財務諸表の読み方 3ヶ月診断

財務諸表の読み方「財務分析」(13) 3ヶ月診断

■3ヶ月(四半期)診断とは

前回は月次診断で「キャッシュの状況」「売上債権の状況」「償却前営業利益の状況」から毎月の足元を確認しましょうと、説明させていただきました。
今回は視点をもう少し遠くにおいて、3ヵ月ごと又は6ヶ月ごとには自己経営診断したほうが良いと思われる項目をご説明します。
そこで問題点が発見されれば、その診療科目別に詳しくみるということになります。

 

■3ヶ月(四半期)診断に関する分析(検査項目)

1.総資本の活用状況

総資本(自己資本と他人資本)や総資産(流動資産と固定資産)は、事業活動を通じて売上高をあげるためのモノです。したがって、多くの売上をあげればあげるほど、投下している総資本や投資した総資産をよく活かしているということになります。
そこで四半期あるいは半期に一度ぐらいはその活用度を確認する必要があります。
どの程度活かすべきかといえば、中小企業の場合では、最低でも年間2回転(2倍)程度は活かしたいところです。
※中小企業の場合は資本・資産規模が小さいのですから、大手企業以上に効率の良い経営を目指さなくてはなりません。

年間2回転とは、総資本5千万円の企業であれば、年商は1億円ということです。
資本・資産効率をあげるためには、売上高を増やすという考え方ももちろん重要ですが、より重要なことは必要最低限度の小さな資本・資産を心がけることです。
ともすれば、大きな会社を目指す社長さんを多く見かけます。特に少し成功すると、積極経営ということで積極的な設備投資を繰り返す経営者が多いようです。
その結果が過大設備投資による倒産です
設備投資を否定するわけではありませんが、設備投資とともに冷静な採算計画を立案することが大切です。
分析値ではこのことを「総資本回転率」と呼んでいます。

 

2.借入金の状況

四半期あるいは半期ごとの大局的に確認したいことのもう一つは、「借入金」です。借入金とは、銀行から借り入れている短期借入金と長期借入金の合計です。
これを平均月商と比べることで「借入金の過大さ」が把握できます。
平均月商3ヶ月分程度あれば、適正内です
6ヶ月分から年商程度あれば、しばらく借入は控え、返済に専念すべきです。
それ以上あれば、常に借入返済状況について資金繰りと併せてチェックする必要があります。
年商6千万円の会社を例にいえば、借入金15百万円以内であれば適正内、3千万~6千万あれば注意、6千万以上であれば厳重注意という感じでしょうか。
このことを分析値では「借入金対月商倍率」と呼んでいます。

 

3.収益の状況

収益の状況とは損益分岐点です。損益分岐点とは現在の売上高に対する、赤字転落するか、ならないか、という収支トントン売上高の割合のことをいいます
損益分岐点が50%であれば、売上高が半分に落ちても赤字にならないことを現しています。
80%であれば、2割以上売上が落ちれば赤字転落になることを示しています。
120%であれば、収支トントンにするためにあと20%売上を伸ばさなければならないことを示しています。
正確な損益分岐点を知るにはちょっと複雑ですが、概算であればカンタンに求められます。販管費+営業外損益を売上総利益率で割ると概算の損益分岐点売上高が求められますので、それを実績に売上高で割れば、損益分岐点になります。
例えば、四半期売上が1千万円、売上総利益率が40%、販管費+営業外損益が380万であれば、損益分岐点売上高は380万÷40%=950万となり、損益分岐点は950万÷1千万=95.0%となります。
5%売上が落ちれば赤字転落となりますので、もう少し損益分岐点は下げたいとなります。
できれば損益分岐点は80%以下を目指したいものです

 

まだ他にも月次で診断すべきことはあるかと思いますが、少なくともこの3点だけは毎月押さえておきたいものです。

 

 

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掲載日:2015年7月28日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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