380万中小企業の「試算表」読み方⑭

第14回 P/L損益計算書「損益」の読み方・見方

 

 損益計算書は営業活動の成果を示します。営業活動の成果・目的は「売上高」ではなく

「利益」です。まず、このことをあらためて全社で押さえておきたいところです。

大切なのは「売上」ではなく「利益」ということです。

さらに利益を画餅ではなく食べられる餅にするには、売上債権の回収をしなければ

なりません。したがって、営業は売って終わりではなく、回収して終わりなのです。

このことも全社で押さえておきたいところです。

さて、利益そのものは売上が増えなくとも、原価を抑えたり経費を削減することによって、

増やすことができます。従って、簡単に利益を増やす方法はまず費用を減らすことです。

しかし費用を減らすことには限界がありますので、次の課題が売上高アップということに

なります。今回はそんな損益計算書のベーシックな読み方を紹介します。

 

1 対比で見る

 損益計算書の読み方の基本は「対比」です。

 対比には 前年累計対比、前年同月対比、累計予算対比、単月予算対比 があります。

 中でも基本は、前年同月対比と単月予算対比です。

 業績を管理するためは近視眼的管理の積み上げが重要です。

 近視眼的に問題なければ、それを続ければ結果はついて来るからです。

 その考え方が「PDCAマネジメント」にも当てはまります。

 PDCAと言えば「月次」と思い込んでいる方が多くおられますが、

 着実に計画達成をしようと考えるならば、その期間を短くして、チェックとアクションを

 繰り返していくことです。

 そうすれば、実績を計画にドンドン近づけることができます。

 前年対比に一般的な判断基準はありませんが、現在の情勢から判断すれば、

 売上高に関しては次のように言えるかと思います。

  対前年比:~10%超 超優秀、10%~5%超 優秀、5%~1%超 普通、

       1%~-5%超 問題、ー5%~ 改善是正    

 

2 構成比で見る

 構成比とは、売上高を100%として、売上原価や売上総利益、販管費、営業利益などを

 見るということです。言い換えれば「自社の収益構造」を見るということです。

 経営計画と言えば、つい数値だけを重要視しがちですが、実はその数値は「収益構造改善

 の意思決定」を表しているのです。

 今年は昨年より売上総利益率を5%改善するとか、経費率を6%削減するなどの意思決定

 なのです。

 目標管理において売上高くらいは数字で頭に入りますが、その他はなかなか頭に入らない

 ものです。そこで目標売上原価率とか、目標経費率、あるいは目標経費削減率、目標営業

 利益率などに置き換えれば、意外と頭に入り、抑制力とか統制力に結び付きます。

 なお、売上原価率や売上総利益率は業種特性がありますので、企業全体に共通の判断基準

 値というものはありませんが、営業利益率においては業種特殊性が排除されますので、

 判断基準があります。

 営業利益率おける一般的な判断基準:~15%超 超優秀、15%~10%超 優秀、

           10%~5%超 普通、5%~0%超 問題、0%~ 改善是正

 

 

 このように損益計算書が月次試算表から読めるようになると、営業活動上の問題点がいろ

いろと思い浮かんで来るようになります。それは大変大切なことで、あれっ?と思ったこと

はすぐ確認し、対策を考え、そして実行してみることです。

 なかなかすぐには改善できないかもわかりませんが、そのような改善試行を繰り返すこと

が、あなたの会社をインプルーブ(良く)していきます。

 このように月次試算表を毎日の経営に活かすことが、皆さんの会社の黒字経営と強い会社

つくりを実現させます。


掲載日:2017年11月1日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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