戦略論の第7回目は「バリュー・プロポジション」です。
前回のコア・コンピタンス経営に続き、また聞きなれない言葉ですが、
ぜひ考え方は理解しましょう。 事業に必ずプラスになります。
バリュー(value)とは、価値とか、値打ちという意味です。
プロポジション(proposition)とは、提案とか、主張という意味です。
組み合わせると「価値ある提案」となり、お客さまに価値のある提案をして、
競い合うことなく勝つようにするということです。
具体的には、お客さまが望んでいること、同業者が提供できること、
そして自社が提供できることを考え、その3つが重なり合った安易にできることを
お客さまに提供するのではなく、
自社ならではのこと(価値ある提案)を、お客さまにアピールしようということです。
つまり、お客が望み、同業者はできず、自社ならできる「価値ある提案」ということです。
そこから、バリュー・プロダクションは「争わないで勝つ戦略」とも言われています。
一般的に、お客さまが期待していることに対して、誰でもが提供できることの中で
争うから、”過当競争”というものが生まれることになります。
そこで、このバリュー・プロポジションは、そこを外し、自社だけが提供できることで
勝負に挑もうという考え方です。
したがって、外ではやっていないことをやるので、少し勇気がいる戦略となりますが、
そのポイントは次の3つです。
(1)「顧客の視点」から考える *お客さえ気づいていない価値を見出せれば最高!
(2)顧客ニーズを絞り込む
(3)他社と同じことはやらない
ほとんどの会社は、時間と費用をかけて、同業者と同じことをやっています。
ですから、どうしても過当競争や低価格競争に陥ってしまいます。
このように考えてみると、バリュー・プロポジションはやってみる価値は大いにあると
思いませんか!
家電といえば、大型家電量販店やインターネット通販で買うのが常識になっていますが、
量販店で提供できる価値は、「廉価販売」と豊富な「品揃え」です。
ネット通販で提供できる価値は、「価格」と販売員等の「わずらわしさからの解放」です。
ただ、両方とも、販売量がカギを握っていますので、広い商圏と幅広い顧客層を前提に
成り立っています。
一方、街角にある家電店は、それほどの廉価販売もできず、品揃えも乏しいですが、
しかし、地域「密着型のサービス」ができるという、量販店やネット通販にはない価値を
持っています。
この価値が、狭い商圏とシニア層のうえで成り立っているということです。
シニアが望んでいる価値は、後々のアフターサービスであり、ちょっとしたことでも
気軽に訪問してくれる利便性であり、ものすごい低価格はそれほど望んでいません。
こう観察してみると見事に、「お客さまが望み、量販店やネット通販では実現できない、
地域密着型の家電店だからこそできる『価値』で勝ち残っている」ことがわかります!
どんな仕事や事業にも、このようなことがあるのではないのでしょうか。
バリュー・プロポジションという考え方は、赤字経営が多い中小・小規模企業に対して
大きなヒントを与えてくれます。
私たちは、あまりにも横並びの経営をし過ぎているのではないのでしょうか?
それを「常識」とか「固定観念」といいます。
常識や固定観念という枠の外に出ることによって、初めて「バリュー・プロポジション」は
実現可能となります。
戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。
その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。
違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。
掲載日:2019年3月20日 |カテゴリー:マーケティング
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