図解 事業戦略策定の方法 18

戦略論の第4回目は「ランチェスター戦略」です。

ランチェスター戦略といえば、一度は耳にした方も多いかと思います。

経営戦略の多くは欧米生まれですが、その中でこのランチェスター戦略は、なんと日本生まれなのです。それはともかくとして、ランチェスター戦略は小さな企業が激しい企業間競争の中で勝つ戦略とも言われています。

今回はそのランチェスター戦略について紹介します。

 

1 ランチェスター戦略が教える3つのこと

(1)経営資源が豊富な企業が有利

企業間競争においてはヒト・モノ・カネ・情報が豊富な企業が断然有利となります。

だからこそ小さな企業は「思い込みの打破」「創意工夫」「スピード」などをもった経営が重要だと言われているわけです。

ランチェスター戦略では「資源が少ない企業は局地戦・接近戦・一騎打ちを基本とせよ!」と教えています。

(2)強い企業とはシェア・ナンバーワン企業

ランチェスター戦略では強い企業とは「売上高ナンバーワン企業ではなく、占有率ナンバーワン企業である」と言っています。

ランチェスター戦略では「地元・分野・客層などどんな小さな分野でよいから占有率ナンバーワンを作れ!」と教えています。

(3)ナンバーワン企業以外(中小企業)の基本戦略は差別化

差別化とは、狭い地域で、お客と接触し、競合店を絞ってこれだけは負けないというものを作り、お客の声で勝負しようというようなイメージです。

ランチェスター戦略では「市場戦略は局地戦、顧客戦略は接近戦、競合戦略は1対1の戦い、戦略思考は1点集中主義、コミュニケーションは陽動作戦」と教えています。

 

2 なぜ、シェア・ナンバーワンなのか

現在はいうまでもなく、国内市場は「低成長・市場縮小」の時代に入っています。

したがって私たち中小・小規模企業は、小さな何かでナンバーワンでないと、その存在価値を顧客に示すことができません。そして、そのナンバーワンになるに原理原則が「ランチェスター戦略」なのです。

それが、いま再び、ランチェスター戦略が注目されて来ている理由です。

 

3 差別化戦略とは

(1)局地戦

これはランチェスター差別化戦略「第1の戦略」といわれています。

広い地域ではなく狭い地域で取りかかる。一度にやろうとするのではなく一つずつやる。

そんなイメージです。

強者が手を出せない、”死角”や“ニッチ”を狙う戦略とも言い換えられます。

局地戦とは、限られた経営資源を集中して投下することです!

(2)接近戦

これはランチェスター差別化戦略「第2の戦略」といわれています。
顧客の遠くにいないで、近くにいる。間接販売より直接販売です。
不特定多数より、継続性のあるひいき客、顔のわかる顧客に育成することです。
顧客は個客であり、集団ではなく一人一人です。

その一人一人のお客様と密に付き合う気持ちで接客することがポイントです。
お客様にとっては、自分たち一人ひとりがお客様であり、個客です。

接近戦とは、お客様との親密性強化です!

(3)一騎打ち

これはランチェスター差別化戦略「第3の戦略」といわれています。
一騎打ちとは、1対1の戦いに持っていくということです。

1対1とは「どこの、だれに、なにを」を掘り下げていくことです。
「どこ」とは、細分化した特定の地域です。

例えば、出店は半径1キロ以内に同業者が1店しかない場所を選び、なるべく近い場所に

出店する、などです

「だれ」とは、顧客を絞り込むことです。

例えば、顧客内シェアの高い上得意先を大事にする営業活動をするなどです。

「なに」とは、品数より品目を絞ります。

例えば、品数を多くすると考えるよりも、バリエーションを増やすことを考えます。

つまり、深掘り、特徴を持つということです。

一騎打ちとは、規模の大小を消し去ることです!

(4)一点集中

一点集中とは、地域を絞る、顧客を絞る、商品を絞る、などです。

地域を絞るとは、営業地域を30分以内の地域にするとか、広い場合には核となる顧客を

中心点として集中的にアポイントを取るようにします。

顧客を絞るとは、万人受けを考えず、一つの業種業態に特化するとか、ある客層に集中するとか、です。

商品を絞るとは、売れている商品や流行の商品に絞ります。

一点集中とは、逆説的にいえば、やらないことを決めることです!

(5)陽動作戦

陽動とは、「かく乱」とか、「その気にさせる」ことをいいます。

顧客のプライドをくすぐるとか、口コミを活用するなどが考えられます。

陽動作戦とは、お客様をその気させることです!

 

 

ランチェスター戦略とは、弱者の戦略です。その基本はニッチと差別化です。

「大企業ではできないことをやる!」これがスモール企業にとっての命綱です。

想像すれば、大手と同じことをやっても、勝てないことは容易に察しがつきます。

しかし、現実には、私たちは大手と同じことをやっています。

なぜならそのほうが ”安心” だからです。みんなが歩いている道を行けば”安心”という

心理です。しかしそれでは大手に太刀打ちできません。

これまでの慣習や思い込みなどに囚われずに「常識という枠の外に出る!」、そのことが

やはり大切なのではないのでしょうか。

 

 

 

戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。

私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。

その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。

違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。


掲載日:2019年2月27日 |カテゴリー:マーケティング

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