財務諸表の読み方 生産性

財務諸表の読み方「財務分析」(10) 生産性分析

■生産性とは
生産性とは、どのくらい多く作っているのかではなく、「どのくらい多く売っているのか」ということです。
特に企業創業期においては、売上高が計画通り増えていかないと資金繰りが回らなくなりますで、特に重要な分析となります。

 

■生産性に関する分析

1.一人当たり年間売上高
一人とは「従事員」のことを指します。従事員とは、役員・正社員・契約社員・パートなど業務に従事する全ての人のことを指します。
ちなみに「従業員」とは、役員を除く全ての雇用者を指します。
「社員」とは、非正規を除く正社員・正職員を指します。
生産性の計算に当っては分母を統一することが肝要です。また外部比較する場合は分母を確認する必要があります。
一人当たり年間売上高は原価率が低いサービス業であれば1000万円から1500万円程度、原価率が高い製造・卸売・小売・建設業等々であれば2000万円から3000万円程度は確保したいものです。

2.一人当たり年間売上総利益
売上総利益とは粗利益のことであり、売上高から売上原価を差し引きしたものです。この一人当たり年間売上総利益が人件費と経費支払いの「源泉」となります。売上総利益と人件費及び経費が同額では営業利益はゼロとなり、借入金の返済や内部留保金を貯めることはできません。マイナスということは事業が成り立っていないことを示していますので、早急に改善する必要があります。
なお、類似用語で加工高があります。加工高とは限界利益のことを言い、厳密に言えば、売上高総利益とは違い、正味付加価値額のことを言います。
具体的には商品や材料費、外注加工費などの直接原価に、どれだけの付加価値をつけたのかというのが「加工高」となります。
それに対し、売上総利益は売上から全部原価(直接原価に労務費や製造経費など間接原価を加えたもの)を差し引いた利益となります。
実務的には売上総利益と加工高を使い分ける必要はないと思います。

3.一人当たり年間人件費
人件費とは給料・賞与に社会保険料などの法定福利費と厚生費を加えたものです。
それを従事員数で割ると一人当たり年間人件費となります。

4.労働分配率
労働分配率とは、人件費を売上総利益で割ったものです。業種業態によって違いますが、ざっくりいえば、3分の2(60~70%)程度に収めたいものです。
役員を除いた従業員労働分配率であれば、役員と従業員の人数割合にもよりますが、50%程度に収めたいものです。

5.一人当たり総資本(または総資産)
総資本とは事業のために調達している総資金です。投下資本ともいいます。
事業は少ない投下資本で大きく稼ぐのが醍醐味ですから、その意味では一人当たり総資本(または総資産)は、利益が出るのであれば、少ないほど良いともいえます。
一般的には一人当たり総資本は大きいほど立派な企業のように思われるかもわかりませんが、それはぜい肉のついた身体と同じで、中小企業の場合は小粒でもピリリと辛い山椒のようなビジネスモデルが良いといえます。

 

生産性に関する分析はこの他にも多くありますが、大事なことは「自社の生産性を明らかにするものは何か」ということを知り、決めるということです。そしてその生産性分析を定点観測することによって自社の生産性を課題を捉えることです。

 

 

T&Tマネジメントならびにパートナー税理士法人ではこのようなお話を専門的な言葉ではなくわかりやすい日常語に置き換えて、経営者の皆様や配偶者の皆様と愚直にお話させていただくように心がけています。

 

 


掲載日:2015年7月8日 |カテゴリー:会計識字率, 経営技術

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