図解 事業戦略策定の方法 26

戦略論の第12回は「プロフェッショナル・マネジャ」です。

著者のハロルド・ジェニーンは、1960年代当時、アメリカ国際電話電信会社ITTで、

58四半期連続増益を記録した辣腕経営者です。

『プロフェッショナル・マネジャ』は、経営に対して強い「信念」と卓越した「実績」を

持っているジェニーンの経営者に対する強烈なメッセージです。

したがってこの『プロフェッショナル・マネージャ』は、経営者にとって「必読の書」とも

言われています。

では、その考え方をご紹介しましょう。

 

1 プロフェッショナル・マネージャ -経営者は自分を犠牲にする覚悟があるのか!-

文字どおり、プロの企業経営者として、「経営者は自分を犠牲にしてでも経営責任を負わねばならない」と強く問い掛けしています。

 

2 経営は芸術・センスであり、科学や理論ではない

ジェニーンは、経営力とはある部分持って生まれた才能であり「経営者自身の感性や信念に負うところが大きく、決して方程式やマニュアルなどでは経営はできない」と言ってます。

このことはよく言われる「企業はその経営者の器以上に大きくならない」と相通じるところがあります。

たとえば、1970年代入ると『日本的経営』が世界から称賛されるようなったわけですが、それは後付けでそのように言われただけで、「当時の日本企業は日本の文化や時代的背景の中で懸命に努力していたにすぎない」とジェニーンは看破しています。

だから、そもそも『日本的経営論』なんてものはなく、個人の自由と機会の平等という伝統があるアメリカ企業が、真似てもうまく行くはずがないと言いました。

つまり、見よう見まねでは経営はできず、経営とは、自分の能力の範囲内で、経営環境や

他人あるいは社員のせいにしないで、経営者自身が責任を持って判断し、率先垂範していくものだということです。

 

3 経営は成果がすべてである

『プロフェッショナル・マネージャ』の原題は、『マネージング(Managing)』ですが、

「経営とは成果をもたらすこと」であり、マネージャとは「成果を叩き出すことができる

人である」と言っています。

たとえば、本は最初から読み始めて終わりへと進みますが、経営はその逆だと言います。

つまり、終わりから始めて、そこへ到達するために、できる限りのことをすれば、最大の

成果が挙げられるということです。

もし、所定の成果が得られなければ、できる限りにあげた施策に問題があったわけなので、その施策の変更を重ねればよいということです。

つまり、ベストを尽くし、常に、プラン・ドゥ・チェック・アクションというPDCA

マネジメントを回していけば、たとえ思いどおりにならなくとも、その中で最大の成果が

得られ、それが経営者の責任だと言っています。

 

3 経営者は超リアリストであるべきである

超リアリストとは、言い換えれば、現場主義あるいは実務主義ということです。

経営者は会社の奥で引きこもり、参謀本部のごとく、机上で物事の判断や指示あるいは批判ばかりしているのではなく、常に現場へ出て、わかりやすい指示や即断即決の判断をするべきだといいます。

たとえば、流行り言葉のような「起業家精神が大切だ」とか「今こそイノベーションが重要だ」などの浮ついたかけ声というものを戒めています。

他社で成功した事例でも、自分たちの会社あるいは自分たちの仕事の中に落とし込まないと現実の成果にはつながりません。

 

4 ヒトが主役

最後にジェニーンは「人こそが主役である」と温かい情感を示しています。

ここが人を動かす情熱となるカナメというわけです。

ただ単なるリアリストというだけでは、人を動かせる経営者にはなれません。

強い信念と熱い情熱があってこそ、人が動く原動力になるのだということです。

そこで、次のようなことを「経営についての個人的なすすめ」として挙げています。

①本来の自分でないことを振り回さない

                   ☛つまり、カッコをつけるな、おのれを出せ

②事実と同じくらい重要なのは、事実を伝えてくれる人間である

                   ☛つまり、正直な人間、部下を排斥するな

③組織の優秀な人間は、マネージャからの質問を待ち受けている

                   ☛つまり、幹部になる人間には度量が広い

④経営上の核心を突く質問を嫌がるのはインチキな人間に決まっている

                   ☛つまり、耳の痛い話も謙虚に聞け

⑤現場におけるきわどい判断はマネージャがすべきである

                   ☛任せると丸投げをハキ違えるな

このように逆から理解すると、ジェニーンの言わんとするところがよく理解できるのでは

ないのでしょうか。

 

この『プロフェッショナル・マネージャ』は、孤独といわれる企業経営者に、勇気と活気を与えてくれる経営書です。小規模な企業であればあるほど、経営者の重要性は増します。

経営者である社長の経営道を、社員に伝えて、いい会社を作っていきましょう。

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。


掲載日:2019年4月24日 |カテゴリー:マーケティング

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