第5回 ターゲット(対象)の選定 -攻める対象を考える-
第5回の今回は、攻めるべき対象の考え方「ターゲットの選定」について説明します。
1 事業ドメインを考えよう
日常の中ではどうしても固定的な観念の中で考えがちになってしまいます。
攻めるべきターゲット選定についても同様です。
そこで、その視野を拡げるためにも「事業ドメイン」を再考してみることをお勧めします。
事業ドメインとは、事業領域のことです。
アメリカの鉄道会社が自社を鉄道業と捉えたために、
その後に来る自動車や飛行機などの輸送手段に敗れたことは有名な話です。
同じようなことをされてませんか?
「うちは蕎麦屋だ」「うちは金物屋だ」「うちは婦人服屋だ」などなど・・。
事業ドメインが明確になってくると、
どこを攻めればよいのか、具体的に考えられるようになります。
そのためには近い将来も含めた「事業ドメイン」を考えることが重要です。
2 川下と川上に分けて考えてみる
そのうえで自社を真ん中において川下と川上に分けて考えると、具体的なターゲットが
見えてきます。
川上とは、仕事をもらえる先です。
川下とは、仕事を提供する先です。
一般的には、川上は仕入先企業の中に意外とあると言われて、川下は得意先企業の中にある
と言われています。
そのような観点から、一度、見直してみればいいかもわかりませんよ。
ただ忘れてならないことは「その後ろにはコンシューマの存在がある」ということです。
(1)プル戦略
川上に対しては、そのこと(コンシューマ)を意識しながらの提案をすることになります。
いわゆる「プル戦略」です。
プル戦略とは「引っ張ってくる」というイメージですが、
商品やサービスを売り込むのではなく、川上事業のコンシューマ(顧客等)にとって、
買いたいと思わせる仕掛けの提案です。
(2)プッシュ戦略
一方、川下に対しては、そのことを意識しながらメリットを紹介することになります。
いわゆる「プッシュ戦略」です。
プッシュ戦略とは「押して押して押しまくる」というイメージですが、
プル戦略とは違い、川下企業のコンシューマ(消費者)にとっての具体的なメリットを
示し、WIN-WINのアライアンスを結ぶ戦略です。
3 事業ドメインを考える3つの視点
最後に、事業ドメインを考える3つの視点を紹介しましょう。
それは、「What」、「Whom」、「How」の3つです。
(1)What(なにを)
“What” とは、提供する製品や商品あるいはサービス自体を考えるということです。
(2)Whom(だれに)
“Whom”とは、ターゲットにする顧客をできるだけ具体的に、絞り込む、ということです。
たとえば、単に「女性」・・というだけではなく、その年代や状況そして趣向なども考える
ということです。
具体的には「30代」の「独身」の「キャリア志向」の女性というような感じです。
それによって、“What”も“How”も、より一層明確に考えられることになります。
(3)How(どのように)
“How”とは、提供方法や独自の技術を考えることです。
ターゲットにする顧客層によって同じ商品であっても、品揃えやディスプレイ・価格帯など
変わってきます。
これらを図示すると下図のようになります。
なお、事業ドメインと経営理念のあいだには、厳格な整合性があることが重要です。
現在は漠然と商売・仕事をしていれば売れる時代ではありません。
それが高度成長後の現代、成熟社会です。
ぜひ、自社が提供できる価値とお客様が望んでいる潜在的価値を考えて、
さらなる発展を目指しましょう。
掲載日:2017年6月21日 |カテゴリー:マーケティング, 経営技術
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