今回は「戦略ドメイン」(戦略的事業領域)のケーススタディを紹介しましょう。
事業領域設定のトップランナーは何といってもディズニーです。日本でも1985年開業以来30年が過ぎていますが、その集客に衰えを見せていません。そこには、何か卓越したものがあるはずです。
そこで今回は「ディスニー戦略ドメインの『7つの法則』」から学びましょう。
1 顧客が比べるすべての企業が競争相手
私たちが抱く「不満」について考えてみましょう。
私たちがある会社や商店のサービスに対して不満を感じるとき、何と比較して不満を感じているのでしょうか?
例えば、スーパーマーケットに行って不満を感じた場合、他のスーパーと比較して、不満に感じているのでしょうか。そんなときもあるかもわかりませんが、多くの場合はそんなことありませんね。今まで受けてきたサービスを基準に「ここのサービスは悪いな」と感じているわけです。ディズニーはそのことを指摘しています。
顧客がこれまで受けてきたサービスすべてが、企業として注意を払わなくてならないサービスの本質だということです。
2 細部にこだわる
そのカナメが「チョットしたこと」ひとつひとつです。このチョットしたことが大きな差となります。だから細部にこだわるということです。
3 全ての人が、語りかけ、歩み寄る
ディズニーではお客様を「ゲスト」と呼び、従業員を「キャスト」と呼んでいます。そうなんです、従業員は全員、ゲストに対する「演者」ということです。
だからキャストはゲストの方の困った様子に気づくと、必ず作業の手を止めて、すぐに声をかけます。それが「全ての人が語りかけ、歩み寄る」という精神です。
すばらしいホスピタリティ精神ですね。
4 全ての物が、語りかけ、歩み寄る
ホスピタリティを発揮するのは、決してヒトだけではありません。そこにあるすべての物もそうです。例えば、素晴らしいレストランで食事をしていて、トイレへ行ったとします。
その途中でちょっと厨房が覗けて、食材が粗雑(ぞんざい)に置いてあるところが見えてしまったり、足元に使用済みのおしぼりなどが置いてあったりした経験はないでしょうか。
せっかくステキな時間であったのに、すべてが台無しです。
5 耳が痛いほど顧客の声はよく聞こえる
一般企業でも努力しているところは顧客調査やお客様カードなどを実施して、お客様の声を聞き取ろうとしています。もちろん、ディスニーでも同じことをしていますが、少し違うところは、それに加えて現場のキャストの自主的判断でゲストに喜んでもらえる行動を取ることを積極的に推し進めているところです。
この自主的判断を奨励していることころが、ディスニーのホスピタリティをさらに高めています。そのお客様とって「次の機会から」では永遠に訪れないかもわかりません。チャンスは一回です。そのチャンスを逃さないところにディズニーの凄さがあります。
6 報い、認め、讃える
これらのホスピタリティをキャストに持続させる仕組みはここにあります。たいそうに表現すれば「人事評価制度」です。
でも、そんなたいそうに考えるのではなく、良いことをすれば、褒賞し、みんなに発表し、全員で讃えるという、シンプルな仕組みです。
7 誰もがキーパンソン
どんな職種でも会社にとっては大事な人材であるということです。
そして役員も一般キャストも、役職に違いはあれど、ヒトとしては同じです。
それがディズニーにおいては評価制度として組み込まれていて、ディズニーと他企業の最も違う点だといわれています。
『ディズニーの7つの法則』は一つ一つ見ればそんなに凄いことはないかもしれません。しかし、これらを取り入れるだけで、仕事に対する成果やモチベーションが変わってくると思われませんか? 明日からでもできることが、じつは『ディズニーの7つの法則』の正体です。
これらを実践されれば、きっとあなたの会社も良くなり、良くなれば強くなり、強くなれば掴むチャンスも多くなると思います。 いかがですか?
掲載日:2018年11月7日 |カテゴリー:マーケティング
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