図解 事業戦略策定の方法 34

経営者としては常に何とかして、新しい付加価値を見つけ、同業者とは異なる市場を

開拓したいと考えるものです。しかし、なかなか、そう簡単には見つかりません。

そこで知っておきたいのが、この『6つのパス(経路)』という発想方法です。

『6つのパス』とは、競争が無い新しい市場を見つけたいときの「思考経路」です。

この6つの経路であらためて自社の周りを見直してみると、意外と意外、

自社の『ブルー・オーシャン』にたどり着けるかもわかりません。

 

思考経路1 代替産業に学ぶ

競争相手やヒントになる事業者は、決して同業者だけではありません。

必ず自社にとって、代替の商品やサービスを提供している企業があるものです。

例えばラーメン店であれば、競争相手は同業者のラーメン店だけではなく、

他の飲食業も競争相手になります。

さらに飲食業ではなくとも、コンビニやスーパーなども競争相手といえます。

顧客の立場で考えると、たとえば昼食を取る場合、ラーメン店やカレー店、食堂などの外食

店からスーパー・コンビニなどのお弁当まで、幅広い選択肢の中から考えているわけです。

ところが経営者の立場で考えると、同業者の動向には目を向けますが、ついついその他の
事業者は見逃しがちとなります。

しかし、顧客はそのような広い選択肢の中から、自社を選んでいるわけです。

代替産業に学ぶとは、

そのような代替産業のはざまからも、『価値革新』を学び取ろうという意味です。

 

経路2 他の戦略企業から学ぶ

同じ業界・業種であっても、違った考え方や戦略を持つ企業は多くあります。

高級志向、低価格志向、あるいは回転率志向など、さまざまな戦略を持っています。

他の戦略企業から学ぶとは、同じ業界でも違った考え方をしている企業を見て

自社と違う戦略企業から、『価値革新』のヒントを得ようという意味です。

 

経路3 買い手グループに注意する

「お客」と一言で括りますが、よく考えてみると、お客には「購入者」「利用者」「影響者」など、さまざまな立場の存在があることに気づきます。

例えば玩具店の場合、利用者は子供たちかもわかりませんが、購入者の多くは両親です。

また影響者として、祖父母の存在もあるのかもわかりません。

例えば住宅メーカーの場合、利用者・購入者は若い夫婦かもわかりませんが、

支援者あるいは影響者として、両親の存在があるのかもわかりません。

しかし業界を俯瞰してみると、意外とどの企業も同じお客に焦点を合わせ、凌ぎを削って

いる場合が多いという指摘です。

玩具店であれば「子供たち」、ハウスメーカーであれば「若い夫婦」というようにです。

買い手グループに注意するとは、顧客というものをあらためてよく観察して、いままでの

見方は正しいのかと検証し直し、『価値革新』のヒントを得ようという意味です。

 

経路4 補完財や補完サービスを見渡す

商品やサービスは、いろいろな組合せをして利用される場合が多くあります。

例えば家具などを購入する場合、家具そのものだけで判断しているのではなく、

部屋との調和性や家族構成なども考えて購入されています。

このように補完財や補完サービスを見渡すとは、商品・サービスに関係する他の業界などの動向も考えて、『価値革新』のヒントを得ようという意味です。

 

経路5 機能志向と感性志向を切り替える

時には、業界の常識や自社の常識を逆転させてみることも大事です。

例えば時計のスウォッチは、機能志向が強かった業界に対して、感性志向のファッションを

時計に持ち込みました。さらに近年では、ブランド化も図り、成功しています。

この逆の発想をしたのがQBハウスです。それまでの理容業界はどちらかといえば、

感性志向でした。散髪に行って、身支度を整えるというような雰囲気がありました。

それをQBハウスは徹底的に機能志向に切り替え、低コストと短時間化を実現させました。

機能志向と感性志向を切り替えるとは、発想を転換してみて、いままでとは異なるアングル

から業界や自社を見直ししてみて、『価値革新』のヒントを得ようという意味です。

 

経路6 将来をにわたって外部トレンドの形成に関わる

どのような業界であろうと、時代の流れの中で外部環境からの影響を受けています。

したがって、その流れ(トレンド)を捉えなくてはなりません。

これは流行を予測するという意味ではありません。

今後、顧客嗜好はどう変わるか、自社事業にどう影響を与えるか、ということを考える

という意味です。

将来にわたって外部トレンドの形成に関わるとは、将来を読むとか、当てることが重要

なのではなく、常にそれを考えていることで、変化に対して迅速に対応できる態勢を保つ

ことになるという意味です。

 

 

「6つのパス」とは、着想方法みたいなものです。

どうしても私たちは固定的な見方になりがちですが、この「6つのパス」によって、思考の

ストレッチを行い、これまでスルーしていた価値観に気づき、価値革新を起こすということ

です。

意外と、小さな価値革新でも、実は多くの人も気になっていた「価値」だったりすることは

よくあることです。この6つのパスで少しでもブルーオーシャンに近づき、オンリーワンの

世界を目指しましょう。

 

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。


掲載日:2019年6月26日 |カテゴリー:マーケティング

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