現代は売上を増やすことが大変難しい時代となっています。
いろいろなモノが溢れ、さまざまな種類も存在し、そのうえ市場は高齢少子化し、人口それ自体も減少し始めているからです。
さらに、将来に対する不安感から消費は減退化しており、かつ多様化し、経済格差も顕在化し出しています。 非常に複雑な社会状況となっています。
ですから「頑張る」とか「まじめに働く」だけでは、思いどおりに売上は増えなくなっています。
そこで、従来からの企業経営に「何か」を加えなければなりません。
それは経営の工夫であり、販売の工夫です。そのことを『経営戦略』とか、『販売戦略』と呼んでいます。
このことは、中小企業や小規模企業ほど、強く求められています。
そこでこれから、『マーケット戦略』というテーマのもと、いろいろな収益拡大の考え方をご紹介し、小さなビジネス企業の売上高拡大のヒントに供したいと思います。
ブルーオーシャン戦略とは欧州経営大学院教授のW・チャン・キム博士とレネ・モボルニュ博士が著したビジネスモデルです。
ブルーオーシャン戦略には、中小企業経営に一番重要ともいえる、『価値革新』の考え方が述べられています。
価値改革とは、自社の顧客にこれまで提供できていなかった「新しい価値」を創造して提供することです。これができないと、思ったように新しい顧客を獲得することができません。
新しい顧客を獲得できなければ、それは事業の終焉を意味します。
いまもっとも大事なことは「企業が新しい顧客を獲得・創造することができるか、否か?」ということです。
<ブルーオーシャン戦略のフレームワーク>
値引き合戦や過剰で続けられない顧客サービスなどによる経営を、ブルーオーシャンの対極として『レッドオーシャン』と表現しています。
レッドオーシャンは、いま多くの中小企業が取り組んでいる経営モデルともいえます。
ブルーオーシャンは、そのような考え方を否定することから始まっています。
たとえば、次のような「市場に対する思い込みはないだろうか?」ということです。
当社の製品はこれだけだ・・!
お客様の望んでいることはこれだけだ・・!
こんなことはとても出来ない、無理だ・・! などなど
これらはすべて固定観念であり、これまでの単なる経験に基づく「既成概念」にすぎないというわけです。
実はそのすぐ隣に、他社とは一線を引ける『ブルーオーシャン』があるという考え方です。
現代はボーダレスな国際社会です。
多くの企業が「日本で成功したからアジアでも成功するはずだ」と思い込み、そのまま海外進出してうまく行かなかった事例は多くあります。
そこでホンの少し発想を変え、手持ち製品の見方や組合せを変えて、大成功を収めたユニ・チャームの話は周知のところです。
ブルーオーシャン・モデルでは、「良い戦略」と「悪い戦略」の特徴を次のように紹介しています。
《良い戦略の特徴》 《悪い戦略の特徴》
①メリハリがある ①続けられない、利益が出ない過剰奉仕
②独自性がある ②一貫性の欠如
③訴求力のあるキャッチフレーズがある ③顧客が理解できない業界内の言葉使い
《すぐとなりにあるブルーオーシャンに気づく発想方法》
①代替産業に学び、顧客の本当のニーズに気づく
②同業者で異なる市場にチャレンジしている企業に学び、従来とは異なる切り口に気づく
③お客様(購入者・利用者・影響者)をこと細かく観察する
④補完材・補完サービスを研究する
⑤機能志向(製品・商品)と感性志向(見た目)の切り替えを考えてみる
⑥将来を予想してみる
このような視点で現状を見つめ直すと、新たな発想が生まれるかも!と思いませんか。
一番大切なことは、「なるほどね」と頭で理解するだけでなく、「よし、考えてみよう」と
トライすることです。
どんなすごい戦略を立てても、実行しなければ意味がありません。
そう、実行に移さなければ、意味はない!のです。
《実行をさせない障害・ハードル》
①意識のハードル ☞そんなことは・・(考えてもできないよな)
②経営資源のハードル ☞うちには無理だよ・・(資金も人材もないし)
③士気のハードル ☞うちにはそんな社員はいないよ・・(一番は自分なのにね)
④抵抗・政治的ハードル ☞お客さんになんて言われるか・・(まだ一度も説明もすら
していないのに)
新しいこと、今まで取り組んでいないこと、に抵抗があるのは当たり前です。
多くの企業はそこで立ち止まり、ただ考えただけでやってもいないのに、脳はやったつもりに記憶させてしまいます。
こうしたハードルを乗り越えることを『ティッピング・ポイント・リーダーシップ』といいます。一定数を超える人が信念を抱き続ければその考えは組織に浸透するということです。
経営者は拡散ではなく、集中を考えるリーダーでなくてはならりません。
戦略実行の本質は、従業員とのコミットメントです。
確かに経営者にしかできないこともありますが、一方、経営者だけでは何もできないことは数多くあります。そのためには従業員とコミットメントし、全社一丸体制を構築することが必要です。
そうした「全社一丸体制」を構築するためには、次のような公正なプロセスが必要です。
《公正なプロセス(当たり前のこと)》
①関与 ☞従業員一人一人が意見が言える機会があること
②説明 ☞経営者の狙いや目的が説明されていること
③期待 ☞目標や成果が明示されていること
④報奨 ☞達成したならどうなるか、示されていること
⑤信頼 ☞経営に対する信頼と従業員に対する信頼があること
ブルーオーシャン実行の難しさは、当たり前のことをやり抜く難しさともいえます。
ブルーオーシャンの戦略ツールについて説明します。
ブルーオーシャンはこれまでの業界慣習や思い込みなどに囚われずにこれまでの常識という枠の外に出ることによって初めて実現できます。
「こんなことは大企業だけが可能だ」「とても私には無理だ」などなど、すでに思っている方、それが思い込みであり、従来の常識という枠の中に留まっていることを示しています。
ときには逆から見ることも重要なのではないのでしょうか?
なぜなら、ブルーオーシャン戦略は技術革新ではなく価値革新なのですから。
掲載日:2018年6月27日 |カテゴリー:マーケティング, 組織風土, 経営技術
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