380万中小企業の「試算表」読み方②

第2回 B/S「総資本の部」の読み方・見方

第2回の「380万の中小・小規模企業にとってのT/B(試算表)の読み方」は、

B/S(貸借対照表)の「総資本の部」です。

 

1 総資本の部は「事業資金の出どころ」

総資本の部とは、「負債」と「純資産」を合わせた呼び方です。

この総資本は「事業資金の出どころ」を表しています。

事業資金の出どころのことを、「資金の調達」とか、「資金の源泉」とかと言います。

では、負債と純資産について、順を追って説明します。

 

2 負債

(1)負債とは

負債とは、自社が他社あるいは金融機関、さらには経営者であるあなたから借りている

資金「借金」です。

①他社という意味では、買掛金や支払手形などの買入債務がそうです。

②金融機関という意味では、短期借入金や長期借入金などが該当します。

③経営者であるあなたからという意味では、役員借入金や長期未払金などが該当します。

④その他に、未払費用や預り金、仮受消費税などがあります。

 

(2)負債は2つに分けられる

負債はその返済期間で2つに分けられます。

その返済期間の長さで、「流動負債」と「固定負債」に分けています。

財政状況を正しく判断するためにも、負債をこの2つに正しく分けることが大事です。

①流動負債は、1年以内に返済・支払する借金です。

 買掛金や支払手形、短期借入金、未払費用、預り金、仮受消費税などが該当します。

②固定負債は、1年以上かけて返済・支払する借金です。

 長期借入金や役員借入金、長期未払金などが該当します。

③固定負債のうち、1年以内に返済・支払する部分は「短期○○○○」として、

 流動負債に分けます。

 たとえば、長期借入金です。返済期間がたとえ7年間であっても、

 そのうち1年分は1年以内に返済しなければなりません。

 その部分を、長期借入金とは分けて、「1年以内返済長期借入金」として

 流動負債に分類します。

 何故そうするかというと、そうしないと正しく財政状況が判断できなくなるからです。

④またこれら負債のことを、自己資本に対して「他人資本」ともいいます。

 《チョッと横みち》

 会計事務所の多くは「決算の為の試算表」と位置付けていますので、

 あまり「1年以内返済長期借入金」という科目を使いません。

 ですから、そのようにしている前近代的な考えの会計事務所に顧問を依頼されている

 場合は、ちょっと考え直された方が良いかも!?

 

3 純資産

純資産とは、比較的新しい用語で、「資本」と言った方が馴染みがあるかもしれません。

いずれにせよ、純資産とは、自社で用意した「資金」のことです。

したがって、自己資本という言い方もするわけです。

その主なものは、資本金と繰越利益です。

①資本金とは創業当初に出資された出資金です。

 この資本金の額によっていろいろ税制面が変わってきますので、

 増資される場合には事前確認が必要です。

②繰越利益とは会社にとって貯蓄みたいなものですから、

 これがないと自己資金で設備投資などをすることができません。

 だから、繰越利益がないと借金に頼る会社運営になってしまうわけです。

③繰越利益を貯めていくためには、必ず税金を納めなくてはなりません。

 節税ばかりに気を取られていると、繰越利益を貯めることができませんから要注意です。

 やたら節税ばかりを勧めてくる会計事務所の場合は要注意です。 

 

現在はただ一生懸命、商売・仕事をしていれば事業が継続できる時代ではありません。

それだけ世の中の変化は激しく、早くなっています。

それが、高度成長後の現代、成熟社会だと思います。

ぜひ、いま一度経営というものを考え、会計で経営技術を高めましょう。


掲載日:2017年8月9日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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