380万中小企業の「試算表」読み方①

書店へ行くとネーミングを工夫した興味をそそる会計本が出版されていますが、

残念ながら私たち中小・小規模企業の経営にはあまり役に立ちません。

なぜなら、それらの書籍はすべて、上場企業や大企業あるいは上場を目指す中堅企業や

株式投資家に向けて書かれているからです。

ですから、380万の中小・小規模企業目線で読むと、関係のないことが多く説明されて

いるので、それが会計を難しく感じさせています。

また、重要だと説明されていることも、私たちには一般株主も投資家もいませんので、

ピントが合ってないところも数多くあり、直接的に経営に活かすこともできません。

 

そこで今回から「380万の中小・小規模企業にとっての試算表の読み方」というテーマで

私たちの経営実務に活かせる試算表・決算書の見方をご紹介します。

ただし、実務を優先しますので、必ずしも会計学的には正確ではない記載もあります。

予め、お断り申しあげておきます。

 

第1回 試算表・決算書の読み方・見方

まず最初に、試算表や決算書の全体像を理解することから始めましょう。

 

1 B/SとP/Lは「3表」から構成されている

試算表や決算書は、B/SとP/Lの2表から成っていると言われますが、

実際は「3表」から成っていると考えてください。

3表とは、 1 総資本の部  2 総資産の部  3 損益計算書  です。

 

2 B/S(貸借対照表)

総資本の部と総資産の部を合わせてB/Sと呼び、B/Sは「自社の財政状況」を

表しています。

財政状況とは、どこから資金を調達して、その資金をどのように運用しているか、

ということです。

 ①その、どこから資金を調達しているかは「総資本の部」に表示されています。

 ②そして、どのように資金を運用しているかは「総資産の部」に表示されています。

このことは試算表や決算書の見方の基本となりますので、よく覚えておきましょう。

 

3 P/L(損益計算書)

P/Lは損益計算書と呼ばれ、「自社の営業成績」を表しています。

いくら売れたのか、原価はいくらかかっているのか、粗利(売上総利益)はいくらなのか、

はたまた、人件費や経費はいくらなのか、営業ベースでの利益はどのくらいなのか、

などがわかります。

 ①損益計算書上の利益は(確かに)5つありますが、

  大事なのは「売上総利益」「営業利益」「経常利益」の3つの利益です。

 ②そのなかでもっとも大切な利益は、いまや「営業利益」です。

 ③本業ベースでどのくらいの利益が確保できているのか、ということは

  経営上の最大の課題です。

 ④目指すべき営業利益は業種を問わず「売上高の10%」です。

  私たちは小さなビジネスをしているわけですから、大企業とはちがい、

  これぐらいの営業利益を確保しなければなりません。

この4つのことはぜひ覚えておいてください。

 

もう一度言いますが、試算表・決算書はB/SとP/Lで2表ですが、内容的には

資金の出どころ「総資本」と、資金の運用「総資産」、営業成績「損益計算書」の3表から

なっています。

 

 

現在はただ一生懸命、商売・仕事をしていれば事業が継続できる時代ではありません。

それだけ世の中の変化は激しく、早くなっています。

それが、高度成長後の現代、成熟社会だと思います。

ぜひ、いま一度経営というものを考え、創意工夫と実行でさらなる発展を目指しましょう。


掲載日:2017年8月2日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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