図解 事業戦略策定の方法 25

戦略論の第11回は、ジャック・ウェルチの「ウィング」です。

ウィニングは、2005年米国ゼネラル・エレクトリック(GE)元CEOジャック・ウェルチによって書かれた書籍です。 ご存知の方も多いのではないのでしょうか。

日本では「勝利の経営」と訳され、その中で経営の第一歩は「現実をよく知ることだ」とウェルチは言っています。

経営者は、客観的にもっと社内のことを知るべきなのかもわかりません。

 

1 4つの原則 -社内組織の根底に流れているもの

勝利する経営を行うためには、社内の根底に流れている「原則」にパワーを与えるべきだと言っています。

原則とは「経営理念と行動規範」、「素直さ」、「選別」、「発言権と尊厳」の4つです。

それらの表現はともかく、その意味するところを紹介します。

(1)経営理念(ミッション)と行動規範(バリュー)

経営理念とは、「自社の事業でどうやって勝とうとしているのか」という問いかけに対する回答です。すぐれた経営理念は、収益を上げるための方向性を明確にし、社員に自分たちはこの大きなやりがいのあることを一緒にめざす一員なのだという気持ちにさせます。

経営理念を作るのは経営者の仕事・責任であり、誰かに委譲して作らせるものではないし、また作らせるべきものでもない、と言っています。

次に、行動規範とは、具体的で、詳細に、明確に記述され、想像の余地がないものにしなくてはならい言っています。行動規範は経営理念をいかにして実践するかということであり、勝利するという目標を達成するための手段であり、言い換えれば、業務命令としてそのまま使えるようなものでなくてはならないと主張します。

行動規範の策定は、経営理念とは違い、全員が発言できる機会を設けて、最終的に多くの人から広く賛同を得られるものにしなければならないと言っています。

問題はそれを確実に実践する担保であり、それは「信賞必罰」が行動規範を浸透させるのだとウェルチは言います。

(2)率直さ

言うべきことを言える組織にしなければいいアイデアや迅速な行動の邪魔となり、さらには優秀な社員が会社に貢献しようとする行動をやめさせることにもつながります。

素直さとは、思ったことが言える組織風土のことです。

言いたいことが言える環境は全員の参画意欲を高め、さらにスピード感を高め、またコスト削減にも結び付きます。

人は本音を話さないほうがラクなので、思うことを話さないものなのかもわかりませんが、

だからこそ、報酬を与えてまで褒めて語り続ける組織を作ることが大切だとウェルチは言います。

(3)選別

会社には限られた資金」と「時間」しかありません。

勝ち組のリーダーは見返りのもっとも高い分野に投資をし、それ以外の損が出るものは切る判断をしなければなりません。

選別とは、人とビジネスを管理する方法であると、ウェルチは言っています。

ビジネスは強いビジネスでない限り、テコ入れするか、撤退するかの判断をし、組織の構成は、トップ層20%、ミドル層70%、ボトム層10%に分類し、トップにはふさわしい待遇を、ミドルはトップに引き上げる育成を、ボトムには辞めてもらうしかないとアメリカン経営らしいことを言っています。

選別は、エネルギッシュで外向きな人とっては有利となるが、内気な内向的な人にとっては有能であっても不利になると割切っています。

(4)発言権と尊厳

発言権と尊厳が会社にとって、全ての人的資源と全ての頭脳を使う方法であるといいます。

発言権とは、国籍や性別・年齢・経歴・役職などにかかわらず、自分の思っていることを

聞いていもらえる機会と権利です。

尊厳とは、人々は人々から敬意をもって接してもらえる権利です。

 

2.部下の成長を導く8つのルール

リーダーになるまでは「成功とは自分自身が成長すること」ですが、リーダになると「成功とは他人を成長させる」ことになります。その部下を成長に導くルールが次の8項目です。

(1)自信を持たせること

チーム成績の向上をめざして、あらゆる機会をとらえてメンバーをコーチし、自信を持たせることが大事です。

(2)経営理念に得心させること

経営理念を覚えさせるとか表面的に理解させるとかだけではなく、部下が共感し、納得し、称賛するまで、経営理念を説明し続けることが大事です。

(3)ポジティブ志向であること

部下のもとに飛び込み、ポジティブなエネルギーと楽天的な志向を吹き込み、常にアグレッシブな状況をつくることです。

(4)信頼を築くこと

素直な態度で部下と接し、部下に対して常に透明性を保ち、部下を信用して、部下との信頼を築くことです。

(5)迎合しない勇気を持つこと

ときには部下から嫌がれるかもわからない決断も下せる勇気や、自分の直感を信じて決断する勇気を持つことも重要です。

(6)激励は照れずにすること

常に好奇心と疑問をもって部下に質問をし、そして励まし、部下が行動で答えられるようになるように仕向けることです。

(7)率先垂範すること

責任は自分がとるという姿勢を堅持し、部下には学ぶことを奨励し、自ら率先垂範することです。

(8)思いっきり誉めること

部下の称賛やお祝いは派手に行うということです。

 

『ウィニング』は「理論」ではなく、ジャック・ウェルチの「経験論」です。

従って、その一つ一つには説得力とあるいは疑問を感じるところもあるかもわかりません。

しかし、その背景も考えわせながら理解に努めると、多くの示唆が得られる経営書です。

ぜひ、自社もウィニングを掴みましょう!

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。


掲載日:2019年4月17日 |カテゴリー:マーケティング

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