380万中小企業の「試算表」読み方⑬

第13回 P/L損益計算書「損益」の読み方・見方

損益計算書は多くの方にとって貸借対照表とは違い、大変馴染みのある会計資料です。

既にその読み方もご存知の方も多いとは思いますが、簡単に損益計算書を上から順番に

見て行きましょう。

 

1 売上高

「売上高」とは資金の源泉、おおもとです。

だから仕訳は右側に記入し、左側にはその運用である現金とか売掛金が来ます。

売上の一般的な仕訳  ・現金売上の場合  現 金 XXX円 / 売上高 XXX円

           ・掛売上の場合   売掛金 XXX円 / 売上高 XXX円

いくらデフレ、不景気といっても、毎年少しずつでも人件費は上がり、費用の値段も上がり

ます。したがって、売上高は毎年少しでも増収させなければなりません。

それともう一つ大切なことがあります。

売上高は確かに資金の源泉ではありますが、売った段階ではまだ絵に描いた餅の状況です。

これを資金にするためには「回収」しなければなりません。

 

2 売上原価

「売上原価」とは、製品や商品にするまでにかかった費用です。

小売業や卸売業であれば、商品仕入高です。

製造業であれば、材料費や労務費、製造経費(この中に外注費も含まれています)があり、

売上原価の中でも「製造原価」と呼ばれています。

今期の売上原価を算出するためには、これらに期首たな卸高をプラスして、期末たな卸高を

マイナスします。

売上原価 = 期首たな卸高 + 期中仕入高 - 期末(月末)たな卸高

 

3 売上総利益

売上高から売上原価を引いたものが「売上総利益」です。

これが経費の支払と利益確保の原資となります。

したがって、売上総利益を多くすることは大変重要な経営課題です。

売上総利益を増やす方法は売上高と売上原価から3つあることがわかります。

①売上高を伸ばす

 顧客の明確化、品揃えの工夫、展示の工夫、店舗の工夫、接客の工夫、新商品の開発

②売上原価を抑える

 在庫の管理、在庫整理の工夫、仕入数量の工夫、仕入回数の工夫

③販売単価を上げる

 セット化などによる販売価格の工夫、新商品の価格設定

こうできれば、いずれも売上総利益を増やすことができます。

「そうは簡単にできない」という声が聞こえてきそうですが、その通りだと思います。

しかし、だからこそ「どうするか」という工夫をする、知恵を出すことが重要なのです。

いま、工夫・知恵を出している企業は伸びています。

 

4 販売費および一般管理費

販売費および一般管理費は略して「販管費」と呼ばれます。もっと意訳すれば、経費です。

中身は販売にかかる費用と、管理にかかる費用が分類され、集計されています。

販売費としては、販売員給与賞与、交通費、広告、梱包代、配達費などがあります。

一般管理費としては、役員の給与賞与、事務員給与賞与、社会保険料、減価償却費、家賃、

通信費、交通費、水道光熱、接待費、振込手数料など多くのものがあります。

 

5 営業利益

売上総利益から販管費を引いたものが「営業利益」です。これが「事業資金の源泉」です。

つまり、税金を支払って、借入返済と事業貯蓄(投資)に回ることになります。

したがって、営業利益を増やすことは最も重要な経営課題です。

(実に3分の2の法人企業がここで赤字となっています)

営業利益を増やす方法は、売上総利益を最大化し、販管費を抑えることです。

売上総利益の最大化については説明しましたので、ここでは販管費の抑え方を考えます。

①販管費の実状を常に把握する

 科目別管理ではなく、たとえば旅費交通費などは人別など、すべて科目内訳明細別管理を

 会計で行います。

②人件費以外の経費は抑える

 人件費以外の経費は利害関係がありませんので、全員で抑えることが可能です。

 実数でいくら削減するか決めて、金額の多寡や例外なく、全員で経費削減に努力します。

③人件費をテコにする

 業績があがれば人件費に反映させる仕組みを作り、モチベーションアップにつなげます。

こうすれば、営業利益を増やすことができます。

これもまた、「そうは簡単にできない」という声が聞こえてきそうですが、

それでもやるか、あるいはだからやらないのか、それが社長の意思決定事項であり、

職責だと思いますが・・。

 

6 営業外損益

文字とおり、営業外の収益と費用です。

具体的には、現在では支払利息だけと考えて良いかと思います。

 

7 経常利益

「経常利益」とは事業活動を通じて、通常得られる利益と意味ですが、

事業ベースの最終利益と言えます。

具体的には、営業利益から営業外収益を足して、営業外費用を引きます。

昔はこの経常利益が企業経営において最も重要だと言われていましたが、

もういわゆるバブルの時代ではありませんので、成熟社会となってしまっている現代では

本業ベースの営業利益が最も重要です。 ここでいくら稼ぐかです。

 

 

このように、損益計算書を月次試算表から読めるようになると、営業活動上の問題点が

思い浮かんできます。それで大切なことで、「あれっ?」と思ったことは確認し、対策を

考え、そして実行してみることです。

なかなかすぐには改善できないかとも思いますが、その改善試行を繰り返していくことが、

あなたの会社をインプルーブ(良く)していきます。

このように月次試算表を毎日の経営に活かすことが黒字経営と強い会社にさせます。


掲載日:2017年10月25日 |カテゴリー:会計処理, 会計識字率, 経営技術

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