380万中小企業の「試算表」読み方④

第4回 P/L(損益計算書)の読み方・見方

第4回の「380万の中小・小規模企業にとってのT/B(試算表)の読み方」は、

P/L 損益計算書です。

 

1 損益計算書は「当月までの会社営業成績を表す」

損益計算書は、当月までの会社の営業成績を表しています。

営業状況は日々刻々変わりますので、少なくとも月初には前月の損益が見られるように

しておくべきです。 では、どこをポイントに見ればよいのでしょうか?

(1)重要なのは「利益の源泉と3つの利益」

一般書籍では「5つの利益」という説明がよくあります。

しかし、実務で重要なのは「利益の源泉と3つの利益」です。

利益の源泉とは「売上高」のことです。 売上が上がらないことには利益もありません。

3つの利益とは「売上総利益・営業利益・経常利益」のことです。

以前は、この中でも経常利益が最も重要であるかのように言われていましたが、

最近では、売上総利益と営業利益の方がより重要です。

経営環境が厳しい中、本業ベースの利益である営業利益は、特に重要です。

(2)売上総利益とは

売上総利益とは「売上高から売上原価を差し引いた利益」のことを云います。

自社事業の付加価値額であり、粗利益と考えても良いかと思います。

この売上総利益が販管費を賄う力となります。

売上総利益は「利益率の管理が大切だ」と云われていましたが、成熟化している

現代の経済環境においては利益率を維持したり高めたりすることは簡単ではありません

ので、「実額の管理」がより重要なっています。

如何に売上総利益を増やすか! デス。

この売上総利益で、販管費の人件費(役員報酬、給与・賞与、社会保険料など)と

その他の経費、そして内部留保に分配することになります。

今後は給料も社会保険料もますます増えていきますので、

事業の付加価値額である売上総利益は自社の黒字化を大きく左右します。

(3)営業利益とは

営業利益とは「売上総利益から販管費の人件費と経費を差し引いた利益」のことです。

つまり、「本業の利益」です。

この営業利益が売上高に対して10%以上確保できていないと、

支払利息や法人税等の支払い、さらには借入金の返済と適切な内部留保などが出来ません。

ぜひ、「売上高営業利益率は10%以上」と覚え、経営をコントロールしていきましょう。

人件費はますます増加していきますので、人件費以外の経費の無駄を失くすことが

営業利益確保の基本中の基本となります。

(4)経常利益とは

経常利益とは事業として経常的に残せる利益という意味であり、

「営業利益から営業外収益と費用を加減した後の利益」のことを云います。

一般的には、金融費用負担後の事業ベースの「最終利益」と言えます。

この経常利益は、やはり売上高に対して10%程度は残せないと、

これで法人税等の支払い、さらには借入金の返済と内部留保は出来ません。

ぜひ、「売上高経常利益率も10%」と覚えましょう。

 

2 営業成績の改善方法

いま、中小・小規模企業の赤字経営割合は66%(※)と言われています。

※正確には累積赤字企業です。

バブル崩壊以前は半数以上の企業が黒字経営だったことを思えば、

アベノミクスで企業業績は改善していると言われても、あまりピンとは来ません。

とは言え、事業を継続させていくためには「黒字経営」が大前提です。

その基本的な処方箋を紹介します。

(1)人件費以外の固定費はできるだけ削減する

人件費以外の固定費を削減すれば、削減した分だけ、黒字化に近づきます。

一方、人件費は最低賃金の上昇や働き方改革の中で高騰化は避けられません。

そう考えると、経費削減には限界がありますので、

最終的には業種を問わず「高付加価値経営」への切り替えが求められます。

(2)売上原価を抑える

売上原価を抑えれば、その分、売上総利益が増えます。

売上総利益は会社にとっての可処分所得ですから、増えれば、会社の暮らし(経営)は

ラクになります。

そのためには、余分な仕入れはしないこと(原価の節約)と在庫をしっかり管理して

原価の無駄を抑えることが重要です。

(3)販売価格を工夫する

販売価格を上げれば、その分、売上総利益が増えます。

とは言え、従来商品や製品・サービスなどを値上げすることはむずかしいものです。

そこで「工夫」です!

新しい商品や製品・サービスを開発し、それに関しては価格を見直して売上総利益率を

高めることです。

それをやるのは、中小企業の場合は社長自身です。社長自らやるしかありません。

また、考えるのも社長自身です。

周囲に任せたりせず、社長自身が先頭に立ってリーダーシップを発揮し、自分で考え、

自分でやらなければなりません。 それが中小企業の組織です。

 

 

現在は一生懸命、商売・仕事をしていれば、事業が継続できるという時代ではありません。

それだけ世の中の変化は激しく、そして早くなっています。

それが、高度成長経済後の現代である成熟社会です。

ぜひ、いま一度、経営というものを真剣に考え、創意工夫と実行でさらなる発展を目指しま

しょう! 私たちも真剣に思入れをもってご支援します。


掲載日:2017年8月23日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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