戦略論の第3回目は「ブルーオーシャン戦略」です。
現代は売上を増やすことが、非常に難しい時代となっています。なぜなら、もうすでにいろいろなモノは溢れるようにあるのに、少子高齢化で市場自体も縮小し始めており、さらに長寿化社会によって将来に不安を感じる人が多く、消費もどちらかといえば慎重になっているからです。 非常に複雑な、成熟した社会状況となっています。
そこで注目を浴びているのが、この「ブルーオーシャン戦略」です。
「ブルーオーシャン」は、欧州経営大学院教授のW・チャン・キム博士とレネ・モボルニュ博士によるビジネスモデルですが、中小経営にとって一番重要ともいえる、『価値革新の考え方』が述べられているからです。
価値改革とは「自社の顧客にこれまで提供できていなかった新しい価値を創造し提供する」という、いま一番必要なことです。
値引きや続けられない過剰サービスによるこれまでの経営を、ブルーオーシャンの対極としてレッドオーシャンと言っています。ブルーオーシャンはそのような考え方を否定することから始まります。 こんな思い込みは、皆さんにないですか。
当社の製品はこれだけだ・・!
お客様の望んでいることはこれだけだ・・!
こんなことはとても出来ない、無理だ・・! など、など
これらはすべて既成観念であり、これまでの単なる経験に基づく固定概念に過ぎません。
実はそのすぐ隣に、他社とは一線を引ける『ブルーオーシャン』があるのです。
ブルーオーシャンでは、「良い戦略」と「悪い戦略」の特徴を次のように紹介しています。
《良い戦略の特徴》 《悪い戦略の特徴》
・メリハリがある ・続けられない、利益が出ない過剰奉仕
・独自性がある ・一貫性の欠如
・訴求力のあるキャッチフレーズがある ・顧客が理解できない業界内の言葉使い
そこで、すぐ隣にあるブルーオーシャンに気づく発想方法を次のように紹介しています。
①代替産業を観察し、お客の本当のニーズに気づく
②同業者で異なる市場に挑戦している企業に学び、従来とは異なる切り口に気づく
③お客(購入者・利用者・影響者)のことを、こと細かく観察する
④補完材や補完サービスを研究する
⑤機能(製品や商品)志向と感性(見た目)志向の切り替えを考える
⑥将来を想像してみる
このような視点でビジネス現場を見直すと、新たな発想が生まれるかもわかりません。
大切なことは「なるほど」と頭で理解するのではなく「よし、やってみよう」とトライすることです。
どんな素晴らしい戦略を立てても、実行しなければ意味がありません。実行しなければ意味はないのです。 実行をさせない「障害・ハードル」というものがあります。
①意識のハードル ☞そんなことは・・ 「考えてもできないよな」
②経営資源のハードル ☞うちは無理だよ・・ 「おカネも人手もないし」
③士気のハードル ☞うちにはそんな社員は・・ 「一番は自分なのに」
④抵抗・政治的ハードル ☞今のお客になんて言われるか・・「まだ一度も説明すらして いないのに」
新しいこと、いままで取り組んでいないこと、に抵抗があるのはあたりまえです。
多くの事業者はそこで立ち止まり、ただ考えただけでやってもいないのに、脳はやったつもりに記憶させてしまいます。
戦略を実行する本質は「従業員とのコミットメント」です。
確かに社長にしかできないことはあります。一方、社長だけではできないことはもっと多くあります。
そのために社員とコミットメントをして、全社一丸体制を構築しなければなりません。
そうした「全社一丸体制」を構築するためには、次の公正なプロセスが必要です。
①関与 ☞社員一人一人が意見を言えること
②説明 ☞経営者の狙いや目的が説明されていること
③期待 ☞目標や成果が明示されていること
④報奨 ☞達成したならどうなるか、示されていること
⑤信頼 ☞経営に対する信頼と従業員に対する信頼があること
こう考えると、ブルーオーシャン実行の難しさは「当たり前のことをやり抜く難しさ」ともいえます。
ブルーオーシャン戦略とは、これまでの業界慣習や思い込みなどに囚われずに、これまでの常識という枠の外に出ることによって、初めて実現できます。
「こんなことは大企業だけが‥」とか、「とても私には‥」など、すでに感じている方は、それが思い込みであり、従来の常識の枠の中に留まっていることに気付きましょう。
ときには、逆から見ることも重要です。
なぜならブルーオーシャンは「技術革新」ではなく、「価値革新」だからです。
戦略を考えるにあたって重要なことは、『思い込み』なるものを打ち破ることです。
私たちは思いのほか、思い込みに囚われて、生活や仕事をしています。
その結果が「いま」であることを忘れてはいけないと思います。
違う結果を得たいと思うのであれば、『思い込み』を打ち破るしかありません。
掲載日:2019年2月20日 |カテゴリー:マーケティング
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