経営者は常に、何とか、同業他社に負けないよう経営努力をして、自社の事業を維持・発展
させていきたいと考えるものです。されどそうすることはなかなか難しく、どうしたらより事業を発展させられるのか、悩ましいところです。
そんなときに、自社の販売戦略を同業他社と比較して、見える化し、新しい価値を創造していくためのツールが、この「戦略キャンパス」なのです。
戦略キャンパスとは、ブルーオーシャン戦略の具体的なツールのひとつです。
直訳風に説明すれば、ブルー・オーシャン戦略を校庭に描き、その新しい付加価値を確認し
さらに大きな付加価値に創造していく手法です。
上図を見てください。
横軸に「競争の軸」を考えます。言い換えれば、新たに挑む「価値要素」と言っていいのかもしれません。
縦軸には「価値の水準」を取ります。言い換えれば、顧客の立場での「魅力度」です。
そして、各競争要素の魅力度の点数を結び合わせた折れ線グラフ(価値曲線)が、他社と
大きく異なれば異なるほど、新たな市場を創造できる可能性が高いことを示します。
上図は、メガネ業界の風雲児「JINS」、そしてその少し前席巻した「眼鏡市場」、さらにそれ以前に台頭した「ブランド系メガネ」の戦略キャンパス図です。
そうすると、JINSは材質などを絞り込み、経験曲線を無くして、その分を価格や納期に反映させたことがわかります。
さらに低価格を実現したことにより、保証よりも買替やすさに切替えたこともわかります。
私たちはそこまで極端な成果を表すことはむずかしいかもわかりませんが、そのような発想で仕事に取り組むことの大切さを教えられるのではないのでしょうか。
ここで教えられることは「これまでの常識で物事を捉えない」ことです。
常識の先には「変革」はありません。
(1) 競争要因を考える
まず、競争の軸を考えます。 当社は何で勝負するのか、何で勝負できるのか、です。
(2) 競争要因における競争相手の価値水準をプロットする
次に、決めたそれぞれの競争要因における、競合他社の価値水準をプロットして(価値
曲線)、見える化します。
(3) 競争要因における現状の自社の価値水準をプロットする
同様に、自社の戦略に基づいた競争要因における、現状の価値水準をプロットし、見える
化します。
(4) 新しい自社の価値水準をプロットする
そして、新しい自社の価値水準をプロットします。
(5) 検証(練り直し)
さて、これまでの自社と違い、あるいは競争相手との違いがハッキリしたでしょうか。
お客様にも、これで違いを気づいていただけますか。
物足りなければ、もう一度、戦略を練り直します。
(6) 新しい価値曲線の引き直し(自社の戦略キャンパスの完成)
練り直した後の、価値水準をプロットします。
これでいままでの自社並びに競争相手との違いが客観的に明確になるまでに高められれば自社の戦略キャンパスは完成です。
あとはどのようにして、この新しく創造した価値を推進していくのか、戦術を練ります。
この戦略キャンパスの目的は、競争することではなく、新しい価値を創造することです。
無理に「勝とうとする」のではなく、「独自の価値を創造すること」に信念とプライドを持っていたいものです。
理論どおりに手順を踏むとか、そんなことはあまり重要ではありません。
大事なことは、「当社もこれまでの業界内の慣習や経験に囚われずに、新しい発想で、他がまだやっていないことをやってみる」というマインドです。
私たちは想像以上に、思い込みの中で活動しており、他と違うことをやることを避け、同じような思考の中で、同じようなことをやり続け、挙句の果ては低価格化か、高コストをかけてもコスト回収をできないか、という悪循環の中にいます。
ぜひ、ブルー・オーシャン・マインドで競争なんて関係のない、オンリーワンの世界を目指しましょう。
戦略を考えるにあたって重要なことは『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。
その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。
違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。
掲載日:2019年6月19日 |カテゴリー:マーケティング
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