経営技術を磨く プロフェッショナル・マネージャ

■プロフェッショナル・マネージャ -経営者は自分を犠牲にする覚悟があるのか
 著者のハロルド・ジェニーンは、1960年代当時のアメリカ国際電話電信会社ITTで58四半期連続(つまり14年6カ月)増益を記録した辣腕経営者です。
経営に対して強い信念と卓越した実績をもっているジェニーンの経営者に対する強烈なメッセージがちりばめられている「プロフェッショナル・マネージャ」は、経営者にとって必読の書ともいわれています。

 

1.経営は芸術・センスであり科学や理論ではない
 「芸術だ、センスだ」というと少し誤解を与える表現かもわかりませんが、「経営は経営者の感性や信念に負うところが大きく、決して方程式やマニュアルに頼った経営では経営は続かない」ということです。このことは、よく「企業は経営者の器以上に大きくならない」といわれますが、それと相通じるものがあります。

 たとえば、1970年代入ると「日本的経営」というものが世界から称賛されるようになりましたが、それは後付けでそのような名称がついただけで、当時の日本企業は日本の文化や時代的背景の中で懸命に努力していたにすぎないとジェニーンは看破しています。
だから日本的経営論なんてものはなく、個人の自由と機会の平等という伝統があるアメリカ企業が真似てもうまく行くはずがないと言っています。

 

つまり、見よう見まねだけでは経営はできず、経営とは環境や他人や社員のせいにはせずに経営者自身が責任をもって判断し、率先垂範していくものだということでしょうか。

 

2.経営は成果がすべて
 『プロフェッショナル・マネージャ』の原題は「Managing」です。経営とは成果をもたらすことであり、マネージャとは成果を叩き出させられる人であると言います。

 たとえば、書籍は初めから読み出し、終わりへと進みますが、経営はその逆です。
つまり、終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをすれば、最大の成果が挙げられるということです。もし、狙う成果が得られなければ、できる限りに挙げた施策に問題があったわけなので、その施策の変更を重ねればよいということです。

 

少し、乱暴な言い方のように聞こえますが、まさしくPDCAマネジメントのことをいっています。

 

3.経営者は超リアリストであるべき
 超リアリストとは、いいかれば、現場主義あるいは実務主義ということです。
経営者は会社の奥で引きこもり、参謀本部のごとく机上でものごとを判断・指示・批判をしているのではなく、常に現場へ出て、わかりやすい指示・判断をするべきだといいます。

 たとえば、流行り言葉のような「起業家精神が大切だ」とか、「今こそイノベーションが重要だ」など、浮ついたかけ声を戒めています。

 

他社で成功した事例でも、自分たちの会社・自分たちの仕事の中に落とし込まないと現実の成果にはつながりません。

 

4.人間が主役
 最後にジェニーンは「人こそが主役である」と温かい情感を示しています。ここが人を動かす情熱となる『要』です。単なるリアリストでは人を動かせる経営者にはなれません。
強い信念と厚い情感があってこそ、人が動く情熱になるのだと思います。

 そこで次のような「経営についての個人的なすすめ」を挙げています。
①本来の自分でないことは振り回すな            ☛自分を出せ
②事実と同じくらい重要なのは事実を伝える人間である    ☛正直な人間を排斥するな
③組織の優秀な人間はマネージャからの質問を待ち受けている ☛幹部には度量が重要
④経営上の核心を突く質問を嫌がるのはインチキな人間だ   ☛耳の痛い話も謙虚に聞け
⑤現場におけるきわどい判断はマネージャがすべきである   ☛任せると丸投げは違う

 

このように逆から理解するとジェニーンの言わんとするところがよく理解でいます。

 

 

この『プロフェッショナル・マネージャ』は「孤独」といわれている中小企業経営者に勇気と活気を与えてくれる書です。小規模な中小企業であればあるほど、経営者の重要性は増してきます。社長の経営道を社員の皆さんに伝えて「いい会社」作っていきましょう!


掲載日:2015年11月12日 |カテゴリー:組織風土, 経営技術

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