中小企業の経営承継①

Ⅰ 中小企業の経営承継の実情

 

1.中小企業は2030年に消滅してしまう?

今年6月6日の日本経済新聞にショッキングな見出しの記事が掲載されていました。
『中小企業 2030年消滅?』という見出しです。

その記事内容は、1995年中小企業経営者の中心年齢は47歳であったそうですが、

20年後の2015年中小企業経営者の中心年齢は66歳となり、20年間そのまま中小企業経営者

の中心年齢が推移しているという内容です。

単純計算ですが、このままでは14年後の2030年には、中小企業経営者の中心年齢は80歳と

なってしまうので消滅してしまうということです。

中小企業において、経営承継ができていない側面を表しています。

日本の企業の99%以上が中小企業であり、そこで働く人は全労働人口の7割を占めます。

このままでは、日本経済の土台が揺らぎかねない状況となってしまいます。

実際のところ、どうなのでしょうか?

 

2.倒産は減っていない?

一方、企業の倒産件数は減っていると言います。

昨年の倒産件数は8,812件ででしたが、これは1990年以来の低水準だそうです。

そして本年度上期もこの傾向は続いており「アベノミクスの成果だ」と安倍政権では

言っていますが、本当なのでしょうか?

この倒産件数というのが実は曲者で、倒産はあくまで法的に整理された件数のみです。

このほかに、現実的には法的整理ができなかった休廃業や解散などがあります。

この件数は倒産件数には含まれません。

そこで昨年どれだけ休廃業・解散があったかと言えば、実に法的整理案件の3倍以上、

26,699件もあったと言われています。

この件数は2000年と比較して6割増となり、倒産に休廃業・解散を含めれば、昨年も

35,511件減っていることになります。

もちろん、新規開業率は相変わらず低いですので、日本の企業件数も日本の人口と同様、

減少化しており、少子高齢化となっています。

 

3.原因は?

では、その原因は何なのでしょうか?

企業が倒産や休廃業・解散に追い込まれる原因は、借入金に対する過度な依存です。

現在の赤字企業割合は7割ですので、赤字であればもちろんのこと、借入金を返済すること

はできません。

昨年倒産した企業の自己資本比率は△5.6%と言われ、資産より負債が多い債務超過という

状態です。

その債務超過に陥って遂に倒産するに至った因は、2013年の中小企業金融円滑法終了後の

金融機関の返済猶予措置です。

本来であれば、そこまで傷口を大きくしないで法的整理もできたかもしれないのに、

金融機関が金融庁の指導の下、比較的簡単に返済猶予に応じてくれましたから、

甘い期待でズルズル延命し、結局は状況を変えられず力尽きたという感じです。

 

こうして見てみると、中小企業経営者の高齢化は「後継者難」にあるのではなく、後継することができない「後継難」にあるのではないかと推測できます。

次回はそんな中で経営承継の方法とそれぞれの問題点を考えてみましょう。


掲載日:2016年9月14日 |カテゴリー:トピックス, 経営技術

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