中小企業マーケティング トップの役割

第10回の今回で「中小企業のマーケティングシリーズ」は最後となります。

最後はやはり「トップの役割」です。

企業が良くなるも悪くなるも、さまざまな原因や要因があります。

がしかし、その中でいちばん大きな要因は、やはりトップの手腕、力量です。

トップの責任は重く大きく、トップの手腕・力量次第で事業は生き残りますし、

また終焉を迎えます。

そこで、企業マネジメントとマーケティングの大家である、ピーター・ファーディナンド・

ドラッカーに「トップの役割」について学びたいと思います。

ドラッカーは次のように言っています。

 

1 トップの役割

(1)事業の目的を考えること

  自社の事業は何であり、また何であるべきか。

(2)組織全体の行動規範を設定すること

  商売はただ売れればいい、儲かればいいというものではありません。

  そこには必ず、社会貢献性や社会価値があり、それが従業員のやる気や志になり、

  顧客に満足や観劇や価値を与え、それが差別化の源泉になります。

(3)快活な組織風土を育んで人材を育てること

  「企業は人なり」と言いますが、ドラッカーはそのためには「企業は経営者なり」と

  言っています。

  よく「うちの会社は・・・」と言いますが、これは「うちのトップは・・」であり、

  「うちの組織風土は・・」であり、会社には何の実体もありません。

(4)対外関係ならびに社会的責任の確立と維持をすること

  お客さまや取引先、あるいは金融機関などとの友好な関係構築や維持もトップだけが

  築けるものだと言っています。

  さらに環境問題や雇用問題、納税意識、働き方など社会的な責任・要請に対する姿勢も

  トップの課題であると言っています。

(5)儀式的な役割をすること

  取引先との接待、冠婚葬祭あるいは公的行事への参加など、当然のことながら

  トップには会社を代表する役割があります。

(6)あらゆることに対するピンチヒッターになること

  企業経営にはいろいろなピンチや危機が訪れます。

  そんなときトップはどこにいても駆けつけ、先頭に立って対処しなければならないと

  言っています。

  「営業成績があるいのは社員のせいだ」と言って逃げたり、他人事のように言わず、

  「俺も一緒に頑張る」とドン受け止め、一生懸命に対処しろということです。

 

このように、トップの役割は大変ですが、そんな中で二つの切り替えを助言しています。

 ①トップメンバーになったら、それまで担当していた現場業務から手を引く。

 ②もし今までトップがやっていた仕事をたまたま誰かがやれたなら、それはもはや

  トップの仕事ではない(もうトップでなくともやれる)ので、部下に委譲する。

 

なかなかマネジメントとはむずかしいものですが、これらのことを頭の片隅に置かれて

経営を続ければ、きっと、これまでとは違う展開が拓けます。

 

次に、大きな示唆を与えてくれるだろう100年企業「ビジョナリー・カンパニー」に

学ぶ「十二の崩れた神話」をご紹介します。

2 十二の崩れた神話

(1)すばらしい会社を始めるには素晴らしいアイデアが必要である

   →素晴らしいアイデアを持って短期的な成功を勝ち取ることも大切ですが、

    より重要なことは長距離レースで勝つことです

(2)ビジョナリーカンパニーにはビジョンを持った偉大なカリスマ的指導者が必要である

   →必ずしもカリスマ的な指導者になる必要はなく、それよりも長く続く組織をつくる

    指導者をめざすべきです。

(3)特に成功している企業は利益の追求を最大の目的としている

   →利益追求は事業にとって重要な目標ですが、それは一つの目標に過ぎず、

    基本的価値観の追求のほうがもっと重要な目標です。

(4)ビジョナリーカンパニーには共通した正しい基本的価値観がある

   →共通する正解の基本的価値観や理念などは世の中になく、

    大切なことは「自社の基本的価値感は何か!?」を突き詰める姿勢です。

(5)変わらない点は変わり続けることだけである

   →変わってはいけないものもあり、基本理念を守って行こうとする姿勢

    環境に適応できる組織にさせます。

(6)優良企業は危険を冒さない

   →実現可能な目標だけではやがて保守的な企業体質になってしまい、

    社運を賭けるような大胆な目標にチャレンジしてこそ組織を活性させられます。

(7)ビジョナリーカンパニーは誰にとってもすばらしい職場である

   →そんなことはなく、たまたま会社の基本理念が合う人たちにとっては居心地のいい

    職場かもしれないが、そうでない人にとっては必ずしもそうではありません

(8)大きく成功している企業は綿密で複雑な戦略を立てて最善の動きをとる

   →考えることばかりやっていないで、大事なことはトライすることであり、

    その中で最善のものが生まれてきます

(9)根本的な変化を促すためには社外からCEOを迎えるべきだ

   →根本的な変化と斬新なアイデアは社内からこそ生まれるものであり、

    だから社内人材を育成することが大切です。

(10)もっとも成功している企業は競争に勝つことを第一に考えている

   →競争すべきは他社ではなく自社自身であり、

    常に自らの反対勢力に勝つこと考え続けることこそが重要です。

(11)二つの相反することは同時に獲得することはできない

   →どちらか一つをやるという二者択一ではなく、

    同時に追求する(ANDの才能)という考え方が大切です。

(12)ビジョナリーカンパニーになるには主に経営者が先見的な発言をしているからだ

   →そのような発言をすることは一歩にはなり得るが、

    それよりも試行錯誤(トライ)することが大切です。

 

 

現在はただ一生懸命商売や仕事をしているだけで事業が継続できる時代ではありません。

それだけ世の中の変化は激しく早くなっています。それが高度成長後の現代、成熟社会だ

と思います。ぜひ、いま一度経営というものを自らに問いかけ、創意工夫と実行でさらなる

発展を目指しましょう。 私たちは応援します。


掲載日:2017年7月26日 |カテゴリー:マーケティング, 組織風土, 経営技術

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