2017年の経営テーマは高付加価値化

海外市場はともかく、国内市場は少子高齢化による人口減少で、市場は徐々に縮小化する
方向へ進んでいます。

つい最近、厚労省から2016年の人口動態調査推計が発表されましたが、

16年の出生数は1899年の統計開始以来、初めて100万人割り込む見込みだそうです。

そうなるとコスパ経営ではいずれ行き詰まることは明白で、これからはバリュー経営が問われてきます。

そこで今回は「経営の高付加価値化」について考えてみます。

 

1.経営の高付加価値化とは

  経営の高付加価値化とは付加価値を上げるという意味です。

  経営学的には控除法とか、積上げ法とか、難しい定義がありますが、

  簡単に言えば、売上総利益を高める、あるいは営業利益を高めるいうことです。

  売上総利益は「売上高-売上原価」で求められますので、

  同じ売上高であれば売上原価を減らすか、あるいは操業度を高めて売上高自体を増やす
  ということが考えられます。

  営業利益は「売上総利益ー販売費及び一般管理費」で求められますので、
  さきほどの売上総利益を増やすか、あるいは販売費及び一般管理費を減らせば、
  営業利益を増やすことができます。

  つまり、経営の高付加価値化には3つの道があることということです。

  ①売上高を高める  ②売上原価を減らす  ③販売費及び一般管理費を減らす

 

2.経営の高付加価値化をもたらす主体者は誰か

  では、経営の高付加価値化をもたらす主体者は誰なのでしょうか。

(1)売上高を高めるのは誰か

  製造業であれば操業度を高めるという側面がありますので、機械とも考えられます。

  しかし、機械をうまく操るのもヒトであれば、その他の業種においても売上高を増やす
  のはヒトです。

  つまり売上高を高めるのは、そのほとんどが従業員であり社員ということになります。

(2)売上原価を減らすのは誰か

  売上原価を減らす、あるいは効率化にするには、在庫調整や仕入れ調整をする必要が
  あります。

  ではその調整や管理、あるいは意思決定するのは誰でしょうか。

  ツールとしてコンピュータなどの機器やソフトウェアが必要ですが、それを活用して
  調整管理、意思決定するのはヒトです。

  やはり、従業員であり社員となります。

(3)販売費及び一般管理費を減らすのは誰か

  販売費及び一般管理費を減らせば、その分だけ営業利益を高めることができます。

  それらの経費を管理し、減らすのは誰でしょうか。

  やはり、ヒトであり、従業員であり社員です。

   つまり、長々と書きましたが、経営の高付加価値化をもたらすのは、機械や製品も
  一部の要因として認められますが、

  そのほとんどの部分はヒト、従業員や社員によってもたらされるということです。

  したがって、これからはますます「ヒト」の力が経営にとって重要になってきます。

 

3.これからの事業は第4次産業化していく

  まず、産業のおさらいをしてみましょう。

(1)日本の産業推移

  第一次産業とは、農林業、漁業、鉱業などであり、自然からモノを得る産業です。

  終戦直後、経済界を引っ張って来た産業です。

  第二次産業とは、第一次産業で生産した原材料を加工する産業です。

  麦から小麦粉やパンを、木材から家を、魚から蒲鉾などの加工を、鉄鉱石から銑鉄の
  生産を、鉄から自動車を、というように機械で加工・製造する産業です。

  つまり、製造業や建築業や工業などはすべて第二次産業となり、主に機械設備を用いる
  産業だと言えます。

  「もはや戦後ではない」と言われた昭和30年代以後から隆盛を誇って来た産業です。

  第三次産業とは、第一次にも第二次にも入らない産業を指し、主にサービス業のことを
  いいます。

  小売業や運送業、飲食業、宿泊業や教育・介護・医療・金融・保険など、
  形ににならないものを扱う産業です。

  つまり、第三次産業は、人が中心の産業です。

  高度成長期後から徐々に産業の中心を占め、現在では全産業の75%の従業員が
  従事していると言われています。

   ちなみに貧困国は食べることが中心となりますので、第一次産業が中心になります。

  そしてお金が貯まり出すと、
  その資金で工場などを建てて、第二次産業へ移行していきます。

  さらにモノが溢れだすと、モノ以外のことにお金を使うようになり、生活の充実や
  長生きなど第三次産業が拡大します。

  現在の日本はそれも卒業しつつあり、まさに成熟社会へと移行しようとしているところ
  でしょうか。

(2)第4次産業の誕生

  成熟社会にある日本や先進諸国では、さらに安心・安全・豊かさなどを求め、情報産業
  や医療産業、教育サービス業、健康産業などの知識集約産業へ移行しています。

  これらは従来、第3次産業に分類されていましたが、それぞれが異なった産業として
  発展したり融合したりし、まったく違った概念に発展しているので、新しく提唱され
  始めたのが第4次産業の概念です。

  それを強く後押ししているのが、コンピュータテクノロジーであり、ITやロボット、
  AI、IoTなどテクノロジーです。

  それともう一つ、それらをバックボーンにした「おもてなし」、つまりヒトによる
  サービスです。

 

4.今後の付加価値化には「ヒト」が鍵となる

  このように産業の推移を見てみますと、今後はテクノロジー(技術・製品)だけでは
  差別化の決定打とはならず、最終的にはヒトによるサービスが差別化の決定打となって
  くることがわかります。

  そういう背景の中で、いまのライフ・ワークバランスの推進や正規非正規の格差是正、
  同一労働同一賃金などの議論を捉えると、その重要性がよくわかります。

   高付加価値化を実現するのはやはり「ヒト」なのです。

  そのため、高人件費化に伴う高固定費化を予測すれば、「経営の高付加価値化」の
  重要性があらためて理解できるかと思います。


掲載日:2016年12月28日 |カテゴリー:トピックス, マーケティング, 経営技術

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