Merketing Experience Curve効果

Experience curve effect(経験曲線効果)

経験曲線効果とは、ボストン・コンサルティング・グループが1966年に発表した
コンセプトです。

経験と効率との間の関係を示す経験則であり、「同じ製品を生産したり同じ業務を
こなすと、その経験の蓄積が総コストに差が生まれる」ということです。
一般的に個人や組織は特定の課題について経験を積むことで、より効率的に
その課題をこなせるようになります。
また、累積生産量の増加に伴って、製品数量ごとの間接費を含めた総コストが
予測可能な一定の割合で低下していきます。
単に『経験効果』と呼ばれることもあり、また「学習効果」もほぼ同意語です。

 

   <経験曲線効果のイメージ図>
経験曲線効果

 

1 経験曲線効果とは

(1)生産量が多ければ多いほどコストは下がる

市場占有率が非常に高い製品は生産数の伸びも大きいため、この経験効果を生みやすくなり
他の企業に比べて、低いコストでの生産が可能となって、市場での優位性を維持するための
大きなメリットとなります。
この一連の考え方がPPMの前提ともなっています。

(2)経験曲線効果は生産の場面ばかりではない

このことは何も生産の場面だけに限らず、技術や営業や事務などすべてに当てはまります。
したがって、人材に関する内部分析を行なう場合、人材の『経験曲線』を推し量ることは
重要です。それが「適材適所」を生むことになります。

(3)マイナスの経験曲線効果もある

この『経験曲線』はプラスばかりではなくマイナスにも働き、邪魔をする場合もあります。
一番多くそれが現れるのが、変革時における「抵抗」です。

変革に対する抵抗は、特に経験効果が豊かな人材ほど強く示します。
また事務改善などの場合は、必ず変更時点では経験曲線効果が高いほど、大きな生産性の
低下を招く恐れがありますが、しかし、それを恐れていては事務改善はできません。

これらの話では、経験曲線効果が豊かな人材ほど改革・改善の必要性に鈍感になり、
また不慣れによる一時的な生産性の低下の恐れも敏感に感じますので、
結果的に組織風土が保守的に硬直化します。
したがって現場の力があまりに強いと、それが抵抗となって
改善が全く進まなくなります。

自社の『経営曲線』を生かすも殺すも経営者のリーダシップに負うところが大きく、
どのような『効果』は生むかは、経営者の手腕と強いリーダーシップにかかっています。

 

2 経験曲線効果の主な発生要因

(1)作業者の習熟度

作業者が特定の作業を繰り返すと、作業のコツを掴んで、効率的に作業を行うことができるようになります。何事も、“初めて”行うことよりも”何度も”行う方が、効率的に行えます。それによって『経験曲線効果』が発生します。

したがって、自信や技術力は”付くもの”ではなく、経験によって”付けるもの”であることを忘れないようにしたいものです。

(2)作業方法の標準化

繰り返しの作業であれば、作業方法を標準化、マニュアル化することができます。
それによって作業が標準化され迷いがなくなり、より効率的な作業が可能となり、
歩留率も向上し、『経験曲線効果』が発生します。

しかし、思考省略化の傾向ともなりますので、一方では気をつけたいものです。

 

3 規模の経済と経験曲線効果の違い

「規模の経済」とは、生産規模の拡大により、単位当たりの生産コストが低くなることを
いいます。
それに対して「経験曲線効果」は、生産コストが低くなる点で同じですが、
その要因が「累積生産量」という積み上げられたものです。
生産規模という「スケールの大きさ」と、累積生産量の「経験の積み上げ」という違いが
あります。

 

これら『経験曲線効果』によって、自社が採択できる戦略の幅が違ってきますので、
企業の営業現場や生産現場にとって『経験曲線効果』は大変重要です。
研修や教育も確かに大切ですが、さらにそれらを体験させることが大切です。
現代は人材の早期戦力化が重要ですが、それには経験を積み重ねて『経験曲線効果』を得ることが重要です。
古人曰く「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」と
いう言葉がありますが、この言葉には人材育成のヒントが凝縮されているのではないのでしょうか。


掲載日:2018年5月16日 |カテゴリー:マーケティング, 経営技術

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