が多くあります。
例えば家具などを購入する場合、家具そのものだけで判断しているのではなく、
部屋との調和性や家族構成なども考えて購入されています。
このように補完財や補完サービスを見渡すとは、商品・サービスに関係する他の業界などの動向も考えて、『価値革新』のヒントを得ようという意味です。
時には、業界の常識や自社の常識を逆転させてみることも大事です。
例えば時計のスウォッチは、機能志向が強かった業界に対して、感性志向のファッションを
時計に持ち込みました。さらに近年では、ブランド化も図り、成功しています。
この逆の発想をしたのがQBハウスです。それまでの理容業界はどちらかといえば、
感性志向でした。散髪に行って、身支度を整えるというような雰囲気がありました。
それをQBハウスは徹底的に機能志向に切り替え、低コストと短時間化を実現させました。
機能志向と感性志向を切り替えるとは、発想を転換してみて、いままでとは異なるアングル
から業界や自社を見直ししてみて、『価値革新』のヒントを得ようという意味です。
どのような業界であろうと、時代の流れの中で外部環境からの影響を受けています。
したがって、その流れ(トレンド)を捉えなくてはなりません。
これは流行を予測するという意味ではありません。
今後、顧客嗜好はどう変わるか、自社事業にどう影響を与えるか、ということを考える
という意味です。
将来にわたって外部トレンドの形成に関わるとは、将来を読むとか、当てることが重要
なのではなく、常にそれを考えていることで、変化に対して迅速に対応できる態勢を保つ
ことになるという意味です。
「6つのパス」とは、着想方法みたいなものです。
どうしても私たちは固定的な見方になりがちですが、この「6つのパス」によって、思考の
ストレッチを行い、これまでスルーしていた価値観に気づき、価値革新を起こすということ
です。
意外と、小さな価値革新でも、実は多くの人も気になっていた「価値」だったりすることは
よくあることです。この6つのパスで少しでもブルーオーシャンに近づき、オンリーワンの
世界を目指しましょう。
戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。
その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。
違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。
掲載日:2019年6月26日 |カテゴリー:マーケティング
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