前回まで戦略論について15回に渡って掲載しましたが、少しはお役に立ったでしょうか。
さて、今回からはマーケティング的な戦術論をご紹介していきます。
現代は少子高齢化や生活水準の向上に伴う社会の成熟化などの影響で、企業経営において
ますます『顧客満足度』が問われています。
それを向上させていくためにも「従業員のモチベーションアップ」が重要となっています。
しかし他方で「なかなか人が採用できない」「採用してもすぐ辞める」「これから活躍して
もらえると思っていたら辞められてしまった」などの声をよくお聞きします。
これでは顧客満足度を向上させるどころの状況ではありません。
では、どうすれば従業員のモチベーションを高めることができ、全社一丸となった顧客満足を向上させる組織体制が構築できるのでしょうか?
そんな悩みにヒントを与えてくれそうなのが今回紹介する『ハーズバーグ要因理論』です。
ヒトが仕事をするときに感じる「不満」と「満足」について研究したのが、アメリカの心理学者ハーズバーグ博士です。
ハーズバーグ博士は「不満の反対は満足ではない!」といいます。
どういうことでしょうか?
▶不満の反対とは、仕事自体に不満はない。だけれども、満足しているわけではない状況
だといいます。
▶満足の反対とは、仕事に満足していない。が、仕事自体に不満があるというわけでは
ないということです。
つまり、不満と満足は対義語ではなく、異質なものだということです。
不満の要因は、実は仕事自体にあるのではなく、仕事を取り巻く環境にあるわけです。
不満を高める要因を『衛生要因』といいます。
衛生要因とは仕事を取り巻く環境のことで、例えば、会社の方針、職場環境、あるいは給与
水準、対人関係などのことを指します。
たとえば、会社の方針が理解できない、おかしんじゃないの、納得できないよ。
たとえば、上司との関係が良くない、信頼できない、認められない。
たとえば、労働条件が悪い、職場環境が悪い、給与水準に不満がある。 などです。
中小企業・小規模企業の場合は、財政的な問題から、労働条件や職場環境、給与水準などに弱いところがあります。
そんな状況のもとで「いい人材を採用したい」と願っても、そのような自己都合的なことばかり考えていては無理というものです。
財政的な面は弱いわけですから、なおさら、もっと従業員の人生を預かっているという認識
と強く持って、従業員が人生をかけて仕事ができる環境をつくることが大切です。
そこで、満足度を高める『動機付け要因』というものが大切です。
動機付け要因とは、「やったー!」という達成感、「やった仕事を認められた」という自己
体験、「やりがい」という自負心、客観的な自己成長や昇進などのことです。
その底辺に流れている共通のものは、褒めるとか、認めるという意識、関心です。
あなたは従業員を褒めたことはありますか?
従業員を大したものだと認めたことはありますか?
そしてその証として、褒賞や昇進・昇給などを公明正大にやっていますか?
衛生要因を高めれば、満足度を高められるというものではありません。
衛生要因の解決と、満足度を高める動機付け要因とは別物であるということを認識しなくてはなりません。
従業員満足度を高めるには、まずコミュニケーションにあり、そのうえで良いところを褒める、感心したことを認める、悪いところは指導するという日常が大切です。
このことは経営者にはもちろん求められますが、経営者以外の役職社員にも求められることです。
マーケティングは企業と企業の間のこと、企業と顧客の間のことだけでなく、経営マネジメントの仕方などについても多くの理論があります。それがマーケティングは企業活動全般に関する理論と言われるゆえんです。
時代の進展とともに社会は非常に複雑化しており、中小企業経営といえどもこれからはマーケティング戦略をもって挑むことが大切です。
ぜひ、自分なりにマーケティング戦略を経営に生かしていこうとする意欲が大切だと思われます。
常に革新し、永続的に続く企業経営を目指したいものです。
戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。
その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。
違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。
掲載日:2019年5月29日 |カテゴリー:マーケティング
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