簿記の基本(4) たな卸の仕訳

第4回 簿記の基本「たな卸の仕訳」を知ろう

今回はどの企業にも必要な「たな卸」の仕訳について勉強しましょう。

あなたの事業にとっても必要な仕訳ですから、ぜひ、マスターしてください。 

 

1 たな卸の仕訳の意味

 たな卸の仕訳は、なぜ必要なのでしょうか?

 それは売上原価を計算するために必要になるからです。

 売上原価は次のような考え方で計算します。

  売上原価   = あらかじめあったモノ + 仕入れたモノ - 残ったモノ

 これを会計用語の言い方に変えると次のようになります。

  売上原価   =   期首たな卸高   + 期中仕入高  - 期末たな卸高

  あるいは月次であれば
  月次売上原価 =   月初たな卸高   + 月次仕入高  - 月末たな卸高

 そのために、期首たな卸高と毎月末のたな卸高の計上、そして期末たな卸高を仕訳で計上する必要があります。

 

2 期首のたな卸高の仕訳

 会計では在庫である「たな卸資産」を次の6種類に分けるように決められています。

 ①販売する目的に仕入れたモノ        商品

 ②販売する目的で生産したモノ        製品

 ③製品ではないが販売できる状態にあるモノ  半製品

 ④製品の材料であるモノ           原材料

 ⑤生産途中でまだ販売できない状態のモノ   仕掛品

 ⑥製品の消耗品的なモノ           貯蔵品

 これら期末の残高を期首日に「期首たな卸高」へ振り替えます。

 《期首日》  期首たな卸高     /  商品

        期首たな卸高     /  製品

        期首たな卸高     /  半製品

        期首材料たな卸高   /  原材料

        期首仕掛品たな卸高  /  仕掛品

 この期首たな卸高の振り替えは1回しか行いません。 ←ココガポイントデス!

 

3 月次のたな卸高の仕訳

  そして企業では状況に応じて仕入を行い、月末には在庫が残ることになります。

 ①「商品仕入」は、商品という資産を、買掛金などの負債または現金で支払いますから、
  次のようになります。

  《仕 入》  商品仕入高  /  買掛金あるいは現金など

         材料仕入高  /  買掛金あるいは現金など

 ②月末になれば商品などが手元に残りますから、実地棚卸を実施して「月末たな卸高」を
  計上します。

  月末たな卸高は、「期末たな卸高」を月末たな卸高と読み替えて計上します。

  《月末日》  商品   /  期末たな卸高

         製品   /  期末たな卸高

         半製品  /  期末たな卸高

         原材料  /  期末材料たな卸高

         仕掛品  /  期末仕掛品たな卸高

  この月末たな卸高の計上は毎月行います。
  そうしないと期中の売上原価が計算できません。 ←コレモポイントデス!       

 ③さて、翌月を迎えました。するとどうする必要があるのでしょうか?

  そうです、「月末たな卸高」を戻す必要があります。

 《月初日》  期末たな卸高     /  商品

        期末たな卸高     /  製品

        期末たな卸高     /  半製品

        期末材料たな卸高   /  原材料

        期末仕掛品たな卸高  /  仕掛品

 「期首たな卸高」という科目は使いません。 ←ココガポイントデス!

 

4 期末たな卸高の仕訳

 さて、なんとか期末を迎えました。

 期末にはやはり実地棚卸を実施しますね。その結果を月末と同様に計上します。

  《期末日》  商品   /  期末たな卸高

         製品   /  期末たな卸高

         半製品  /  期末たな卸高

         原材料  /  期末材料たな卸高

         仕掛品  /  期末仕掛品たな卸高

 

 これで一連の「たな卸に関する仕訳」は終わりです。

 いま一度、まとめ直すと次のようになります。

 ①期首月は、期首日に棚卸資産を「期首たな卸高」に計上し、

  月末は「期末たな卸高」を利用して月末たな卸高を計上します。

 ②第2月から期末月までは、月初めに月末たな卸高である「期末たな卸高」を戻し、

  月末は期首月と同様に「期末たな卸高」を利用して月末たな卸高を計上します

 

 

いかがでしょうか?

このように簿記が少しわかってくると、自社の会計処理のおかしなところも分かりだし、

経営に活かせる月次試算表になって来ます。

本来、会計は税務署や銀行のためにではなく、このように経営に活かしていくために

あるのです!


掲載日:2017年2月1日 |カテゴリー:会計処理, 会計識字率

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