簿記の基本(15) 戦略経営経理③

第15回 簿記の基本「戦略経営的な経理とは③」

前回第2回のまとめは

①売掛、売上の得意先別仕訳 ②売掛、売上の税抜経理 ③売掛リスクである貸倒引当金

の計上 ④たな卸の仕訳 を紹介しました。

今回は固定資産に関する戦略的な経理をまとめます。

 

1 リースの仕訳

 リースは実質的に、所有していることとほとんど変わりがありません。

 しかしリース物件の背後には、必ず、負債である「リース債務」が存在しています。

 しっかりした自社の財務状況を掴むためには、リースは「リース資産」として

 会計処理する必要があります。

(1)リース資産を取得したときの仕訳

 資金運用である固定資産の「リース資産」と、

 資金調達である固定負債「リース債務(長期未払金)」を計上します。

 但し、金額はリース総額ではなく、あくまでも本体価格です。

 また「リース債務」も、1年分は流動資産のリース債務(未払金)に、それ以外は

 固定負債のリース債務(長期未払金)に分けて計上します。

(2)月々の仕訳

 ①リース料は、リース債務の返済と支払利息の支払に分けて処理します。

 ②減価償却費も概算額を「減価償却累計額」を利用して計上します。

(3)決算時の仕訳

 一旦、月々計上して来た概算の減価償却費は戻し、

 あらためて正確な減価償却費を計上し、その分、リース資産も減少させます。

 ※詳しくは、「簿記の基本(11) リースの仕訳」を参照してください。

 

2 減価償却の仕訳

 減価償却は土地を除く固定資産に対して、使用するに連れて価値が減少する分を

 費用として計上する経理処理です。

(1)月々の仕訳

 毎月の正確な損益を把握するためには、概算減価償却費を「減価償却累計額」として

 計上していきます。

(2)決算時の仕訳

 毎月計上した減価償却累計額を一度戻し、正確に計算した減価償却費を固定資産科目を

 相手に計上しなおします。

(3)減価償却費は資金支出を伴わない費用

 ①減価償却費は費用科目ではありますが、唯一、資金支出を伴わない費用であることを

  理解しておきましょう。

 ②あくまでも計算上の費用であり、実際には現金や預金の支出を伴いません。

 ③したがって単純に言えば、もし営業利益が100万円で、減価償却費が50万円であれば、

  売上もすべて入金され、費用もすべて支払ったならば、最終的に150万円が手元に残る

  ことになります。

 ※詳しくは「簿記の基本(2) 減価償却の仕訳」を参照してください。

  

 

このように仕訳することで、

毎月の正しい固定資産、財政状況と、月次損益を把握することができるようになります。

「戦略的な経営」に資する経理にするためにも、ぜひ理解してください。

 


掲載日:2017年4月19日 |カテゴリー:会計処理, 会計識字率, 経営技術

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