これまで14回に渡って、さまざまな『経営戦略論』をご紹介してきましたが、
参考になったでしょうか。
今回はその最後として、これまでご紹介した『経営戦略論』をそれぞれ端的にまとめ、
皆さんの参考に供したいと思います。
そして詳しくは、それぞれの項を再度見ていただきたいと思います。
『アンゾフの成長マトリクス』とも呼ばれる、オーソドックスな事業成長戦略論です。
市場浸透、新商品開発、新市場開拓、多角化の順で、事業の成長戦略を考えます。
ポーターが提唱した競合する企業に勝つための戦略論です。
中小・小規模は、差別化戦略か集中戦略で競い合うべきであって、価格だけで勝負をしては
ならないと厳しく言っています。
ブルーオーシャンとは誰もいない美しい青い海をイメージし、既知概念を外して、競合が
いない市場で事業を展開するという考えです。
知識ではなく、知恵を出し、新しい顧客価値を創造する『知価経営』と言えます。
英国のエンジニアであるランチェスターの空中戦術をもとに考えられた、日本発の経営戦略
論です。
弱者の戦略として、差別化、一点集中、局地(ニッチ)化、接近戦、陽動作戦が大事だと
言います。
ビジョナリー理論とは、百年以上経営を続けてなおかつ成長し続けている卓越企業に学ぶ
経営理論です。
そこには卓越したアイデアもカリスマ経営者も要らないと言います。
大切なことは突き詰めること、挑戦すること、スピードです。
同業者を圧倒する経営、マネができない経営を目指す戦略論です。
そのためには過去(既成概念)を忘れ、未来を明確にイメージし、戦略的な設計図を描けと
言っています。
争わないで勝つ経営、新しい顧客価値創造の経営を提案しています。
そのためには、ありがちなニーズに対して誰でもできることではなく、
「顧客もまだ気づいていないシーズに対して自社ならできる」を考えろと言っています。
事業を成功させる真因と教える経営戦略です。
その真因は、ともかく始める、二兎も追え、行動する、思考停止させず、常に学び、
常に変わることを勧めています。
ご存知、ドラッカーの戦略論です。
企業の目的は「顧客の創造だ」と定義し、そのためにはマーケティングとイノベーションが
大事だと言います。
商品・サービスの普及促進活動で、どうしてもぶつかる壁、深い溝、それをキャズムと言い
ます。
それを乗り越えるためには、アーリーアダプタ―(初期採用者)をいかに早く掴むかが大切だ
と教えます。
GEの元CEOジャックウェルチが提唱する「勝利する経営」です。
原理原則は、経営理念と行動規範、すなおさ、選別、発言権と尊厳だと言います。
プロとしての経営者なら「自分を犠牲にする覚悟を持て」と強く言います。
経営に必要なことは、実務であり、成果であり、リアリストであり、人間相手だということ
です。
自利利他の実践とも言えます。
最強の組織とは、やる気を醸し出す経営だと言います。
そのためにはラーニングオーガニゼーションを目指し、チーム学習を促し、共有ビジョンを
話し込み、浸透させなければならない。
企業を永続させるためには、持続的イノベーションでは結局、「強み伝いの経営」に力を
入れることになるので、破壊的イノベーションでそれを否定しなけれならないと言います。
そこでそのためには、破壊的イノベーションは別組織で追及すべきだと教えます。
戦略にはこのようにさまざまなものがありますが、何も覚える必要はありません。
このようなものがあったと記憶さえしておけば、自分の引出として、何かの折にひかかった
場合に、引き出せるようにしておけばいいだけです。
時代の進展とともに社会は複雑化しており、中小企業経営といえども、これからの経営には
戦略をもって挑むことが大切です。
ぜひ、自分なりにマーケティング戦略を経営の中に生かして経営をしていこうとする意欲が
大切なのではないのでしょうか。
常に革新し、永続的に続く企業経営を目指したいものです。
戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。
その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。
違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。
掲載日:2019年5月22日 |カテゴリー:マーケティング
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