戦略論の第5回目は「ビジョナリー理論」です。
ビジョナリー理論とは、95年9月日経BP出版センターから発刊された「ビジョナリー・カンパニー ~時代を超える生存の原則」(ジェームズ・C・コリンズ、ジェリー・I・ポラス著)に収録されている『十二の崩れた神話』のことです。
ビジョナリー理論はいわゆる戦略論ではありませんが、経営環境の変化が激しく、競争も厳しい現代経営において、とても示唆に富んだヒントであり現代の会社経営を継続させていくコツともいえるものです。
ビジョナリー・カンパニー(未来志向企業・先見的企業)は、ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先験的な企業、業界で卓越した企業、そして100年以上続いている企業のことを言っています。
重要なことは「企業は組織の活動である」と看破していることです。
そのことを脳裏において、ぜひ、お読みください。
≪ビジョナリー理論「十二の崩れた神話」より≫
素晴らしいアイデアを持って、短期的な成功を得ることも大切なことですが、より大切な
ことは長いレースで勝つことです。その意味では、素晴らしいアイデアというのはあまり
必要ではなく、もっとほかに必要なことがあると言っています。
カリスマ経営者よりも、長く続く組織をつくる経営をめざすべきだと言っています。
よく「事業の目的は利潤だ」という言い方もされますが、確かに利益は事業にとって重要
な目的ではありますが、しかしそれは経緯に過ぎず、おカネ儲けを超えた基本的価値観の
追求こそが重要な目的だと言っています。
成功企業に共通する基本的価値観や理念はなく、何よりも大切なことは、各企業にとって の「自社の事業目的は何なのか」を突き詰めることだと言っています。
何でもかんでも変えていけばよいというものではなく、やはり、変えてはいけないものも
あるということです。それは基本理念であり、基本理念をしっかり維持することが組織に
変化を与え、環境野変化に適応できる組織に変えていくということです。
石橋を叩いて実現可能な目標ばかり設定していては、組織は惰性的になってしまいます。
ときには社運を賭けるような大胆な目標(BHAG)に挑戦することが社員を引きつけ、
やる気にさせる組織にするということです。
会社の基本理念と合う人にとっては居心地のいい職場となるが、そうでない人にとっては
必ずしもそうではないということです。誰にでもいい顔をして、ポピュリズムに流される
のではなく、会社の理念を守り切るということも大切です。
考えているばかりでなく、ともかくやってみる。その結果から、最善のものが生まれて
くるということです。
根本的な変化と斬新なアイデアは、社内からこそもたらされる。だから人材育成が大切と
いうことです。
競い合うべきは他社ではなく、自社自身であり、つねに自らに勝つことを考え続ける。
だからこそ、改善され続けられるということです。
どちらかをやるという二者択一的な発想ではなく、同時に追求できる(ANDの才能)と
いう発想をすることで、経営にスピード感が出てきます。
先進的な発言を書にしたためたりすることも確かに一歩ではありますが、それよりも大切
なことは、試行錯誤、やってみるということです。
何か感じるものがありましたか?
経営者たるもの、常にピュアな心でいたいものです。
ビジョナリー理論は、アンチテーゼ的な経営論ですが、凄い企業がやっていることは凄い
ことではなく、それぞれが当たり前のことをやり続けているということです。
その底辺には経営者が考え抜いた「経営理念」があり、その経営理念を浸透させるためにも
人材育成に力を入れ、何よりもスピード経営と実行を大切にしているということです。
これならビジョナリー・カンパニーとまでは成れなくとも、私たちも出来そうです。
これまでの慣習や思い込みなどに囚われずに常識という枠の外に出る! そのことがやはり
大切なのではないのでしょうか。
戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。
その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。
違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。
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