会計が経営に及ぼす効果

会計を「決算・申告のためだけの帳簿作成」という目的だけで会計業務を行っている企業経営者がいまだに多くおられます。
したがって多くの企業では、会計業務を後に回したり、ひどい場合は領収等を溜めるだけで会計事務所に丸投げし決算申告に間に合わせるだけの年一処理をしている場合もあります。

しかし、本当に会計とは、決算申告のためだけにするものなのでしょうか?
結論から申しあげれば、会計を決算申告に活かすことは結果であり、本来は経営を管理するための「経営管理業務」なのです。

確かに会計では売上を増やすことはできません。
しかしながら、その売上をもとに利益を増やすことや赤字を極力抑えることはできます。
また資金繰りを改善することもできます。
最近ではパソコンの処理能力向上やITの進展もあり、売上を増やす方策も会計から得られつつあります。 今回はそのことを説明したいと思います。

 

1 なぜ、会計で利益を増やすことができるのか

タイムリーに会計処理をしていると、月間売上高に対する原価や販売費及び一般管理費(以後、販管費という)が把握できるようになります。
それを積み重ねると、原価率の動向や毎月の販管費の傾向が掴めますので、いまの売上高で経営状況を改善するためには、どの売上原価項目を注意すればよいか、その販管費が抑えられるかがわかります。

経営を黒字にするには、売上高内で原価と販管費を収めればいいだけのことです。
そうすれば必ず営業利益や経常利益は確保することができます。

タイムリーにとは日々会計処理をすることが理想的ですが、少なくとも毎週末と月初に前月末処理さえすれば、最低限のタイムリー性は確保できます。

 

2 なぜ、会計で資金繰りが改善できるのか

資金繰りが苦しい理由は主に3点です。
①費用の使い過ぎや無駄使いです。つまり原価や販管費が多いということです。
②売っているだけで回収をしていないということです。
③過剰仕入、過剰在庫です。

①は毎月の損益計算書で売上原価と販管費を見れば、具体的に何か多いのかがわかります。
②は毎月の貸借対照表で売掛金を見れば、回収が滞っているかどうかは即座に掴めます。
 さらに売掛金を得意先別管理にしていれば、どの得意先の売掛金が滞留しているのか一目
 瞭然です。
③も毎月の貸借対照表で棚卸資産を見れば、在庫を持ち過ぎかどうか判断できます。
 多ければ仕入を調整することができます。

資金繰りは、運用や使途さえ抑えれば、改善されて行きます。

 

3 なぜ、会計で売上を増やす方策を得ることができるのか

いまのパソコンは処理スピードが断然に速くなり、かつハードディスクも大容量になっていますので、会計ぐらいは楽々こなせます。また最近はインターネットを活用した会計ソフトもたくさんありますので、あまりパソコン本体の性能も問わなくなっています。

そこで経営に会計を活かすためには従来からの勘定科目単位で会計処理をするのではなく、その内訳単位で会計処理をすることがポイントです。

たとえば、売上高は得意先単位や製品・商品単位で計上します。そうするとどの得意先の売り上げが伸びているか、どの製品・商品が伸びているか、などが掴めるようになり、対策を練ることができます。
また売掛金であれば得意先に計上と入金処理をすれば、どの得意先の売掛金が溜まっているか、すぐわかるようになります。
さらに売上原価や販管費についても明細単位で計上すれば、具体的にどの費用がまだ抑えることが可能か、手に取るようにわかるようになります。

現代は、会計処理は科目単位でする時代ではありません。一般の会計事務所は決算・申告のことしか考えていませんので、いまだに勘定科目単位の会計処理を勧めていますが、それでは事業に役立ちません。事業に役立つ会計にするためには明細単位で管理しないと役に立ちません。このことはよく覚えておいてください。

 

このように会計を捉えれば、会計は事務処理ではなく、経営管理業務であることをご理解いただけると思います。

 

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掲載日:2016年6月8日 |カテゴリー:会計処理, 経営技術

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