経営技術を磨く ブルーオーシャン

■ブルーオーシャン -競争がない市場を創造するー

ブルーオーシャンとは、欧州経営大学院教授のW・チャン・キムとレネ・モボルニュが著したビジネスモデルです。
ブルーオーシャンには中小企業経営にとって一番重要ともいえる、『価値革新』の考え方について述べられています。価値改革とは自社の顧客にこれまで提供できていなかった新しい価値を創造し提供するということです。これができないと新しい顧客を獲得することができません。新しい顧客を獲得できなければ、それは事業の終焉を意味します。
いま最も大事なことは私たち中小企業が新しい顧客を獲得・創造することができるかということです。

 

1.価格競争による儲からない経営を解消する
値引き合戦、過剰で続けられない顧客サービスによる経営をブルーオーシャンの対局として「レッドオーシャン」といいます。いま多くの中小企業が取り組んでいる経営モデルです。ブルーオーシャンはそのような考え方を否定することから始まります。
たとえば、市場に対して❝思い込み❞はありませんか?
 当社の製品はこれだけだ・・
 お客様の望んでいることはこれだけだ・・
 こんなことはとても出来ない、無理だ・・ 等々
これらはすべて固定観念であり、これまでの単なる経験に基づく既成概念なのです。
実はそのすぐ隣に他社とは一線を引けるブルーオーシャンがあるのです。

現代はボーダレスな国際社会です。多くの企業が「日本で成功したからアジアでも成功するはずだ」と思い、そのまま進出してうまく行かなかった事例は多くあります。
そこで少し発想を変え、手持ちの製品の見方や組み合わせを変えて大成功を収めたユニ・チャームの話は有名なところです。

 

2.お客様に違いが見える、わかる経営をする
そこで、ブルーオーシャンモデルでは「良い戦略」と「悪い戦略」の特徴を次のように紹介しています。

《良い戦略の特徴》             《悪い戦略》
 ①メリハリがある              ①続けられない、利益が出ない過剰奉仕
 ②独自性がある               ②一貫性の欠如
 ③訴求力のあるキャッチフレーズを考える   ③顧客が理解できない業界内の言葉使い

では、すぐ隣にあるブルーオーシャンに気づく発想方法とは
 ①代替産業に学び、顧客の本当のニーズに気づく
 ②同業者で異なる市場にチャレンジしている企業に学び、従来とは異なる切り口に気づく
 ③お客様(購入者・利用者・影響者)をこと細かく観察する
 ④補完材・補完サービスを研究する
 ⑤機能志向(製品・商品)と感性志向(見た目)の切り替えを考えてみる
 ⑥将来を予想してみる

このような視点で現状を見つめなおしてみると、新たな発想が生まれるかもわかりません。一番大切なことは「なるほどね」と理解するだけでなく、「よし、考えてみよう」とトライすることです。

 

3.急所、一点に経営資源を集中する
皆さんおわかりようにように、どんなすごい戦略も実行しなければ意味はありません。
そうです、実行されなければ意味はないのです。

では、❝実行❞に対して、どのような障害、ハードルがあるのでしょうか。
 ①意識のハードル    そんなことは・・・ (考えてもできないよな)
 ②経営資源のハードル  うちじゃ無理だ・・・(資金も人材もないし)
 ③士気のハードル    うちにはそんな社員はいないよ・・・(一番は自分なのに)
 ④抵抗・政治的ハードル 今の顧客になんて言われるか・・・(説明もしていないのに)

新しいこと(今まで取り組んでいないこと)に抵抗があるのが当たり前です。多くの企業はそこで立ち止まり、考えただけなのに、特に脳はやったつもりに記憶させてしまいます。
こうしたハードルを乗り越えることをティッピング・ポイント・リーダーシップといい、「一定数を超える人が信念を抱き続ければその考えは組織に浸透する」と言われています。
経営者とは、拡散ではなく集中を考えるリーダーです。

 

4.全社一丸で決意を実現する経営
戦略実行の本質は、従業員とのコミットメントです。経営者にしかできないことはありますが、他方、経営者だけでは何もできません。

そのためには従業員とのコミットメントをし、全社一丸体制を構築しなければなりません。そうした全社一丸体制を構築するためには次の公正なプロセスが必要です。
 ①関与 ➡従業員一人一人が意見を言う機会
 ②説明 ➡経営者の狙い・目的が説明されている
 ③期待 ➡目標・成果が明示されている
 ④報奨 ➡達成できればどうなるか
 ⑤信頼 ➡経営に対する信頼と従業員に対する信頼

ブルーオーシャン実行の難しさは当たり前のことをやり抜く難しさとも言えます。

 

最後にブルーオーシャンの戦略ツールとしては、戦略キャンパス4つのアクション6つのパス(経路) の3つがあることをご紹介しておきます。

 

 

ブルーオーシャンは、これまでの業界慣習や思い込みなどに囚われず、常識という枠の外に出ることで実現できます。
すでに「こんなことは大企業だけだ」とか「そんなことは無理だ」とか思われている方は、それがすでに思い込みであり、常識の枠の中なのです。
ときには、逆から見てみることが重要です。
ブルーオーシャンは、技術革新ではなく、価値革新(バリュー・イノベーション)なのですから。


掲載日:2015年9月30日 |カテゴリー:マーケティング, 経営技術

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