中小企業の収益拡大(1) 拡大の基本

今回から一般的に一番興味が高い「収益拡大の考え方」について、紹介していきます。
その第1回は『収益拡大の基本』です。

第1回 収益拡大の基本

 

1 収益とは
 収益とは、「収入」と「利益」のことです。

 収入とは会計的に説明しますと「売上高」と「営業外収益」のことを指します。
しかし通常、営業外収益は利息や何某らの手数料程度のことですので、「収入=売上高」と考えて差し支えないと思います。よって、収入とは売上高のことです。

 一方、利益とは内部留保の元である「当期純利益」のことですが、当期純利益になるまでに「税引前当期純利益」「経常利益」「営業利益」「売上総利益」の4段階を経てきます。
その中でもっとも重要なのは、「営業利益」と「売上総利益」です。

 営業利益は「本業ベースの利益」と言われますが、私たちの仕事が世の中に役立つものであるならば必ず+になる筈ですし、またそうマネジメント(経営)しなければなりません。

 売上総利益とは「私たちの事業の付加価値」とでも言えるものです。商品や材料を仕入れ自社で価値づけして販売するわけですから、そう呼ばれます。これは販売費や管理費そして営業利益のもとですので、やはり大変重要です。

 

2 収益拡大の意味
 収益拡大と言えば一般的に「売上を増やすこと」と思われがちですが、それは誤解です。

収益拡大の本当の意味は「収入を増やして利益を増やす」ことですから、端的に言えば、「利益を増やすこと」です。
ここのところを経営者あるいは幹部の方はよく理解しておきましょう。

 ですから極端に言えば、利益さえ増えれば、売上は増えなくともいいということです。
ただ売上は「器」にあたりますから、当初は器を大きくしなくとも利益を増やすことは可能ですが、いずれは手詰まりとなります。ですから、やはり売上は少しでも増やして行かなくてはなりません。

 但し、現状、赤字である企業がいきなりそれを打開するために売上を増やそうと考えられますが、それは多くの場合「間違い」です。
何故なら、いまの事業体質(カッコよくいえば自社のビジネスモデル)が赤字体質なのに、そのままで売上拡大志向に向かっても、まずほとんどの場合、まずます赤字の沼に嵌り込んでいきます。赤字体質の原因が収益構造にあるのか、人にあるのかわかりませんが、まずはそこを改善しないと、売上拡大で赤字改善はできません。

 

3 そもそも黒字経営が普通の事業モデル
 いま中小企業において、3社に2社が赤字経営と言われていますが、「そもそもそれがおかしい」と思わなくてならないのではないかと思います。

なぜなら、自分で商売をするにあたって「黒字にさせる」と改めて考えるまでもなく、ごく普通に思って多くの事業者は事業を始められたのではないのでしょうか。
そうであれば、たとえ経済環境がどうであっても、経済環境を言い訳にせず自助努力をされていたなら、今のような3社に2社が赤字という異常な状況にはならなかったと思います。

 いつしか商売は(特に中小企業においては)厳しいものということがあまりにも普通になり過ぎているのではないのでしょうか。
もしそうでないなら、赤字決算になった時点でそれなりに打ち手を講じ、経営改善にあたって来たと思われます。

 本来の事業の流れを図示すると次のようになります。

180204 事業の流れ 

開業するにあたって自己資金や銀行融資によって資金調達を行い(1)、その資金で必要な資財を購入し(2)、そして営業を始める(①)。その結果、利益を確保し(②)、それを元手に(③)次期の必要な資財を購入し(④)、第2期の営業をする。
 ところが(②)で利益を確保できないと(③)の資金調達ができないので他人資本(銀行借入れ)に頼って資金調達するしかなく、赤字体質の上に、あらたな金利負担と借入返済を背負い『経営の悪循環』にはまっていくことになります。 
 これが現在の3分の2の中小企業像です。

 

このようなことを基本において、これから収益拡大の基本を考えていきましょう。


掲載日:2018年2月7日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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