経営技術を磨く BS経営技術①

■BSによる経営技術 -経営危機を避ける経営①-

BSは多くの会計資料の中でも最も重要な資料です。
なぜなら、自社の経営状況がわかるからです。しかし、多くの経営者はPLと比べると見ていることが少ないようです。その理由はBSは見てもあまりよくわからないからとよく言われています。

 

PLは1年間の、売上高・売上原価・売上総利益・販管費・営業利益・支払金利・経常利益を表しているだけですから、確かにわかり易いですと思います。
それに対してBSは、資産とか、負債とか、純資産とか、いまひとつピンと来ない用語が、並べ立てられており、確かに直感的にはわかりにくいように思われます。
BSを読むには『会計識字力』が必要になります。

 

BSは、会社を始めて以来の「自社の経営状況」を表しています。
BSを見方・読み方を知れば、必ず経営を強くできます。
なぜなら、事前に危険を察知し、回避する経営ができるからです。
BSを見ない・読まない経営とは、健康診断を受診しても、その結果を見ないで生活すると同じです。放置するといずれ大病を患うことになるかもしれません。
ぜひ、BSで経営技術を磨きましょう。

 

1.常に「現金・預金の余裕」を確認する

B/Sで必ず読むべき項目のひとつは『現金・預金』、キャッシュです。
ただし、残高を見るだけでは意味はなく、読む必要があります。

(1)現預金が減り気味ではないか
現預金は本来、順調に経営して行けていれば、必ず増えていくものです。まずそのことを
理解してください。現預金は増えて当たり前なのです。その感覚を持つべきです。
したがって、期首と比べて、前年等と比べて現預金が減ってきているようであれば、
それはアラームが鳴っているのと同じです。
現預金の減少状況によってアラームの音の大きさは違いますが、必ずその原因を掴み、対策を講じる必要があります

(2)現預金の残高は月商と比べてどうか
まず第一に、現預金の減少は残高の多寡で確認するのではなく、月商と比べて確認します。
つまり、事業も身体と同じように大きくもなれば小さくもなります。したがって絶対額だけでは判断できません。身体の大きさに応じて判断しなくてはなりません。その身体の大きさが『月商』なのです。
もし月商と同額程度の現預金しかないのであれば、給料や月末の支払は大丈夫なのかと疑問符がつきます。
常に月商の2~3ヶ月分以上の現預金がある経営を心がけねばなりません

(3)借入金と比べてどうか
次に借入金とも比べる必要があります。
短期借入金も長期借入金も、その返済は預金からします。売上高からではありません。
ですから借入金返済はP/Lには表示はされず、B/Sの預金の減少と借入金の減少として表示されます。
そこで、借入金が減って、ほぼ同様に預金も減っているのであれば、それは手元の預金から借入金を返済しているだけで、まったく儲けから返済していないことになります。
それでは何のために借入したのか本末転倒です。
本来的には借入金の減少額よりも預金の減少額が少なくなっていないといけません

 

2.「売上債権」を確認する

現預金の大もとは売上高ですが、直前のもとは売上債権です。売上債権は減りすぎても増えすぎても、ともに問題を現しています。
売上債権にはそれぞれの企業に応じた適正額というものがあります。それが各企業で定めている回収サイトです。
1ヵ月後に支払ってもらうことにしているのであれば、売上債権は月商1ヵ月分程度の筈ですし、2ヵ月後であれば月商2ヶ月分程度になる筈です。
それ以上の売上債権があれば、未回収債権があることを示しており、それ以下であれば不正経理等の可能性も考えられます

 

3.「棚卸資産」を確認する

棚卸資産は支障が出ない限り、少なければ少なければ少ないほど良い資産です。持ち過ぎは不良在庫の原因になったり、置き場所にも困ります。また不正の温床にもなりかねませんので、在庫を多くして良いことは原則的には一つもありません。
この棚卸資産も常に月商と比べて、その適量を管理します。また1年に1回、1か月に1回ではなく、できることであれば、毎週実地棚卸をすることが重要です

<次回へ続く>

 

 


掲載日:2015年9月16日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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