図解 事業戦略策定の方法 23

 

戦略論の第9回はピーター・ドラッカーの「マネジメント」です。

『マネジメント』は「経営学の父」と呼ばれるピーター・ドラッカーの著書です。

企業をはじめとするさまざまな組織はマネジメント層の運営によって成果が生み出される。したがって、マネジメントこそが「社会の要である」とドラッカーは言っています。

またそのマネジメントは、実践と行動によって、誰でもが学べるものだとも言っています。

そして社長の最大の仕事は「変化を作り出すことだ」とも言っています。

ぜひ、私たちも実践と行動によって社長のマネジメントを学び、変化を作り出して、明日の世界で活躍できる事業にしていきましょう。

 

1 企業の目的

ドラッカーは、企業の目的は「顧客の創造」と言い切っています。

そのために重要なことが、『マーケティング』と『イノベーション』です。

しかも、ドラッカーがいうマーケティングとイノベーションは、私たちが日ごろ思いこんでいる、そんな大袈裟なものではなく、誰でもが実行できるものです。

(1)マーケティング

マーケティングとは、広告宣伝だけではありません。
また、大企業でないとできないものでもありません。

要は、顧客を理解し、営業をしなくても自然と売れていくような状況を作り出すことを意味するということです。

つまり、「日々、お客さんを念頭に置いて、創意工夫し続けよ」ということです。

(2)イノベーション

イノベーションも単に技術革新だけのことを指すのではなく、自社にとってこれまでやってこなかった変革すべてを指しています。

同じことを続けていれば、どんな事業であっても、やがては廃れていきます。
時代はどんどん変わっているわけですから。

なのに私たちは、なんとなく一日千秋のごとく、同じことをやり続けているのではないのでしょうか?

 

2 自社の事業の定義 

自社の事業定義は「顧客からスタートすべき」とドラッカーは説いています。

①まず、「本当のお客はだれか?」ということを追求する。
 自社のお客の定義は会社が決定すべきことです。

②次に、「そのお客はどこにいるのか?」という問題です。
 会社で決定したお客をさらに明確にします。

③その次には、「そのお客はなにを買うのか?」という問題です。
 それを考えることで逆にお客様に提案することが可能になります。

④最後に、「そのお客は何に価値を感じるのか?」という問題です。
 それを考えることで、取扱商品の魅力度がさらに上がります。

これらはやってみないと正解はわかりません。だから「実践」と「行動」によって学べるとドラッカーは言っています。

 

こんなエピソードをドラッカーは紹介しています・・。

 ある缶製造業の経営者にドラッカーが聞きました「あなたの会社の事業は何ですか?」

 それに対しその経営者は「缶の製造です」と答えました。

 するとドラッカーは、「『容器』の製造ではないのですか?」と聞き返したそうです。

いかがでしょうか?
「缶」の製造と「容器」の製造、事業の定義で事業の幅が違ってくると思われませんか。

 

3 多角化の考え方

ドラッカーによると、多角化(市場拡大)の考え方は2通りしかないといいます。

ひとつは、会社が持っている「共通の市場」をもとに、事業・技術・製品サービス・活動を統合する考え方。

もうひとつは、会社が持っている「共通の技術」をもとに、事業・市場・製品サービス・活動を統合する考え方です。

一般的には、全社の共通の市場をもとに考えたほうが、成功しやすいと言われています。

さらに、イノベーションの着眼点として、次の7つの機会を挙げています。

 ①予期せぬ成功と失敗
 ②ギャップ
 ③ニーズ
 ④産業構造の変化
 ⑤人口構造の変化
 ⑥認識の変化
 ⑦新しい知識

これらの着眼点が、自社にイノベーションをもたらす機会となるというわけです。

 

4 マネジャとトップマネジメントの役割はちがう

当然といえば当然ですが、課長と社長の役割は違います。
そこで、そのポイントを次のように述べています。

(1)マネジャの役割

マネジャとは部下の仕事に責任を持つ者ではなく、組織の成果に責任を持つ者であるということです。権限の前に、責任があるということです。
そこで、マネージャのポイントとして、6点挙げてます。

①問題ではなく、機会に目を向けよう

②人の強みを引き出し、人の弱みを無意味にしよう

③いま必要なことと、将来必要なことのバランスをとろう

④机上の学問より、実践と行動を優先しよう

⑤真摯さ

⑥失敗を恐れない

(2)トップマネジメントの役割

ドラッカーはトップマネジメントの役割として、次の3点を挙げています。

①自社の事業は何であるべきかを考える

②基準と規範を定め、率先垂範する

③組織とその組織風土を作り上げる

それらが「自ら変化を作り出す」ことにつながると言っています。

さらに、計画については、次のようなアドバイスをしています。

①明日、何を行うかではなく、明日のために今日、何を行うかを示す

②過去を廃棄する、決別する

③網羅的ではなく、メリハリをつける

④イノベーションの目標を盛り込む

⑤実行推進責任者と期限、成果の尺度を設定する

 

 

ドラッカーのマネジメントは少し抽象的ではありますが、だからこそ考えさせられるところが多々あります。

私たちは小さな会社ですが、だからこそ、ドラッカーの言うところの「マーケティング」と「イノベーション」を成し遂げれば、飛躍的に変革できると思われませんか!?
マネジメント」は、実践と行動によって誰でもが学べるものなのです。

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。


掲載日:2019年4月3日 |カテゴリー:マーケティング

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