資産のチェック 手元資金

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事業とは、自社の事業に投資を繰り返して成長を続けていくものです。その投資内容を表しているのが、貸借対照表の「資産の部」です。

では、その資産の状況をどのように判断すればよいと思われますか?
多くの企業は毎月、貸借対照表を作成しながらも、その見方を教えられず、ただ手もとに置かれているだけの場合が多いのではないのでしょうか。

そこで今回から、その主な資産の判断の仕方についてわかりやすく説明して行きます。
ぜひ、毎月の貸借対照表を読みながら、自社の資産状況に問題はないのかチェックをされ、景気などに負けない永続的な事業を続けられることを望みます。

 

1 手元資金とは
事業は手元資金が途切れれば、継続することができません。したがって、手元資金の管理は大変大切なことです。

では、手元資金とは何でしょうか。実務の手元資金とは、現金と預金の合計です。

その手元資金の状況を判断するためには、毎月の貸借対照表に記載されている現金残高と預金残高に間違いがないということが前提条件となります。
したがって日々の現預金管理は非常に大切です。その割にはあまりチェックのされていないというのが現場の実情です。

預金は預金通帳と照合すれば確認できますが、問題は現金です。客観的にあとで確認できるものがありませんので、日々の現金残高を確認することが大切です。それが日々、現金出納帳を作成し、手元の現金と照合する意味です。

毎日の現金残高を確認することは非常に重要なことであることを、ぜひ、知ってください。

 

2 手元資金残高の妥当性を判断するモノサシ

では、手元資金はどのくらいあれば妥当だと判断できるのでしょうか。
そのモノサシはいくつかありますので、それを紹介します。

■一つ目のモノサシ ❝平均月商”
「平均月商」とは、たとえてみれば、会社の生活費みたいなものです。
会社は平均月商の中で生活をしているといえます。
平均月商から、毎月の仕入れ代金を支払い、人件費を支払い、その他経費を支払い、そして将来の事業のために貯蓄を残さなくてはなりません。

その貯蓄のことを「利益(営業利益や経常利益)」といいます。
従いまして、平均月商と比べて手元資金残高を確認することには大変意味があります。

では、どのくらいあればよいのでしょうか?
もちろん多いに越したことはないわけですが、安心して事業をしていくためには、最低でも2カ月分ほどは必要なのではないのでしょうか。

この基準は経営者の皆さんが考えればよいことですが、この基準を持つことをマネジメント、経営といいます。

ですが、月商1カ月分の手元資金もないのであれば、やはり心許ないので、1カ月分以上の手元資金があるように努力すべきだと思います。
このことを専門的には「手元流動性比率」と呼んでいます。

■二つ目のモノサシ ❝平均月次総費用”
いまほどの平均月商には貯蓄(利益)が入っていますが、それに比べて平均月次総費用には貯蓄は入っていません。
したがって、平均総費用とは「最低限の生活費」ともいえます。

シビアに手元資金残高を評価されたいときには、平均月次総費用と比べられるとよいと思います。

■三つ目のモノサシ ❝借入金”
借入金とは、銀行からの借入金です。
貸借対照表上には、借入金は「短期借入金」、「1年以内返済長期借入金」、「長期借入金」の3つに分けて表示されています(説明は避けますが、この3つに分けて借入金を把握することは、経営上非常に重要です)。

これと手元資金残高を比べることも有効です。
借金があるのに、その返済原資である手元資金が少なければ心許ないことは、生活感覚でもわかりますね。経営も同じなのです。

この基準も経営者の皆さんが考えられればよいわけですが、この基準を持ちながら経営されることはマネジメント上、非常に重要です。
一般的に言えば、せめて借入金額の3割程度は手元資金として持っておきたいですね。

ところで借入金よりも多くの手元資金がある状態のことを「実質無借金経営」といいます。上場企業の多くはそれを一つのベンチマーク(指標)にしていることも覚えておきたいことです。
一般的に、上場企業は中小企業より多くの資金を持っているわけですから、そのような上場企業が実質無借金という指標をもってマネジメントしているわけですから、私たちもそれを目指して経営したいですね。

■四つ目のモノサシ ❝総資産”
総資産とは、事業で投資している資産の合計額です。
この総資産の何割程度の手元資金があるかということも重要な判断基準です。

上場企業であれば手元資金の持ち過ぎは、時には投資家より資金の有効利用をしていないと批判の対象にもなりますが、中小・小規模企業の場合は投資家などはいませんので、安全性の面からあればあるほど良いといえます。

では、総資産に対してどのくらい手元資金があればよいのでしょうか?
この基準も経営者の皆さんが考えればよいことですが、平均月商の2カ月分程度の手元資金を持つということから逆算すれば、最低でも33%程度は持つことが理想だと思われます。

 

このほかにも、人件費や支払債務など、いろいろなモノサシが考えられますが、これで手元資金の額は管理すべしというルールはありません。経営者の皆さんが自社の特性に合ったモノサシで管理されれば良いと思います。
但し、モノサシは一つではなく、二つ三つは持たれた方がよいと思います。

 

重要なことは、モノサシはどれであってもよいわけですが、この先行き不透明で変化が早いいまの時代はそのようなモノサシでマネジメントしなければならない時代であるということを認識されるということです。現在はしっかりマネジメントすることが求められている時代です。


掲載日:2016年3月30日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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